「肺がん検診」でわかる”5つの病気”はご存じですか?医師が解説!
肺がん検診でわかる病気はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が肺がん検診で見つかる病気・疾患について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「肺がん検診の費用」はどのくらい?保険適用の条件についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
肺がん検診の費用はいくらかかるの?
肺がんは、日本ではがんによる死亡原因の上位を占めており、40歳代から特にその患者数は増えていきます。肺がん検診は肺がんによる死亡を減らすために必要性の高い検診です。
肺がん検診によるがんの発見率を調べるために、毎年厚生労働省が調査を行なっています。令和4年度地域保険・健康増進事業報告の概要によると、令和3年度に肺がん検診を受けた方は3,051,356人でした。その結果、受診者のうち、1.51%(45,940人)の方が要精密検査となり、要精密検査者の1.77%(811人)の方から肺がんが発見されました。さて、今回の記事では、肺がん検診方法や費用、さらに何歳から受けるべきかなどについて解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
肺がん検診でわかる病気・疾患は?
ここではメディカルドック監修医が肺がん検診でわかる病気・疾患について解説します。
肺がん
肺がんは、肺にできる悪性腫瘍のことです。死亡率が全てのがんの中で最も高く、治療が難しいものです。肺がんの原因の多くは喫煙で、その他受動喫煙や環境、食生活、放射線、約薬品なども挙げられます。肺がんが進行すると、咳や痰などの症状が現れます。しかし、日本人では無症状の段階で、肺がん検診や他の病気で検査を受けて偶然発見されることが多いです。
治療法としては、手術による腫瘍の摘出、放射線治療、化学療法を組み合わせていきます。さらには最近では免疫療法も選択肢に加わっています。進行度や患者の体調に応じて適切な治療が検討されます。長引く咳や血痰、胸痛、息切れなどの症状がある場合は、早急に病院を受診する必要があります。呼吸器内科を受診しましょう。
肺結核
肺結核は、結核菌によって引き起こされる感染症で、肺に炎症を起こします。発症は免疫力が低下しているときに見られやすく、感染経路は飛沫感染が主です。抗結核薬を数カ月間にわたり服用することで治療を行います。感染拡大を防ぐためには医師の指示を確実に守ることが重要です。周囲への感染が懸念されるような場合(排菌している場合)には、感染のリスクが低くなるまで入院が必要です。この病気は長引く咳、微熱、寝汗、体重減少などの症状が現れるのが特徴ですので、これらが続く場合には早めに呼吸器内科を受診しましょう。
肺炎
肺炎は、細菌やウイルス、真菌などの病原体が肺に感染し炎症を引き起こす病気です。特に高齢者や免疫力が低下している人は発症リスクが高いです。同様に感染が原因となるものとして、急性気管支炎という病気もあります。これは、上気道炎(かぜ)が気管支にも及んだものです。急性気管支炎の多くはウイルス感染によるものですが、細菌感染が起こると肺炎になる場合もあります。これらの病気は症状が似ているため、胸部X線検査が正確な診断のために役立ちます。
また、肺炎が進行すると胸膜炎を引き起こすことがあります。胸膜炎とは、肺を覆う胸膜が炎症を起こす状態で、呼吸時に強い胸の痛みを伴うのが特徴です。治療法としては、抗生物質や抗ウイルス薬の投与が一般的で、症状の重さに応じて入院が必要になる場合もあります。発熱や咳、息切れ、胸痛などの症状が出た場合は、放置せずに早めに病院で診察を受けてください。一般内科または呼吸器内科が適切な受診先となります。
気胸
気胸は、肺が破れて空気が胸腔に漏れ、肺がしぼんでしまう病気です。原因としては、外傷によるもの、肺の基礎疾患によるもの、または自然発生するものがあります。
症状は突然の胸の痛みや息切れ、呼吸困難などがあります。特に、肺から空気が漏れ続け、心臓や肺を強く圧迫してしまう緊張性気胸になると、緊急性が高いです。
治療法は軽症の場合は安静による自然回復を待つこともありますが、重症の場合は胸腔ドレナージや手術が必要です。これらの症状が出た場合はすぐに救急科や呼吸器内科・外科を受診してください。
肺水腫
肺水腫は、肺に液体がたまることで呼吸困難を引き起こす病気で、主に心不全が原因として知られていますが、腎疾患や肺の炎症が原因となる場合もあります。この病気では酸素吸入や利尿薬の投与が治療に用いられ、場合によっては入院が必要になることもあります。
急激な息苦しさや胸の圧迫感、呼吸困難といった症状が現れた場合には、緊急の対応が求められます。肺水腫の場合は、循環器内科や呼吸器内科で治療を受けることが多いです。
「肺がん検診の費用」についてよくある質問
ここまで肺がん検診の費用などを紹介しました。ここでは「肺がん検診の費用」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
肺がん検診のレントゲン費用はいくらくらいですか?
木村 香菜 医師
胸部レントゲン検査の費用は、保険適用がない場合、通常2,000円から3,000円程度が目安となります。ただし、自治体の補助がある場合や企業の健康診断として行う場合には、さらに安価または無料で受けられることもあります。
肺がんの検査費用は保険適用でいくらですか?
木村 香菜 医師
肺がん検診自体は健康診断の一環として行われるため、一般的には保険適用外です。ただし、異常が見つかり、精密検査を受ける場合には保険適用となります。その際の自己負担額は、検査内容や医療機関によりますが、通常1,500円から3,000円程度(3割負担の場合)と考えておくと良いでしょう。
肺がん検診の費用は自費でいくらでしょうか?
木村 香菜 医師
自費で肺がん検診を受ける場合、検査の種類によって費用は異なります。胸部レントゲン検査のみであれば数千円程度ですが、低線量CT検査を含む場合は5,000円から30,000円程度が一般的です。検査内容が多いほど費用が高くなる傾向がありますので、事前に確認することをおすすめします。
40歳以上の男性で自治体の肺がん検診制度を使用すると費用はいくらですか?
木村 香菜 医師
多くの自治体では40歳以上の住民を対象に肺がん検診を実施しており、負担額は数百円から2,000円程度と非常に安価です。一部自治体では無料で受けられる場合もあります。ただし、費用や条件は自治体によって異なるため、具体的な金額についてはお住まいの自治体にお問い合わせください。
費用面で肺がん検診を受けるべきか悩んでいます。喫煙者は何歳から受けるべきですか?
木村 香菜 医師
喫煙者の場合、肺がんのリスクが高いため、50歳を過ぎたら定期的に肺がん検診を受けることをおすすめします。特に20年以上喫煙している方は早期発見のために40代から検診を検討することも有効です。自治体の補助や会社の健康診断を活用すれば、費用負担を軽減できます。喫煙歴がある場合は、早めの検診を心掛けてください。
まとめ 肺がん検診の費用はケースバイケース!
今回の記事では、肺がんの検診の費用の目安や項目、肺がん検診でわかる病気についても解説しました。肺がんは早期発見が大切な病気です。また、肺がん検診では他の病気が見つかる場合もあります。きちんと肺がん検診を受けるようにし、健康管理に努めましょう。また、咳や痰、特に血痰などの症状がある際には、医療機関を受診するようにしましょう。
「肺がん検診」の異常で考えられる病気
呼吸器内科の病気
肺がん肺結核
肺炎気胸肺水腫循環器内科の病気
心不全(肺水腫の原因として関連)
肺血栓塞栓症
参考文献
コースと費用について|四国がんセンター
肺がん検診の検査方法|知っておきたいがん検診
日本の医療保険制度の仕組み|日本医師会
