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結婚しているのに独身だと偽って交際する「独身偽装」の被害を訴える人が相次いでいます。

妊娠した後に交際相手が既婚者だと判明し裁判を起こした30代の女性が、今月23日の判決を前に取材に応じました。

■「どうしていったらいいんだろう」妊娠後に知った相手のウソ

東京都内に住む、まゆさん(仮名・30代)は、不妊治療を始めておよそ1年でようやく授かった子どもの誕生を楽しみにしていました。

まゆさん(仮名・30代)
「これ17週ですね」
「とても、いとおしい気持ち」

しかし、その父親は既婚者でした。

まゆさん
「問い詰めたところ、『結婚して、子どもがいる。離婚していない』という話を本人の口から聞きました」
「妊娠できてうれしかった半面、どうしていったらいいんだろうなって」

既婚者が独身だと偽って交際を続ける独身偽装。
被害を訴える声は後を絶ちません。

2年前には「独身偽装被害者の会」が設立され、これまでに数百件の相談が寄せられているということです。

さらに、インターネット上で行ったアンケートでは、207人が回答し、42人が妊娠にいたっていたことがわかりました。

まゆさんは、損害賠償を求め男性を提訴しました。

まゆさん
「私の今回のことがもう少し大きく報道されて、そういうことをしようと思う男性が少しでも減ったらいいなと思って」

独身偽装の実態を知ってほしいと、まゆさんは自らの経験を話してくれました。

■「バツイチです」とウソ、婚姻届にも記入

2022年8月、婚活中だったまゆさんは、友人らの紹介で男性と出会ったといいます。

まゆさん
「結婚を考えていたので」
「私の両親にも、とても優しくしてくれるような明るい方がいいなと思っていたので。とても印象がよかったです」

交際する前のやりとりで、男性は「僕は離婚してて、バツイチです」と伝えていました。

その後、交際を始めた2人ですが、その2か月後には、男性から「結婚すると決めている」という言葉もありました。

さらに男性は、婚姻届に記入し、再婚・離別の欄にチェックをつけていました。

交際中、男性はまゆさんの両親と何度も食事に行き、2人で不妊治療も行ったということです。

そして交際開始からおよそ2年、まゆさんの妊娠が分かりました。

まゆさん
「私の両親も、生まれてくる子に対してはとても楽しみで」

しかし、結婚の話は一向に進まなかったといいます。

■問い詰めると土下座、離婚していないことや子どもの存在を告白

2024年10月、不審に思ったまゆさんは男性を家に呼び、友人とともに問い詰めました。すると男性は、離婚していないこと、さらに子どもがいることを告白したのです。最後は玄関で、土下座をしたといいます。

まゆさん
「自分自身がショックというより、両親がすごく喜んでくれていたので傷つけてしまうなと」

その後、お互いに弁護士を立ててやりとりをしましたが、最終的にまゆさんは提訴を決断しました。

男性側は、「バツイチだ」などと虚偽の事実を伝えたことを認めた上で、交際を始めた頃は妻との離婚を考えていたと主張。

その後、まゆさんとは「交際を終わらせるタイミングを逸したことにより、関係が漫然と継続したにすぎないもの」としています。

去年、女の子を出産したまゆさんは、現在の心境を語ります。

まゆさん
「自分が大変かどうかよりも、娘が悲しい思いとか、さみしい思いをしないかというのがずっと気がかりで…」

「自分は他の家庭と違うのかなって気付いたときに、どういうふうに説明していこうかな」

判決は今月23日に言い渡されます。

■「個人の問題ではなく、社会問題として認識され始めている」

この問題を取材した司法クラブの飯塚真代キャップは、次のように指摘します。

司法クラブ・飯塚真代キャップ
「これまで独身偽装の問題は、個人的な恋愛トラブルとして片付けられたり、だまされた側の落ち度とされたりする傾向がありましたが、実際に取材をしてみると、巧妙に偽装をしているケースも多く、人生を狂わされた方がたくさんいました」
「これは個人の問題ではなく、社会問題として認識され始めています。独身偽装という被害があることを、社会としても知っていく必要があると思います」

■被害者が“泣き寝入り”する現状...刑事罰なく法改正求める声

(和久田キャスター)
「VTRにも出てきた『独身偽装被害者の会』の調査によりますと、現状ですと、民事訴訟で勝ったとしても賠償額は数十万円程度にしかならないケースもあり、弁護士費用への不安などから法的手続きを取らず『泣き寝入り』してしまう人も多いということです」

「また、心身ともに傷つけられる人もいる『独身偽装』なんですが、現在の日本の法律では基本的に刑事罰には問えない、ということなんです」

「日本テレビ解説委員の竹内さん、どうしてなんでしょうか?」

■専門家「詐欺罪にも不同意性交罪にも問うのは難しい」

(竹内真解説委員)
「大阪大学大学院の島岡まな教授によると、金銭をだましとっておらず財産の移転もないので『結婚詐欺』には当たらず原則『詐欺罪』には問うことは難しいということです」

「また、今の刑法では独身だと偽って性行為をしたこと自体を『不同意性交罪』問うことはできないということなんです」

「だからこそ、被害者の会は刑事罰に問えるよう法改正を求めているんです」

(和久田キャスター)
「きょうのゲスト、元ラグビー日本代表の福岡堅樹さんはいかがですか?」

(福岡堅樹さん)
「こういう男性がいることが、同じ男性としてやるせない」

「子どもや結婚を望んでいる人にとって、時間というものがどれほどかけがえのないものかということを、真剣に考えてほしい」

(和久田キャスター)
「法律面での課題もありますが、まずは今回取材にこたえてくださった方の声が、こうして広く届くことで新たな被害の芽がつまれることを切実に願います」

(6月20日放送『追跡取材 news LOG』より)