【戸塚啓コラム】悲観的にならざるをえない
試合映像を改めてチェックしてみる。
攻撃の狙いは感じられた。連動性が発揮された場面はあった。18分の玉田の決定機は、ニアサイドへの低く速いクロスからだった。42分の決定的なシーンも、ニアサイドへのクロスから生まれている。サイドチェンジを織り交ぜていたのは、攻撃が中央に偏ったベネズエラ戦の反省からだった。やろうとしていることは、伝わってきた。
ベネズエラ戦からの上積みがあるのは当たり前で、W杯を念頭に置くと悲観的にならざるを得ない。楢崎のPKストップで辛うじて引き分けたゲームを、どうして評価できるだろう。不安、焦り、苛立ちといった負の感情ばかりが沸き上がってくる。
たとえば、中国の左サイドバックに際どいシュートを浴びた32分の場面だ。そもそものきっかけは、左サイドからドリブルをしてきた相手選手を、中村憲、遠藤、稲本、闘莉王の4人が食いつきながら止められなかったことにある。すでにこの瞬間に、バイタルエリアがぽっかりと空いていたのだ。
右サイドからのクロスは、中澤が何とか跳ね返した。中国の左サイドバックは、ミドルシュートを打ってきた。わずかにゴール左へ逸れたことで相手の攻めは終わったが、W杯ではそうもいかないだろう。シュートをワクへ持ってくる確率は高いはずで、シュートではない選択をしてくる可能性もある。
セカンドボールを拾ったデ・ヨングの外側から、ファン・ブロンクホルストが上がってくる。相手をつかまえきれずに四苦八苦しているゴール前では、あちこちでマークのズレが生じている。左サイドからクロスを供給され、シュートを叩き込まれる──W杯での失点シーンが思い浮かんだのは、僕だけではないはずだ。
・戸塚啓コラム - サッカー日本代表を徹底解剖
関連情報(BiZ PAGE+)

1968年生まれ。'91年から'98年まで『サッカーダイジェスト』編集部に所属。'98年秋よりフリーに。2000年3月より、日本代表の国際Aマッチを連続して取材している