深津絵里(C)日刊ゲンダイ

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【あの頃、テレビドラマは熱かった】

神々しかった高橋惠子の美しさは、同年代のトレンディー女優とは別格だった

 「予備校ブギ」
 (1990年/TBS系)

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 経済史的に言うと、すでにピークを過ぎていたのだけど、多くの庶民はまだまだバブルど真ん中だと思っていた1990年。親がお金を出せたから、受験生は何校も私大を受けていた。ただ有名私大はハードルも高く、「現役偶然、1浪当然、2浪平然」なんて言葉もあったほどで、予備校は大盛況だった。東進ハイスクールの“金ピカ先生”が「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」でブイブイ言わせてた頃だ。

 そんな90年春クールに放送されたのが、「予備校ブギ」。TBSの八木康夫Pが当時トレンディー路線だった脚本の遊川和彦氏とタッグを組んだ“ブギ3部作”の2作目で、主演は緒形直人(当時22)。その予備校仲間が織田裕二(同22)と的場浩司(同21)だった。高校生と大学生の間の、独特な期間の青春模様。そのバックに流れていたのは、フリッパーズ・ギターの小じゃれたテーマソング「恋とマシンガン」。♪ダバダバダバダダ〜。

 まだクチビルの色が明るかった織田裕二が演じたのは、3人組の中では先輩格で、“2浪”のチャラ男(そんな言葉はなかったけど)の薫。薫にナンパされ、その後ストーカーまがいに付きまとう高校中退のフリーター、真弓を演じたのは、これが連ドラデビュー作だった深津絵里(同17)だった。メインで描かれた2人じゃないけど、確かちょこっとキスシーンもあった! この2人が7年後にフジテレビで“踊る”ことになるわけだが、実にフレッシュな絡みだった。

 このメンツでの青春コメディーだと、見たことがない人は“トレンディードラマ”を想像するかもしれない。でもそうならなかったのは、所ジョージ(同35)、伊東四朗(同53)、白川由美(同53)、石倉三郎(同43)ら、金曜夜9時の“八木Pコメディー”の常連たちがいたから。このお約束的な顔ぶれの安心感は、「渡鬼」などの“石井&橋田ファミリー”に通じるものがある。

 そうそう、この予備校3人組に、講師役の田中美佐子(同30)がこう言っていたのを覚えている。「あんたたちは人間じゃない、ただの浪人」。浪人してないからまったく分からない(いえ、マウント取るつもりはありません)けど、当事者にはどう響いたんだろうか。

 放送当時の受験生たちも、苦労して入った大学を卒業するときには就職氷河期の入り口。必死に勉強しながらも“モテ”を意識していたのが、気が付けばもう50代後半だ。八木Pはまだ健在だから、緒形、織田、的場の3人で“定年ブギ”なんてやってくれないかなあ。田中美佐子に「あんたたちは、ただのジジイ」なんて言われちゃったりして。 

(テレビコラムニスト・亀井徳明)