トロントに集まったドイツのサポーターたち=ロイター

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[記者席]

 大リーグの取材でよく足を運んでいたトロント。

 W杯期間中にどんな雰囲気になるのか、到着前から楽しみだった。

 ダウンタウン周辺では、パブにサッカーボールの装飾が施され、歩道にはユニホームを着た人がちらほら。ただ、普段と大きな違いはなく、W杯の開催都市にしては控えめな印象だ。日本で初めてW杯が行われた2002年は、国中がW杯一色に染まっていなかったか? 学生時代の記憶を思い起こしながら、スタジアムへ向かった。

 スタンドに、勢いよく手をたたく男性がいた。現地在住の70歳で、息子に勧められて初めてスタジアムでサッカーを観戦したという。自身にはなじみのないガーナとパナマの対戦でも、選手が激しくぶつかり、ファンが一体感を持って後押しする姿に心が躍り、「こんなに面白いとは思わなかった! 孫にもさせたい!」。これまで大好きなアイスホッケー以外は受け付けなかったという少し頑固なおじいさんは、すっかりサッカーに魅了されていた。

 3度目のW杯開催となるメキシコは、古くからこの競技への情熱にあふれている。2度目の米国は言わずと知れたスポーツ大国で、繁華街がお祭り騒ぎになるのは茶飯事だ。カナダは初開催。派手さはなくとも、着実にファンが増えていると実感した。(平沢祐)