横浜中華街、ご当地グルメ通が看板料理から選ぶ名店3軒−「酔っ払い海老」「炭火焼チャーシュー」「上海焼きそば」!
ゴールデンウイークにお届けする、横浜中華シリーズ。前回は、中華街の「推しの一品」として、「うなぎ料理」「釜飯」「シューマイ」を取り上げました。今回も同様に「看板メニュー」がある名店3軒をご紹介したいと思います。
全国を食べ歩いていると、名物料理のあるお店には、ひときわ強く惹かれます。作る側も食べる側も、どちらも幸せになれるからでしょうか。お店にとっては、他のお店との差別化になりますし、(たぶん)効率もいいのでしょう。しかも客としては、「これを食べに来た」と思える一皿には、どこか高揚感や達成感がり、お腹も心も満たされる気がします。
横浜中華街・獅門酒楼の名物「酔っ払い海老」−活け車海老を紹興酒に漬けて湯引きに
では早速見てまいりましょう。最初にご紹介するのは、『獅門酒楼(しもんしゅろう、横浜市中区)』の「酔っ払い海老」です。

獅門酒楼
正式なメニュー名は「活 酔っ払い海老の湯引き」。面白い料理名ですね。「活けサイマキ海老(車海老の別名)」を紹興酒に漬けて酔わせた後、サッと湯引きにしているらしいです。車海老は、殻が柔らかく甘みが濃厚なため、天ぷらや、おどり食い(刺身)、塩焼き、唐揚げに適しているとか。
まずは、蓋が乗った透明な皿が出てきました。客へのサービスで、湯引きする前の海老を見せてくれるようです。ただ、紹興酒の中で、海老が大暴れしているので、蓋越しに観察することになります。いやー、めちゃくちゃ元気のいい海老でした。

獅門酒楼(酔っ払い海老、湯引きする前)
ほどなく、スタッフの方が湯引きした海老を運んできてくださいました。まさに海老色。とてもきれいで、食欲をそそります。

獅門酒楼(酔っ払い海老、湯引きした後)
頭を取って、まずは一番おいしい味噌をいただくのがおすすめのようです。さすが新鮮な海老で、味噌の旨みがしっかりと感じられます。身もホクホクで、ペロっといただきました。ちなみに、海老の「味噌」とはよくいいますが、肝臓と膵臓が一緒になった「肝膵臓」のことを指すそうです。蟹も同じですので、ご参考まで。
続いていただいたのが、「イカと野菜炒め」「あんかけ蟹玉」「四川風 麻婆豆腐」の3品です。同店のうれしいところは、ほとんどすべての料理に「ハーフ」があること。当日は、横浜で働く友人と訪問しました。2人でいろいろ食べ比べするには、ハーフがぴったりです。やはり中華は、一人より複数人のほうが楽しめますね。

獅門酒楼(イカと野菜炒め)

獅門酒楼(あんかけ蟹玉)

獅門酒楼(四川風 麻婆豆腐)
締めは「海老入りつゆそば」をいただきました。昔から、本格中華料理店の締めラーメンはこれに決めいています。とろみのある塩味のスープが体に染みわたり、最後の一口までしっかり楽しめました。

獅門酒楼(海老入りつゆそば)
今日は、「酔っ払い海老」でスタートし、「海老入りつゆそば」で締める。たまたまではありますが、どこかストーリー性を感じる素敵な夜でした(笑)。
横浜中華街・一楽が誇る赤い縁のチャーシュー!炭火焼きの逸品
続いてご紹介するのは、中華街大通りに店を構える『一楽(いちらく、横浜市中区)』です。とてもリーズナブルに本格中華をいただけるお店で、「炭火焼チャーシュー」が看板料理です。

一楽
まずはビールを飲みたいので、「青ザーサイの浅漬け」でスタート。ザーサイというと、しっかり漬かったものが一般的ですが、筆者は断然「浅漬け派」です。同じザーサイでも別料理ではないかと思うほど、あのカリカリとした食感がたまりません。もちろんビールとの相性も抜群です。

