金沢市の村山卓市長を団長とする訪問団が、5月6日から5日間の日程で台湾を訪問しました。トップセールスで狙うのは、ふるさとの偉人がつないだ友好関係の強化とさらなる誘客の促進です。

金沢市 村山卓市長

「非常に大きなミッションなので、このミッションを無事に成し遂げてきたい」

小松空港から直行便でおよそ3時間の台湾。村山市長がまず訪れたのは台湾の首都・台北市にある富裕層向けのツアーを企画する大手旅行会社です。

村山金沢市長

「さらなるアイテムを紹介しに参りましたので、ぜひぜひ話をさせていただきたい」

2025年、金沢市が外国人観光客を対象に行った調査では、台湾からの観光客が最も多く、全体の約2割を占め、ほかの国を大きく引き離しています。また、台湾からの観光客は、ほかの国と比べてリピーターが多いのも特徴です。

今回のターゲットを富裕層の観光客に定めた村山市長は、その理由について。

村山金沢市長

「本物を味わって体感したことを伝えていく方が富裕層。地域経済が回っていくことだけでなく、自分の言葉で発信、表現できる人にたくさん来てもらえることが金沢の新たな魅力をその方の口を通じて広げてもらえる価値がある」

本物の金沢を知ってもらう旅のプレゼンテーションです。

金沢市観光政策課 職員

「長年続く老舗の料亭なので、館内を案内してもらいながら、加賀料理を楽しめるプラン」

村山金沢市長

「加賀料理は味だけではなく見たりお香の香りだったり、そういったことが全部で体感できる。まさにしっかりとした舌があって、見る目がある富裕層の方におすすめな旅行と思う」

料理だけでなく伝統工芸を手掛ける一流の職人との体験プランなど他の都市にはない金沢が誇る多彩な魅力をふんだんに盛り込みPRします。

旅行会社の担当者

「今後は2泊以上のツアーで金沢の観光スポットを全部回ってもらう企画を提案したい」

金沢市誘客推進室 室長

「2泊されるのであれば兼六園や東山だけでなく、金沢の郊外にも海の近くに金石というところもあるし湯涌温泉もあるので、いろんなところを回ってもらえたら」

旅行会社の担当者

「わかりました。ありがとうございます。プレゼンテーションを聞いたので、もう少し金沢のスポットを入れてもっとディープな工程を組みたい」

一方、次に訪れた旅行会社ではこんな課題も…。

旅行会社の担当者

「今、少人数のグループ、ご夫婦やご家族の旅行が増えていているので中国語話せるドライバーを補充するのが大事な課題」

村山金沢市長

「富裕層の方は滞在中に不便なことを感じないことが大事だと思う。不便になる可能性があると誘客の機会を失ってしまうので、そのあたりに手当てができればと思う」

台湾視察2日目。舞台は、台北から新幹線で2時間ほどの場所にある台南市。人口およそ185万人、台湾の中で最も歴史のある都市です。

記者

「台湾の南西部位置する台南市。まちなかには日本語で書かれた看板や日本風の建物も多く。台湾の中で最も新日家が多い地域」

金沢市と台南市の交流は、およそ100年前に金沢出身の八田與一技師が烏山頭ダムと周辺の灌漑システムを建設し、「不毛の地」と言われた台南の農業を大きく発展させたときから続いています。

毎年5月8日の八田技師の命日には烏山頭ダムで墓前祭が営まれ、生誕140周年にあたる2026年は台南市長時代から16年連続で参加している頼清徳総統や、故安倍晋三元総理の妻・昭恵さんら過去最多となるおよそ700人が参列しました。

台湾 頼清徳総統

「このダムの水は農業だけでなく私たちの心の中にも流れている。台湾と日本の深い関係はこのダムと一緒。私たちの友情は100年にわたる発展の成果」

八田技師だけでなく石川との縁が今も息づく台南市。

白山市出身の建築家 梅澤捨次郎氏が手がけたハヤシ百貨店や台南市美術館=旧台南警察署などのモダンな建築物が現役で使われているほか300年以上前の面影を残した裏路地などレトロな街並みが人気の観光地です。

5月8日、台南市役所で、観光交流の合意書が交わされました。

黄偉哲 台南市長

「100年間台南市と金沢市は親しい関係を作った。私たちはこの友情を次の世代に引き継ぎ、友好関係を促進したい」

黄台南市長からは早速、若い世代の交流を深めるためこんな提案も。

黄偉哲 台南市長

「金沢市の子どもたちに、台南産のパイナップルを食べてもらうのはどうでしょう?」

八田技師が手がけたダムや灌漑システムによって台南市の特産品となったパイナップルを金沢市の学校給食で提供するアイデアです。ほかの友好都市にはない、歴史に裏打ちされた交流を次の世代につなげる取り組み。

村山金沢市長

「非常に大きな意義がある。このきっかけをもって将来につないでいくことが若い世代の勉強になると思っている」

交わしたばかりの合意書を携え村山市長が向かった先は、台南市の旅行代理店などが加盟する旅行業協会です。

村山金沢市長

「熱いうちでないと鉄は固まってしまうので、まさに合意書を締結したばかりなので今がチャンス」

合意書の締結をきっかけにさらに加速させたい観光誘客。

村山市長は台湾南部からの航空便の就航を求めますが、蔡理事長は金沢からの送客が課題だと指摘します。

台南市旅行商業同業公社 蔡理事長

「問題になるのは今までの経験上、仙台・小松にチャーター便があったけど小松から台南への搭乗率がよくない」

金沢市観光協会 桑原秀忠専務理事

「私ども観光協会には旅行業者が加盟しているので、この訪問をきっかけに旅行会社に台南に送客するよう働き掛けたい。お互いに紹介しあって、お互いに商品を作るような関係ができたらいい」

日本各地からの誘客合戦が繰り広げられている台湾。

重ねてきた交流を礎に互いがウィンウィンとなれる観光交流をいかに築いていけるかが今後の大きなカギと言えそうです。