【独占インタビュー】9か国語を話す20歳の日本人インフルエンサーLaraさん、 コロナを機に36か国語を独学した“ハイパーポリグロット(多言語話者)” の頭の中
「英語を使えるようになりたい」「今年こそは英会話を学ぼう」と思いながらも結局身につかない……そんな人も多い中で、9か国語を操り、36か国語を学んでいる20歳の日本人、Laraさん。
【写真を見る】2025年「準ミスワールド日本」を受賞したLaraさん、幼稚園で園児に絵本の読み聞かせをする様子
「ハイパーポリグロット」(多言語を習得し操る人)といわれる語学の達人の頭の中は、いったいどうなっているのだろう。
日本語、英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、ロシア語、イタリア語、ドイツ語を流暢に話し、現在ドイツの大学で医学を学んでいるLaraさんに話を聞いた。
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「私は、毎日コツコツ勉強するのが得意ではなく、テスト前に集中して一気に勉強するタイプです。実はいま、学校のテスト前なので、1日16時間くらい勉強しています(笑)。
でも、語学は"勉強"という意識ではなく、いろんな人と話をしたい、仲良くなりたい、そのために学びたいから楽しいのです」(Laraさん、以下同)
始まりはイギリスの子ども向けアニメのDVD
──最初に話すようになったのは何語ですか?
「両親とも日本人なので日本語で育ち、おばあちゃん子だったので、いつも祖母と遊んでいました。そういえば、『Peppa Pig(ペッパピッグ)』というBBC(英国放送協会)で放送されていた子ども向けアニメのDVDを物心ついた時から見ていました。
後に母から聞いたのですが、『ブリティッシュアクセントを身につけてほしかったから』ということでした。両親は仕事の関係で、語学の重要性を感じていたようです」
3歳でブリティッシュスクールに入学したLaraさん。恵まれた環境だから英語が身についたのでは? と思うが、Laraさんのポリグロットへの道はそこが始まりにすぎない。
フランス語を勉強していた12歳年上の姉に「フランス語、楽しいよ」と聞いて、自分もフランス語を話したいと、9歳の時に日本のフレンチスクールへ転入。フランス語は全くわからない状態だった。
「フランス語が話せないのに心配じゃなかったの? と驚かれます。でも、楽観的な性格のせいか、気にしていませんでした。それよりも、フランス語を学びたかったので、ワクワクしていました。両親も私のやりたいことを後押してくれました。
最初の半年間は1日2時間、授業とは別に言語サポートクラスがありましたが、その後は皆と一緒のクラスで、学校の勉強をフランス語で学び友達と遊びながら覚えていった感じです。宿題がたくさん出る学校だったので、家でも宿題に追われたいへんでしたが、頑張った甲斐があり、フランス語が得意になりました。DELF C1(フランス政府公認フランス語資格)を取得しています」
10歳までには日本語、英語、フランス語の3か国語を話すトリリンガルになったLaraさん。さらに、フレンチスクールではスペイン語の授業もあって、そのクラスも毎回楽しみにしていたという。そして、13歳の時の出会いが多言語への興味をかき立てた。
10か国語を話す台湾人の男の子に出会って目標に
スペイン語に似ているポルトガル語にも興味をもち、ポルトガルからの留学生に時々教えてもらっていた。
「その先生のルームメイトが10か国語を話すと聞いて、その人に会ってみたい! とお願いして会えることになりました。台湾出身で10代のKevin(ケヴィン)は、ドイツ語、タイ語、フランス語、日本語など10か国語を流暢に話せるんです。
そのスキルに感動し、『私もKevinみたいに話せるようになりたい!』と、たちまち目標になりました。Kevinも、応援するよ、と機会を作ってたくさんの言語で話しかけてくれたり、ほめてくれたりしたので、それが多言語マスターへのやる気と自信に繋がりました」
Laraさんの母・真理子さんはこう話す。
「今思い出してみると、Laraは耳が良いというのか、興味があるからなのか、旅行先でもすぐにその国の言葉を覚えて使って、現地の人を驚かせていました。好奇心旺盛で、『話したい』という気持ちがとても強く、そのまま行動につながっていたのだと思います」
いろんな場所へ行ったり人と会って話すことが大好きなLaraさんだが、14歳で中国に留学し、中国の中学校で中国語を勉強していた時に、コロナ禍がおとずれる。
コロナ禍のホームステイ中だからできたこと
「オンライン授業になり、授業後に外出もあまりできず時間ができたので、いろいろな国の人と30分ずつオンラインチャットで話してみよう、と思いつきました。毎日トータルで5時間くらい、オンラインチャットで世界中の人と話していました」