一楽(青ザーサイの浅漬け)
では、同店の推し料理「炭火焼チャーシュー」のご紹介です。赤い縁が美しい一皿で、白河ラーメンを取り上げた時にも申し上げましたが、赤い縁のチャーシューは、一般的なチャーシューとは別物な気がします。なぜか見た目からして旨い。中華は途方もない数の料理がありますが、「同じメニュー名なのに、まるで別の料理」と言いたくなる代表格が、「浅漬けのザーサイ」と「赤い縁のチャーシュー」ではないでしょうか(笑)。

一楽(炭火焼チャーシュー)
最後にもう一品、「牛肉と野菜のオイスターソース炒め」で締めました。具材とソースの調和が見事で、オイスターソースを最初に作った人は天才としか言いようがありません。

一楽(牛肉と野菜のオイスターソース炒め)
萬来亭の「上海焼きそば」 豚肉と小松菜だけでほっぺたが落ちる旨さ!
最後にご紹介するのは、『萬来亭(ばんらいてい、横浜市中区)』の「上海焼きそば」です。

萬来亭
最初に「きゅうりと枝豆の和え物」にビールを合わせました。これが激うま。夏になれば枝豆の塩ゆでを毎日食べると言っても大げさではない筆者ですが、茶わん蒸しだったり、サラダだったり、料理に枝豆がチョロっとでも入っていると本当に幸せな気分になります。

萬来亭(きゅうりと枝豆の和え物)
そして、幸せな気分のまま名物「上海焼きそば」へ。仙台の繁華街・国分町の外れに『成龍萬寿山(せいりゅうまんじゅしゃん、仙台市青葉区)』というお店があり、よくそこで塩味あっさりタイプの「上海焼きそば」を食べていました。もちろん見た目も薄めだった記憶です。そのイメージのまま「萬来亭」で注文したところ、まずその姿にびっくり。かなり色が濃く香ばしい匂いが立ちのぼります。具材は豚肉と小松菜と超シンプル。甘い醤油ベースのソースが極太たまご麺によく絡み、美味しすぎてほっぺたが落ちそうです。

萬来亭(上海焼きそば)
なお、「上海焼きそば」をググってみると、「オイスターソースと濃厚な中国醤油をベースにした、もちもちの太麺が特徴の炒め料理」とあり、まさに「萬来亭」の一皿そのものです。仙台で食べていた焼きそばのほうが、少し独自のスタイルだったのかもしれません。
店内には、長嶋茂雄さんやユーミンこと松任谷由実さんの写真もありました。スポーツ界と音楽界のスーパースターが愛した「萬来亭」の「上海焼きそば」。皆さまもぜひ一度、この一皿を味わってみてください。
前回と今回にわたり、横浜中華街の「推しの料理」を取り上げ、6軒ご紹介しました。お楽しみいただけたでしょうか。

横浜スタジアム
「獅門酒楼」で食事をしたあと、酔っ払い海老よろしく、ほろ酔い気分で「JR関内駅」へ向かいました。ふと見上げると、横浜スタジアムがとても綺麗だったので、スマホでパチリ。次回は、横浜DeNAベイスターズの応援と中華街巡りをセットで訪れようと思います。新しい「推し料理」との出会いが、とても楽しみです。
文・写真/十朱伸吾
おとなの週末Web専属ライター。全国のご当地グルメを求めて40年余。2013年には、“47都道府県食べ歩き”を達成した。訪れた飲食店は1万軒をゆうに超える。旅と食とお酒をこよなく愛するオプチミスト。特にビールには一家言あり。競馬と写真とゴルフも趣味。週1の自転車ツーリングとサウナでダイエットにも成功した。好きな言葉は「発想力は移動時間に比例する」。
