国民投票法改正案が可決された衆院憲法審査会(18日、国会で)

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 今国会での憲法改正議論で、衆院と参院の進み具合に差が生じている。

 衆院憲法審査会はほぼ毎週開かれ、緊急事態条項に関する議論が深まりを見せているが、参院憲法審は半分程度にとどまっている。早期の憲法改正発議には、少数与党の参院での合意形成がカギを握ることになりそうだ。(中山潤)

与党ペース

 「今国会の議論はこれまで以上に活発化した。緊急事態条項は非常に大事だが、9条の議論も活性化するようやっていきたい」

 日本維新の会の藤田文武共同代表は20日、新潟市内で記者団に対し、改憲議論の進展に手応えを示した。

 自民党と維新は連立政権合意に2026年度中に改憲条文案を国会に提出すると明記した。与党は2月の衆院選で、発議に必要な総定数の3分の2以上の議席を得ており、来年1月召集の通常国会冒頭には条文案を提出し、来年春頃に発議するスケジュールを描く。

 目標実現に向け、衆院憲法審は与党ペースで審議を重ねている。実質審議は4月から始まり、原則毎週木曜の定例日に計9回開催された。緊急事態条項については、衆院法制局などが作成した議員任期延長を柱としたイメージ案をもとにした議論が行われ、与党や国民民主党は条文案作成の必要性を強調した。中道改革連合も「論点が可視化された」として、議論を拒む姿勢は見せていない。

 自民、維新両党は緊急事態条項の条文化に向けた作業に入っている。19日の実務者協議会では、自民の新藤義孝・党憲法改正実現本部事務総長が「協議会は極めて重要な意義を持つ。役割を果たす」と訴えた。維新幹部は「いくつか詰める項目があるが、今国会中にまとめる」と語る。緊急事態条項に関するすり合わせが終わり次第、維新が重視する9条の協議を本格化させる見通しだ。

5回だけ

 対する参院は、審査会長を立憲民主党の長浜博行氏が務める。立民は「丁寧に議論する必要から隔週開催が基本だ」(吉田忠智・野党筆頭幹事)との立場だ。審議のための開催は5回だけで停滞感は否めない。

 このうち3回は、与野党が必要性でほぼ一致する合区解消をテーマにした。参院自民は合区解消で野党を引き寄せたい考えだが、立民と公明党は法改正で対応できるとの見解で、溝が埋まる兆しはない。6月の審査会では緊急事態条項を議題としたが、「参院の緊急集会を活用すべきだ」との声が根強く、議論は深まっていない。

 衆院憲法審で可決された国民投票法改正案は19日には衆院本会議で可決され、参院に送付された。今国会で成立すれば、改憲に向けた環境整備が進む。それだけに、自民幹部は「国民民主などを取り込み、参院での突破口にしたい」と意気込む。