膠着状態続く日中関係、迫られる難しいかじ取り…外務省幹部「進展を見通すのは難しい」が「粘り強く意思疎通」
台湾有事を巡る昨年11月の高市首相の国会答弁から7日で半年を迎える。
中国側の反発は今も収まらず、日中関係は膠着(こうちゃく)状態に陥ったままだ。日本政府は局面打開に向けて対話を呼びかけながら、強引な海洋進出には毅然(きぜん)と対応する難しいかじ取りを迫られている。
「重要な隣国だ。日本は常に対話をオープンにしている。しっかりと戦略的に対応していきたい」。今月1日、大型連休の外遊を前に記者団の取材に応じた首相は、中国との向き合い方を問われてこう強調した。その後訪れたベトナム・オーストラリアでは、対中依存脱却を念頭に経済安全保障の協力強化を確認した。
首相は昨年の答弁で、台湾有事は日本が集団的自衛権を行使する「存立危機事態」になり得るとの認識を示した。台湾への武力介入を示唆したと反発する中国は、国際社会に日本の不当性を訴える世論戦を展開し、訪日自粛呼びかけやレアアース(希土類)輸出規制など経済的威圧を強めた。
日本政府内では、習近平(シージンピン)国家主席が答弁を問題視したことが反発の大きさにつながっているとの分析が多い。11月には中国でアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が予定されており、日本側はこの場で首相と習氏の接触を模索し、事態収拾への足がかりを得たい考えだ。
一方、答弁以降止まっていた海上自衛隊艦船による台湾海峡の通過は、4月に約10か月ぶりに再開した。国際法上の「航行の自由」を確保するため高市内閣以前に始めた取り組みで、「対中配慮でとりやめたとなれば、かえって中国の海洋進出を助長しかねない」(政府関係者)と判断した。
駆け引きが続く日中関係の今後について、外務省幹部は「進展を見通すのは難しい」とした上で、今月中旬に訪中予定のトランプ米大統領とも連携しながら「中国と粘り強く意思疎通したい」と話している。
中国「強硬」維持、イラン情勢優先
【北京=吉永亜希子】中国の習近平(シージンピン)政権は、国会答弁の撤回に応じない高市政権に対し、圧力を強めて対話を拒否するという強硬対応を続ける構えだ。日本の防衛力強化を「新型軍国主義」と呼ぶキャンペーンも強化している。
中国外交は、来週に予定されるトランプ米大統領の訪中やイラン情勢への対応を最優先としている。ロシアのプーチン大統領の訪中も予定されており、日本への対応は後回しとの見方が広がっている。日本の政府関係者との接触を拒む姿勢で一貫しており、在中国日本大使館の関係者らも中国当局者とほとんど面会できない状況が続いている。
中国外務省や官製メディアは安保3文書の改定のほか、憲法改正の動きなども「新型軍国主義」と呼び、けん制。同省報道官は6日の記者会見で、「日本の右翼勢力が再軍備を加速し、地域の平和と安定への脅威となっている」と主張した。
