実家にある古い土地について、兄が「売れないなら相続しても困るだけでは?」と話しています。価値が高くない不動産でも、引き継ぐ以上は何かしらの負担があるのでしょうか?

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相続の話し合いで古い土地の扱いが出てくると、「引き継いだ後に使い道があるのか」「費用だけがかかるのではないか」と迷うことがあります。不動産は財産という印象がありますが、場所や状態によっては買い手が見つかりにくく、使い道も限られます。   そのため、引き継ぐ前にどのような点を確認すべきか、気になる人も多いでしょう。そこで本記事では、古い土地を引き継ぐ前に知っておきたい注意点を解説します。

価値が低い土地でも相続すると固定資産税や管理の負担がある

価値が高くない土地でも、相続して所有者になると負担が生じます。代表的なのが、固定資産税です。固定資産税は土地や建物を所有している人に毎年課される税金で、土地を使用しているかどうかに関係なく、所有しているかぎり支払いは続きます。
また、土地を放置すると雑草や樹木が伸び、近隣に迷惑をかけることがありますが、その場合は草刈りや清掃が必要です。特に遠方に住んでいる場合は自分で管理しにくく、業者に依頼する費用がかかることもあります。
土地の上に古い建物がある場合は、さらに注意が必要です。建物が傷んで倒壊のおそれが出ると、修繕や解体を検討しなければなりません。そのため、価値が低い土地であっても、相続後に費用や手間がかかる可能性はあります。

売れない土地を放置すると登記や空き家管理の問題が大きくなる

売れない土地だからといって、相続後に放置するのは避けるべきです。土地は使用していなくても、所有者を明確にする手続きが必要になるためです。
2024年4月1日から相続登記は義務化されており、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する必要があります。もし、正当な理由なく申請しない場合は過料の対象になる可能性があるため、注意が必要です。
登記をしないまま時間がたつと、相続人が増えて手続きが複雑になります。例えば、親の土地を誰が相続するのかを兄弟で決めないまま放置し、その後に兄弟の一人が亡くなると、その子どもも土地の相続手続きの対象者に含まれます。こうなると、売却や処分を進める際に全員の同意が必要となり、手続きに時間がかかりかねません。
また、空き家がある場合も注意が必要です。屋根や外壁の破損、雑草、害虫などで周辺に影響が出ると、自治体から指導を受ける可能性があります。そのため、問題が大きくなる前に、土地と建物の状態を確認しておくことが大切です。

相続する前後に確認したい売却・放棄・国庫帰属の選択肢

古い土地がある場合、まずは本当に売却できないのかを確認しましょう。一般の買い手が見つかりにくい土地でも、隣地の所有者には需要がある場合があります。隣の土地と合わせて使えば、駐車場や庭として活用できるためです。近隣で活用できる人が見つからない場合は、自治体の空き家バンクなどに登録する方法もあります。
相続前であれば、相続放棄も選択肢の一つです。ただし、相続放棄は不要な土地だけを放棄する制度ではなく、預貯金などの財産も含めて相続しない扱いになります。そのため、「土地だけを避けたい」という理由で安易に選ぶと、受け取れるはずだったほかの財産も受け取れなくなる点に注意が必要です。
相続後に土地を手放したい場合は、「相続土地国庫帰属制度」を検討できます。これは、相続などで取得した土地を一定の条件で国に引き取ってもらう制度です。ただし、建物がある土地や境界が不明な土地などは対象外になる場合があります。また、審査手数料や負担金も必要なため、土地の状態を確認してから判断しましょう。

価値が低い土地ほど早めに調べて負担を減らそう

価値が高くない土地でも、相続すれば固定資産税、管理、登記、近隣対応などの負担が生じる可能性があります。売れない土地は、維持費の負担が続くケースも少なくありません。
ただし、すぐに「相続すると損」と決めつける必要はありません。隣地への売却、空き家バンクの利用、相続放棄、相続土地国庫帰属制度など、状況に応じた方法があります。
将来の負担を大きくしないためにも、土地の名義や場所、建物の有無、管理状態を早めに確認し、家族で納得できる相続の進め方を考えていきましょう。
 

出典

総務省 固定資産税
法務省 相続登記の申請義務化について
国土交通省 空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報
法務省 相続土地国庫帰属制度について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー