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百ます計算でおなじみ、教育クリエイター陰山英男さんが、RSKのラジオ番組「天神ワイド朝」(毎週月曜日朝7時~11時放送)内のコーナー『陰山英男の教育ラジオ』(毎月第3火曜日放送)に出演しました。(2026年4月21日放送)

【写真を見る】「学校に関心を持とう」わが子の学力を左右する学校選びの新常識【教育クリエイター 陰山英男さん】

15年で学校崩壊からトップ校へ 福岡県飯塚市で起きた「陰山メソッド」の激変

──陰山さんは各地の教育委員会と一緒に『陰山メソッド』を取り入れていますが、成功事例もたくさんありますよね。

(陰山英男さん)
「そうですね、メインは福岡県の飯塚市です。ここでもう15年やっています。15年前に始まったとき、全国平均を上回る学校はほぼ一つもありませんでした。学級崩壊どころか、校長先生や教頭先生がノイローゼになって学校崩壊をきたしているような学校もあったくらいです。

今やその学校が飯塚市のトップ校になり、飯塚市自体も全国平均を下回る学校はなくなりました。激変したんです。ただ、飯塚市教育委員会の方針はちょっとえぐくて、前年の学力テストなどで調子の悪かった学校が2校選ばれ、その2校は私の指導を受けると決まっているんです。今年もそれで行ってきました。

最初に読み書き計算の百マスや漢字のデータをもらったんですが、それを見て『なんだこの低い点は』とブチ切れました。学校へ行って『こんなことではいけないでしょう』という話をしようと思ったら、向こうから『こんなことをします、あんなことをします』という話が出てくる。聞いてびっくりしたんですが、ちゃんとやっているんですよ。」

──やっていることはやっているけれど、それがしっかりと浸透していない状態ということですね。

(陰山英男さん)
「その通りです。15年もやっているので、マンネリ化しているんです。結局、目標がなく、ただやっているだけになってしまった。漫然とやっているわけです。漢字を書いても覚えているかチェックされない。百マス計算をやらせても、タイムが悪くても先生はスルーする、といった状態になっていました。

もっと驚いたのは、この低い読み書き計算の数値で、全国平均はそれなりに超えているんですよ。『この百ますとこの漢字力で全国平均を上回るなんてありえないだろう』と思ったんですが、ふと思い出しました。全国そのものが落ちているんです。」

「先生が忙しいから授業をカット」全国学力低下の実態を語る

──ニュースなどでも全国平均が下がってきていると聞きますが、どういった理由なのでしょうか。

(陰山英男さん)
「文部科学省もそのことで非常に焦りを感じていると聞いていましたが、こんなにリアルに出てくるとは思っていなくて、びっくりしました。ここが今日の話のポイントなんですが、学校によってばらつきがひどいんです。

今度、おうち学習に関する新刊を出すにあたり、東京のあるお母さんにZoomでインタビューをしました。そこでいきなりびっくりしたのが、お昼の2時スタートなのに、小学校の子どもたちが帰ってきているんです。水曜日だったのですが、『うちの学校は水曜日は4時間でみんな終わるんです』と。

法令違反ではないか指導要領を確かめたら、ギリギリ違反ではない。しかし、周辺の学校に比べても少なめなんです。理由を聞いてぶっ飛んだのですが、『先生方が忙しいので授業を1時間カットします』と。学校で問題を解かせることはあまりなく、宿題は少ない。とどめは、宿題の答え合わせは親の仕事になっているそうです」

──確かに教員の過重労働は社会問題になっています。一概に否定はできませんが、理由としては少し驚きますね。

(陰山英男さん)
「子どもの指導以外に何が忙しいんだ、と私からするとそう思いますね。」

隣の学校はこんなに違う 「バラバラすぎる」公立教育の現実

──さて、新学年が始まりましたが、今のお話とどう繋がってくるのでしょうか。

(陰山英男さん)
「まさに『学校に関心を持とう』ということです。先ほどのような学校がある一方で、地域によって学校のあり方が大きく変わってきています。例えば、岡山県総社市のある小学校は、全国でも珍しい学校選択制を導入しています。総社市以外の子どもたちも来ていいとしているんです。」

──それは費用は総社市が出しているのに、市外の子どもたちも受け入れるということですか。その心はなんでしょうか。

(陰山英男さん)
「それほど自信があるということです。逆に言えば、生徒を抜かれてしまう市町村があるわけです。実際に何人か市を越えて越境入学している子どもがいるそうです。同じ行政区の中での学校選択制は珍しくありませんが、行政区を越えてやるのはあまり聞いたことがありません。」

地域の要望に従った学校教育をする小中学校もある

──それは学校同士で競争が起こるということですね。冒頭の学校と今の総社の学校では、意識がまったく違いますね。親としては、学校によって教育の仕方がそれだけ違うということを考えないといけないでしょうか。

(陰山英男さん)
「そうです。そこを考えなければいけません。同様に、高梁市の有漢学園という新しい小中学校は『コミュニティスクール』になっています。これは地域の方々が『こういう教育をしてください』という要望を出し、それに従った学校教育ができるんです。

ここは地域の要望として、陰山式の集中反復をやると決めています。先日、年度末の漢字と計算のデータが送られてきましたが、ぶっ飛びました。最高最強です。こんな数値があるのかというくらいでした。」

──「学校に関心をもとう」というのは、我々保護者が、学校がどういう教育方針なのかを知ろうとすることですね。

(陰山英男さん)
「その通りです。有漢地区の方々はそこに関心を持たれて、コミュニティスクールに気づかれた。コミュニティスクールには一つだけ特権があって、『このメソッドをやってくれる先生を集めてきなさい』と教育委員会に依頼ができるんです。

その結果、先ほど言ったように読み書き計算の数値がぶっ飛んでいる。有漢学園に行ってみて理由が分かりました。この10年間、かつての有漢西小学校で非常に実績のあった先生方が有漢学園に呼び戻されているんです。集中反復のスーパーティーチャーの連合体になっているので、すごい結果が出るのは当然です。」

保護者も学習・情報収集を

──親はどうすればいいでしょうか。

(陰山英男さん)
「知ることです。隣の町、隣の学校、隣の学級はどうなっているのか。実はバラバラなんです。ある市から、全学級の漢字テストの集計表を送ってもらいました。びっくりするぐらいバラバラでした。

学校に子どもを伸ばしてほしいなら、『こうしてほしい、ああしてほしい』ということを、保護者の方々も学習したり情報を集めたりすることが、これからの時代は大事だと思います」

──改めて、今日の一言をお願いします。

(陰山英男さん)
「学校に関心をもとう」

──保護者も学校がどういう教育をしているのかに目を向けていこうという、新年度のスタートにふさわしいお話でした。ありがとうございました。

(陰山英男さん)
「ありがとうございました」