パレス鎌田大地、欧州の舞台で再び価値を証明した。勝負どころで確実に仕事。キャリアの全盛期にW杯を迎えようとしている【現地発】
5月27日にドイツのライプチヒで行なわれたファイナル。ラージョ・バジェカーノ(スペイン)と相まみえた一戦で、鎌田は3−4−2−1のセントラルMFとして先発した。攻守に奮闘しながら90分を戦い抜き、クラブ史上初となる欧州カップ戦タイトル獲得に貢献した。
試合後、鎌田は満面の笑顔を見せた。セレモニーでは仲間たちと一緒に飛び跳ねて喜び、ゴール裏に陣取るサポーターに向けてトロフィーを掲げた。その表情には、頂点に立った充実感と長いシーズンを戦い抜いた達成感がにじんでいた。
事前にアダム・ウォートンがピッチに水をまくなど、チーム内の良好な雰囲気が伝わる場面だった。実際、鎌田も「チームは性格の良い選手ばかり」と、パレスの仲の良さを明かしている。
今季を振り返れば、鎌田にとって非常に充実したシーズンだった。
昨季、鎌田はレギュラーに完全定着し、FAカップのタイトル獲得に貢献。在籍2年目はチームの中心選手としてスタートした。膝の怪我で開幕2試合こそ欠場したが、チームに復帰した第3節からプレミアリーグでは14試合連続で先発出場を果たした。
同時進行で進んだカンファレンスリーグでは、グラスナー監督が過密日程を考慮し、チーム全体でローテーションを採用した。鎌田もグループステージではベンチスタートに回ることが多かったが、出場機会を得れば安定したパフォーマンスを見せていた。しかし、その後に思わぬアクシデントが待っていた。
想定外だったのは、12月14日に行なわれたプレミアリーグの試合中に、太もも裏を負傷したことだ。年末には自主トレを開始していたが、約2か月弱にわたって戦列を離れることになった。
チーム内にも怪我人が相次ぎ、この期間にパレスが極度の不振に陥ったことも痛かった。リーグ戦では8試合で5敗3分けと未勝利が続き、チームは5位から15位へと順位を大きく落としてしまった。当時、鎌田はその難しい時期をこう振り返っている。
「自分がプレーしていた時までは、プレミアで5位だった。かなり良い位置につけてたと思います。そこから、こんなに崩れるとは思ってなかった。パレスにとってすごく難しい時期だったと思う。自分自身にとっても、試合に出たい気持ちと怪我の具合で、すごく長く時間を感じました」
だが、鎌田の復帰後、チームは息を吹き返した。セントラルMFとして攻守両面でチームを動かす日本代表の存在によって、パレスは再び力強さを取り戻していった。
リーグ戦では白星が増え始め、カンファレンスリーグでも快進撃を続けた。
普段は数字以上の働きでチームを支える鎌田は、カンファレンスリーグの決勝トーナメントでは結果も残し続けた。
決勝トーナメント1回戦のAEKラルナカ戦で1アシストをマーク。準々決勝のフィオレンティーナ戦でも1アシストを記録し、準決勝のシャフタール・ドネツク戦では1ゴール・1アシストと、結果でもチームを決勝へ導いた。
欧州の舞台で結果を重ねた理由について、鎌田は「チームのやり方の違いが一番大きい。プレミアでは、より守備的にやらないとダメ。カンファレンスリーグでは、自分たちがボールを持てるシーンや、前に行けるシーンが増えるから」と説明した。
とはいえ、舞台が変わっただけで結果がついてくるほど甘くはない。勝負どころで確実に仕事をやってのける力があったからこそ、鎌田は決勝トーナメントで数字を積み重ねることができた。
