【小学校火事】窓からの避難を決断…緊迫の一部始終を再現 音楽室にいた児童6人を取材 毎月していた避難訓練『お・か・し・も』とは?【バンキシャ!】
19日、東京・北区の小学校で火事があり、児童と教員あわせて11人がケガをしました。そして21日、火元の音楽準備室から燃えた衣類とみられるものが複数、確認されたことが新たにわかりました。
窓から外へ避難した5年生、24人。バンキシャはその中の6人の児童を取材。すると証言から当時の様子と、ある教訓が見えてきました。【真相報道バンキシャ!】
■音楽室にいた児童6人を取材

20日、火事があった東京・北区の小学校で、実況見分が行われていた。
19日に東京・北区の滝野川第三小学校で起きた火事。警視庁によると、4階の音楽準備室から出火した。隣の音楽室で授業を受けていた5年生の児童24人が、一時、取り残された。煙の奥には救助を待つ児童らの姿があった。
当時の音楽室の様子について、救助された児童は次のように話す。
音楽室から避難した小学5年生
「火を間近で見たんですけど、本当に死ぬのかなってくらい危険な状態で、怖かったです。泣き叫んでいたり、私たちどうなっちゃうのみたいな感じでした」
この火事で11人がけが。このうち教員1人、児童1人が骨折した。
激しく焼けていたのは音楽準備室の角。実況見分では電気ストーブなどの残骸が見つかったが、出火原因はわかっていない。
落ち着いて救助を待った24人の児童は、どのように命を守ったのか。バンキシャは当時、音楽室にいた児童のうち6人を取材した。
■小学校の図面を入手 音楽室内を再現

バンキシャは、火事があった小学校の図面を入手した。音楽室は4階の端にある。5年生の児童24人が一時、取り残されたのが音楽室で、火が出たのはその隣の音楽準備室だ。児童と保護者の証言をもとに、音楽準備室と音楽室の室内を再現した。
火元となった音楽準備室。部屋の隅にはシンバル、トランペットなどの楽器がある。反対側には、壁に沿って金管楽器のケースが並べてあった。窓にはカーテンがかけられていたという。
さらに隣の音楽室は、入り口側にホワイトボードがあり、その横にはピアノがあったという。教室の奥には、木琴などの打楽器が置かれ、児童らはそれをかいくぐって窓から避難した。
この音楽室にいた児童6人の証言と警視庁への取材で、そのとき何があったのかが分かってきた。
■窓からの避難を決断 緊迫の一部始終

午前11時ごろ。5年生の児童24人は音楽の授業を受けていた。そのとき、室内に焦げたような臭いが。音楽の教員が廊下を確認したが異常は見つからなかった。しかし、隣の音楽準備室につながる扉を開けると、中から煙が。すると──。
音楽室から避難した小学5年生
「火災報知機みたいなのが鳴っていて。ジジジーみたいな、すごい大きい音で。最初は、すぐおさまるだろうと思って、結構、みんな落ち着いてたけど、全然止まらなくて。みんなおびえて、けっこう泣き始めちゃった子もいました」
火災報知機の音を聞き、担任の男性教員がかけつけた。そして、担任の指示で児童らは教室の窓を開け、子どもたち同士でも声を掛け合い、しゃがんでハンカチを口にあてた。
担任は消火器で火を消そうとしたが、おさまらなかった。廊下を確認すると、階段には防火シャッターがおりていて、すでに煙が充満。音楽室に戻り、地上に滑り降りる避難器具「救助袋」を使おうとしたが、煙が濃くなり始めた。
そこで窓からの避難を決断。まず、担任がひさしの上におり、「1人ずつね!」と声をかけ、児童を1人ずつ抱きかかえ、避難させたという。
音楽室から避難した小学5年生
「担任の先生はですね、必死に生徒を守るために、叫びながら避難を行っていました」
音楽室にいた児童24人のうち21人が、校庭とは反対側の窓から、ひさしに避難。
音楽室から避難した小学5年生
「(ひさしは)けっこう狭かったから、怖かった」
児童たちは、お互いに励まし合っていたという。
音楽室から避難した小学5年生
「僕たちって大丈夫なのかなって。大丈夫だと思うよって話してた」
校庭側の窓から自力で出た残りの3人も、ひさしの上から消防隊に救助された。
■『お・か・し・も』…生きた避難訓練

児童は当時の様子について、次のように話した。
音楽室から避難した小学5年生
「下の方に煙が来ないっていう。だからしゃがんで避難するのが役に立ったと思う」
避難訓練で教わったとおり、しゃがんでいたという。校長も会見で“避難訓練”に触れた。
滝野川第三小学校・高草木政浩 校長
「命の学習ということで、毎月の避難訓練に力を入れて取り組んでいます。『お・か・し・も』という約束を毎回確認していますが、▲おさない ▲かけない ▲しゃべらない ▲もどらない、というところは、徹底できていたと思っております」
東京都は原則として、小学校での避難訓練を年間11回以上行うとしている。
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滝野川第三小学校・高草木政浩 校長
「私は教員を40年近くやっているんですが、初任校で火事があったんです。それで学校でも火事があるっていうことは、身に染みて知っていた」
元東京消防庁・麻布消防署長の坂口隆夫さんは、次のように話す。
元麻布消防署長・坂口隆夫さん
「先生の指示を聞いて、すぐ行動に移せるわけですから。毎月毎月やっている避難訓練の成果があらわれたということですよね。行動が身についているということですよね」
さらに、今回は使われなかった「救助袋」については──。
元麻布消防署長・坂口隆夫さん
「その訓練もね、避難訓練とは別にやらなければいけない。それは今回の火災の教訓のまた一つでもあると思います」