勉強のために教えてもらうというより、話す内容は、日常のおしゃべりみたいな感じだったという。
「私は料理が好きなので、料理の話をよくしていました。一緒に料理番組を見てそれについてあれこれ話したり、どちらかが料理を作ってそれについて話すとか、あとはお互いの国の話、家族の話とか。たわいのない会話ですが、いろいろな国の人たちと話ができることは、この時期を過ごす上で救いになりました。
もっと聞いてみたい、伝えたい、という気持ちから、ほぼ独学で36言語くらいを学び、普通に話せるようになったのが9か国語です」
その9か国語の他にも独学で勉強したのは、
韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語、タガログ語、オランダ語、スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語、ルーマニア語、ギリシャ語、トルコ語、アラビア語、ウクライナ語、モンゴル語、カザフ語、スワヒリ語、マサイ語、ブルガリア語など、
というから驚きだ。現地に留学したわけでもなく、いったいどんな方法で学んでいくのだろう。
「興味のある言語があったら、まずインターネットで調べて、文法や言葉の基本をおさえます。YouTubeでその言語の動画を探して、ヒヤリングしてその言語独特の発音やリズムを覚えます。そして、オンラインレッスンを受けたり、話す機会をできるだけ作るようにしました。
勉強しよう! という感覚はあまりなく、『オンラインでいろいろな国の人と話したい』という気持ちや、「その国で話しているのはどんな言葉だろう」といった興味から、自然に勉強してみたい言語が増えていきました。
気になる言語はたくさんあっていつかきちんと勉強したいな、と考えていたので、そのチャンスがコロナ禍のステイホーム期間に来たと思っています」
たくさんの言語があって、覚える単語や文法が多すぎて混乱してしまうようなことはないのだろうか。
「私は文法をあまり気にせず、耳から聞いて真似をしながら言葉を覚えていくので、混乱することはあまりありません。スペイン語とポルトガル語のように似ている言語は、やっぱり混ざってしまうこともあります。でも、小さな間違いを気にせずに話すことが大切と思っています。
語学をマスターするコツは? とよく聞かれますが、私の方法は『聞いて、真似して、話す』。たくさん話して慣れること。重要なのは、細かく単語を気にするのではなく、その言語の全体のリズムを感じて慣れることだと考えています。人とおしゃべりすることが大好きなので、そのために話せる言葉を増やしていった感じです」
そんなLaraさんが文と絵を手がけた、日本語と英語のバイリンガル絵本『スカッフィとミスプードル』が発売され話題になっている。イラストレーターとしても8歳から仕事をしてきたLaraさん。
「世界を旅して、いろいろな国の人と話をすると、自分はなんて恵まれた環境にいるのだろうと改めて感謝の気持ちが生まれます。特に子供達に何か伝えられることがあればと思っていたところ、今回絵本の発刊が実現しました」
6月16日には、親善大使を務める福島県双葉郡富岡町にある富岡町立にこにここども園を訪れ、園児全員に絵本を寄贈。子どもたちに絵本の読み聞かせをして過ごした。
「子ども達はこんなところに気づくんだ、とか、素直な反応が実際に感じられて嬉しかったです」
絵本の巻末には、Laraさんが訪れた102か国のうち20の国や地域の「ありがとう」の言葉が紹介されている。まずは「ありがとう」だけでも、いろんな言語で伝えられたら、世界が少し広がるかもしれない。
◆プロフィール
Lara(ララ)/2005年、東京生まれ。幼い頃から絵を描くことが大好きで、8歳からイラストの仕事を始める。10歳で『Little Lara Land(リトル ララ ランド)』(2016年、扶桑社)出版、『馬のゴン太の大冒険』(2018年、小学館)の挿絵、12歳でサマンサタバサとデザイナー契約。ガーナやケニアでのチャリティー、言語の楽しさを伝える『リトルララランドポリグロットクラブ』の運営、チャリティーアート展『Art to you』開催。現在はドイツの大学で医学を学ぶ。ビジョンは、「アートと医学とことばで、世界の子ども達に元気を届けたい」。2025年10月、「ミスワールド日本大会」にて準ミスワールド日本を受賞。エリートモデルジャパン所属。2026年6月、初のバイリンガル絵本『スカッフィとミスプードル』(小学館)を発売。ABEMAのドキュメンタリー番組『CELEB SECRET』出演(2026年6月20日より放送)。など多彩に活動する
撮影/荒井俊哉 メイク/佐々木貞江 ヘア/左右田実樹
