子どもの「やりたい!」で「自己決定力」を伸ばす――幼児期における自閉スペクトラムの子との関わり方

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自閉スペクトラムの子は、本人は頑張っているにもかかわらず、うまくいかない経験を重ねやすく、不安や戸惑いを抱えながら毎日を過ごしています。こうした子どもの不安に寄り添い、特性にあったサポートをするための書籍『自閉スペクトラムの子の育て方のコツがわかる本』より、子どもたちが少しずつ「自信」を育み、「自己決定力」や「相談力」を身に着けるためのコツを、日常生活の具体的な場面を通してご紹介します。

「できた!」で子どもの「やりたい!」をのばす

家事の手伝いは、生活のなかで親子が自然に関われるとてもよい機会です。また、子どもの「やりたい!」「チャレンジしたい!」という意欲を育てる絶好のチャンスでもあります。

子どもは、おもしろそうなことにとても敏感です。大切なのは、子どもの遊び感覚を尊重すること。「やらされている」と感じてしまうと、せっかくの経験も楽しくなくなってしまいます。

■子どもの見ているものに着目して興味のツボを押さえる

幼児期は大人のまねをしたり、おもちゃではなく実物を使いたがったりします。子どもが興味深そうに見ていたら、「お手伝いしてくれる?」と声をかけてみましょう。

■苦手なことは頼まない

子どもが不得意なことや、興味を示さないことを頼むのはやめましょう。不得意なことを嫌々手伝わせてもよい結果にはなりません。お手伝いに誘うのは、子どもができそうなこと、興味をもっているものにしぼりましょう。

ほめるのが不得意な人こそ、子どもをお手伝いに誘ってみてください。

簡単な内容でもいいのです。できて当たり前などと思わずに、子どもをほめる絶好のチャンスと考えましょう。「できた!」という実感をもてることが、次への自信につながります。

お手伝いのシチュエーションは、家の中だけではありません。外出先でも同じようにお手伝いの機会を増やしましょう。

たとえば、買い物に行ったとき、「にんじんをカゴに入れて」「ケチャップをとってくれる?」など、子どもができそうなことを頼んでみるとよいでしょう。

■完成度は求めず本人がやりきったならOK

お手伝いに完成度を求めてはいけません。本人がやりきったらそれでOK。「よくできたね」としっかりほめてください。ほめたあとに、「でもね」と注意を加えるのはやめましょう。

■意欲的にとりくめたら、どんな結果でも大成功

お手伝いで大切なのは、子どもが意欲的にとりくめるかどうかです。意欲をもってお手伝いをしているなら、難しそうであっても、しばらく様子をみて、それからサポートするかどうかを判断しましょう。お手伝いの最大の目的は、この「意欲」を引き出すことです。何に興味をもっているのか、よく観察して見極めましょう。

片づけやすい工夫でやる気をサポートする

「片づけて」「きれいにしよう」という言い方は、あいまいで自閉スペクトラムの子どもには伝わりにくいようです。

「クレヨンを箱に入れて」「かばんを棚に戻そう」と、具体的に声をかけるとよいでしょう。

片づけだと思うと面倒に思うことでも、「楽しそう」と感じると子どもは喜んでのってきます。「このおもちゃはどこに片づける?」「絵本の棚はどっちだっけ?」などと声をかけながら進めると、遊び感覚で楽しくとりくめます。

■ものの場所をざっくり決めておく

自閉スペクトラムの子は、ものを規則的に整理したり、決まった位置に置くことが比較的得意です。ざっくりとものの置き場所を決めておくと、使ったものを戻しやすくなります。

■片づけ始めを手伝ってやる気を支える

片づけ始めを手伝うと、やる気になりやすいものです。子どもがのってきたら、後半の片づけを任せる、といった具合に進めましょう。

■細かいルールをつくりすぎない

片づけをサポートしていると、次第に細かいことが気になって新たなルールを追加しがちです。しかし、こだわりが強い子は、ルールが細かすぎると、それに合わないものが出てきたときに混乱してしまいます。片づけのルールは、あえておおまかに決めておくのがよいでしょう。

【続きはこちら】「自閉スペクトラム」の子の「できた!」を大人が助けよう――子どもの潜在的なニーズを汲み取るために