「安く働いてもらって、荷物を捨てられさえすればそれでいいんですから。丁寧にやる気なんかさらさらない。誰にも迷惑かけてないし」

このスタンスに対し、業界内では「遺族の心情的なフォローや接客も含めての遺品整理なのに、それでは成り立たない」として反発の声が少なくないという。ただし多くの業者にとっては、低価格で受注を続けられるメリットがあり、外国人スタッフにとっても現場で“お宝”を手にできる可能性がある。そうして双方の利害が一致しているため改善は難しい。なお、全国的に多く従事しているのは東南アジア系だという。

◆解体現場の賃金は日本人の3分の2

そもそも遺品整理業界は、慢性的な人手不足で、肉体的にきついうえ、故人が暮らしていた空間を整理する仕事である以上、精神的な負荷も重くなる。日本人から敬遠されやすい職種の典型ともいえるため、どの業者も常に求人を出しているが、人手を確保するためには応募の間口を広くせざるを得ない。その網に外国人が積極的に入ってくるという流れなのだ。

遺品整理と同様に、建造物の解体現場でも人件費の安さを理由で外国人を雇う業者は多く、賃金は日本人相場の3分の2程度で済むことが多いという。さらに、学生ビザなど本来はフルタイム就労が認められていないはずの外国人を、日給制や月給制で働かせているケースも珍しくない。

「今は解体現場はほとんど外国人。とはいえ、彼らは比較的、言われたことは真面目にやるんですね。ここも東南アジア系の雇用に力を入れていると聞きます。最低賃金は払わないといけないから半額まではいかないけど、だいたい日本人の3分の2くらいの金額で働いてくれる」(前出・A氏)

外国人労働者が語るメリットとは?

不法行為は当然、取り締まられるべき一方で、日本人が嫌がる仕事を安く担わせ、問題が起きたときだけ外国人のせいにする……そうした構造が背景にあるのもまた事実だ。

一方、解体業に従事する外国人労働者C氏に話を聞くと、他のメリットもあるようだ。

「解体にしても遺品整理にしても、日本語が話せなくても仕事がある環境を探したら、その仕事が見つかっただけ。他の仲間たちもみんなそう。日本人が嫌がるしんどい仕事でも、僕らからすれば、稼げるだけで十分ですよ」

危ういながらも、そう簡単には切れない、持ちつ持たれつの関係といえる。

※2026年4月28日号より

取材・文/週刊SPA!編集部

―[[悪い外国人]の錬金術]―