日本記録保持者として貫禄の走りをみせた鈴木芽吹選手(トヨタ自動車)

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◇第13回木南道孝記念陸上競技大会(10日、大阪・ヤンマースタジアム長居)

陸上競技の日本グランプリシリーズ、木南道孝記念陸上競技大会が5月10日に大阪・ヤンマースタジアム長居で行われました。

最終種目の男子10000mでは、日本記録保持者の鈴木芽吹選手(トヨタ自動車/駒澤大学OB)が圧巻のパフォーマンスを見せました。

「勝つことは大事ですが、見ているのはその先にある"アジアで勝つこと"や"26分台"。そこに向けて、いかに良い走りができるかを考えて走りました」

レース後にこう振り返ったように、鈴木選手は、その先をも見据えてレースに臨んでいました。

9月に名古屋で開催されるアジア大会の選考がかかった一戦で、序盤は、ペースメーカーを務めたマル・イマニエル選手(トヨタ紡織)を先頭に縦長の隊列で進みました。

鈴木選手は序盤は後方に位置取っていましたが、じわじわと先頭集団が絞られていくと、4000m過ぎにはペースメーカーのすぐ後ろにポジションを上げました。この時点で先頭集団はペースメーカーを除いて4人となりました。

5000mは13分46秒で通過。「序盤ちょっと遅いなって感じたので、後半しっかり上げていこうかなって思いました」と鈴木選手がいうように、後半に入ると少しペースを上げます。

6000m過ぎに鈴木選手と亀田仁一路選手(旭化成)の一騎打ちになると、7000mを前に亀田選手がじわじわと遅れ始め、勝負は決着。8000mでペースメーカーが抜けると、ラスト2000mは鈴木選手の独走となりました。

そして、鈴木選手は、セカンドベストとなる27分20秒11の好記録で優勝。

「走る前から(他の選手が)僕をマークしているっていう雰囲気はすごくヒシヒシと感じていたし、周りからも"勝って当たり前"と思われていた部分もあったし、何より自分でも"ここで勝たなきゃ話にならない"っていうプレッシャーをかけていました。見ている皆さんからしたら"圧勝で、簡単だったんじゃない?"みたいな感じかもしれませんが、僕にとってはすごく価値のあるレースだったなと思います」

こう振り返るように、自他共に認める優勝候補としてきっちりと勝ち切り、その強さを示しました。日本陸連が定めるアジア大会派遣設定記録(27分31秒27)をも突破し、アジア大会の日本代表にも内定しました。

「昨年のアジア選手権でインドのシン選手には完敗してるので、もう一回出てくるか分からないですけど、しっかり練習を積んで勝ちにいきたいと思っています」と、鈴木選手は意気込みを口にしていました。

大学生では中央大学のキャプテンが奮闘

今年の箱根駅伝で1区2位と好走した中央大学の駅伝主将・藤田大智選手(4年)が、大学生としてただ一人出場しました。

藤田選手は、今季初戦の金栗記念選抜陸上では5000mで13分28秒93の自己ベストをマークしており、幸先良く新シーズンのスタートを切っています。また、5月4日のゴールデンゲームズinのべおかでは、中央大学の1〜3年生に好記録が続出しており、「本当に刺激になりました。後輩たちがあれだけやってこられたので、自分もそれに続かないといけないなと思っていました」と、後輩たちの力走に奮起し、この大会に臨んでいました。

「今年はグランプリレースに積極的に出ていこうと思っていて、アジア大会がかかったこの大会に懸けていました」というように、勝負を重視し、序盤から積極的にレースを進めました。

実業団選手が次々に脱落するなか、藤田選手は中間点を過ぎても先頭集団に食らいつきます。しかし、後半に入ってペースが上がると、6000mで堪らず後退。前半に見せ場を作ったものの、結局、5位でフィニッシュしました。記録は28分04秒61でした。

「チャレンジしたのは良かったんじゃないかなと思うんですけど、やっぱり結果が求められるので、悔しい結果になりました。グランプリレースは他の記録会とは緊張感が全く違いました。その中で結果を残すことがいかに難しいかを今回実感することができたので、すごくいい経験になったなと思います」

健闘を見せながらも悔しさを覗かせ、今後の活躍を誓っていました。