井上監督

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 プロ野球のセ・リーグで、中日のチーム勝率が大きな注目を集めている。5月11日現在、中日は最下位で勝率は3割7分1厘。9日に広島がヤクルト戦で敗れて中日は5位に浮上したが、10日の巨人戦で敗れて再び最下位に沈んだ。阪神・佐藤輝明の打率である3割7分7厘に僅かとはいえ劣るという事実は屈辱に違いない。ただ、興味深いことにチームの様々なデータは決して悪くないのだ。確かに防御率も失策もリーグワーストとはいえ、ここまで負け続けるほどの数字ではない。(全2回の第1回)

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 野球解説者の広澤克実氏は「プロ野球の開幕前、私も含めて多くの解説者は中日をダークホースとして予想していました」と言う。

井上監督

「解説者は基本的に“減点方式”で予想を行います。中日の戦力を改めてチェックしても、決して悪くはないのです。若手が育ち、投手陣もなかなかの顔ぶれです。さらに本拠地であるバンテリンドームナゴヤでは外野フェンスに『ホームランウイング』を新設しました。ホームランを打たれるリスクも上昇するとはいえ、中日の得点力はアップするのではないかと考えられていました。ところが蓋を開けると、多くの解説者が下位に予想していたヤクルトが快進撃を続け、ダークホースと目されていた中日が最下位となりました。他の4球団に関しては今のところ解説者の予想が当たっていますから、中日とヤクルトがひっくり返ってしまったとも言えます」

 広澤氏は「今の中日が直面している苦しみを見ると、矢野燿大監督が率いていた阪神が2022年に開幕9連敗、ビジター12連敗という不名誉な成績で話題を集めたことを思い出します」と言う。

やはり井上監督の責任!?

「実は当時の阪神と今の中日が勝てなくなった端緒は非常に似ています。阪神は開幕戦で最大で7点をリードしていながら、最後は逆転負けを喫しました。中日も開幕戦で9回の表に3点を取って5対1と4点のリードしながらも、9回裏に4点を取られて同点とされ、延長10回裏にサヨナラ勝ちを許してしまいました。勝つ試合をひっくり返されたショックがどれだけ大きいか、阪神と中日の低迷が物語っています。ただ2022年の矢野阪神は決して弱いチームではなかったので、シーズンが終わった時は3位でした。一方、井上一樹監督が率いる今の中日は矢野阪神ほど戦力が充実していません。最悪の場合、苦しい戦いが今後も続く可能性があります」

 XなどのSNSで中日ファンの一部は「戦力自体は決して他球団に劣っていない」と主張し、「敗因は井上監督の采配」と批判を強める。ネット上では“井上監督更迭”を求める声も決して少なくない。

「敗因は井上監督の采配だという意見に、私も賛成します。より正確に言えば、井上監督のリーダーシップに問題があると思います。今のセ・リーグで、笑顔の多い監督と言えばヤクルトの池山隆寛監督と、中日の井上監督でしょう。確かに怖い監督というのは今の時代に合わないかもしれません。ヤクルトも中日も若手中心のチームという共通点もあります。しかしながら、私は笑顔に代表される井上監督の選手に対する姿勢・リーダーシップこそが、今の低迷を招いていると思うのです」

 第2回【最下位に沈む中日ドラゴンズ「最大の戦犯は井上監督」なのか? レジェンド打者が「星野仙一監督は勝っている試合のほうが怖かった」と語る深い理由】では、井上監督のリーダーシップの何が問題なのか、引き続き広澤氏の解説をお伝えする──。

デイリー新潮編集部