レンタル先のカールスルーエで奮闘する福田。(C)Karlsruher SC

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 福田師王は得点力のあるFWとして、ドイツの古豪ボルシアMG時代から高く評価されている。

 メディアやファンからは「もっと使われるべきだ」という声がよくあった。当時同僚だった日本代表DFの板倉滉(現アヤックス)も、ことあるごとに福田起用を待望する言葉を残していた。

 トップチームに帯同して、テストマッチで結果を残し、トレーニングでも手応えを掴んでいた。それでもなかなか出場機会は訪れない。大勝している試合でも、大敗している試合でも、先に声がかかるのは他の選手だった。そんな状況を福田自身はどのように受け止めていたのだろう。

「自分自身、コンディションがいいのは分かっているし、出たら絶対やれるっていう自信も持っていた。ただ、それでも使われないということは、もっといろんな面でアピールしていかないといけないんだなっていうふうに受け止めていましたね」

 その言葉通り、22歳はいま、自らの幅を広げようとしている。今季からレンタル移籍のカールスルーエで自分と向き合って、日々戦っているのだ。

「動き出しの良さやボールを向いて前を向けるのは自分の特徴なんですけど、それだけで勝負できないなら違う部分、例えばフィジカルを鍛えたり、守備をこれまで以上に頑張ったり、パスをもらうために積極的に要求したりもしてます」

 ストライカーとしての強みだけに頼るのではなく、チームの中で必要とされる役割を広げる。その意識は明確だ。そんな福田が理想とするFW像は誰なのだろう?目指すべき姿について問うと、具体的な名前が挙がった。

「やっぱりレバンドフスキとか、あとブンデスリーガだとハリー・ケインはやっぱりすごいなと思います。何でもできるじゃないですか。ゴール前だけじゃなくて、ゲームメイクもできる。いいっすよね」
 
 万能型ストライカーへの志向。その背景には、現在の自分が置かれている状況もあるのだろう。

「あんなフォワードになりたいですね。ケインは守備も結構するし、うまいじゃないですか。僕も(守備は)結構いきます。守備で走るのは苦じゃないんです。いくらでも走りますし、試合に出たらなんでもやりますよ」

 FWとして存在感を高めるために、何をすべきか。ストライカーとして結果をより残せるようになるためには、何が必要なのか。貪欲に考え、チャレンジを繰り返す。その覚悟が言葉の端々に表れていた。

 ここからシーズン終盤に向けての目標はシンプルだ。

「出たら結果を出すだけです。コンスタントにゴールは決めたい。まずはそこからです。やれると思っているし、調子もいい。監督も使ってくれるんじゃないかなと感じています」

 インタビュー後に「今度は試合取材でまたきます」と話したら、「次の試合来ます?」と尋ねてきた。予定が詰まっていたため、その試合の取材には残念ながらいけないことを伝えたら、「たぶん、ゴールできると思うんですよ」と笑った。

 その言葉通り、直後のビーレフェルトとのリーグ戦で途中出場からゴールを記録。有言実行の一撃だった。チームも4−1で快勝。見に行けなかった自分を悔やむばかりだ。

 この1点が持つ意味はきっと小さくない。ここから先、どこまでゴールを積み重ねていけるか。福田師王の挑戦は、少しずつ軌道に乗りはじめている。

取材・文●中野吉之伴

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