<天皇賞・春>社台ファーム代表の“2400m短縮案”で物議…“不気味な穴馬”はもう一頭のキタサンブラック産駒
ただ吉田氏の言い分にも一理あるのも事実だ。もし今年の天皇賞・春が2400mで行われれば、大阪杯2着のメイショウタバルや、クイーンエリザベス2世Cに出走したマスカレードボールあたりが出走に踏み切っていてもおかしくない。
生粋のステイヤーと呼ばれる存在が絶滅危機に瀕しているからこそ、至極当然の提言だったかもしれない。
◆不気味さが漂うヴェルテンベルクは…
そして、その吉田氏だが、今年の天皇賞・春に自身の所有馬を出走させてきた。それが大外8枠15番に収まったヴェルテンベルクだ。
大器晩成と呼ぶにふさわしいヴェルテンベルクだが、それまで2000m前後の距離を走っていた。ところが、オープン入り後は、松若風馬騎手の進言もあって、長距離レースを使われている。
昨年12月のステイヤーズSで6着、今年2月のダイヤモンドSで4着と馬券圏内には届かなかったものの、スタミナを生かす競馬が板についてきた印象もある。
何より2か月半ぶりの実戦で状態面がピークを迎えている。栗東坂路での最終追い切りは、4ハロン51秒6の猛時計をマーク。馬場や位置取り、展開次第で一発があってもおかしくない雰囲気が漂っている。
天皇賞・春に対する発言が物議を醸した吉田氏の所有馬というだけでも不気味さが漂うヴェルテンベルク。奇しくも注目馬のクロワデュノールと同じキタサンブラックの産駒でもある。今年の天皇賞・春は「こっちのキタサンブラック産駒だった」というオチに期待してみたい。
文/中川大河
【中川大河】
競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。
