KNB北日本放送

写真拡大

中東情勢の緊迫が続く中、エブリイでは県内への影響をお伝えしています。きょうは運送業界です。燃料価格が高騰するなか、軽油の確保の見通しが立たないと話す会社もあります。苦境に立つ県内の運送業界の現状、川腰記者のリポートです。

上市町に本社のある、清水屋運輸倉庫です。主にコメなど穀物類の運送を行っています。

しかし、中東情勢の影響でトラックの燃料である軽油価格が高騰し、毎月の利益を圧迫しています。自前の給油設備では卸業者との価格交渉を続けていますが、今年1月と比べ軽油は大きく値上がりしているといいます。

清水屋運輸倉庫 井上幸治社長
「中東情勢から現時点で平均25円の価格差が出てきていますので」

この会社が保有するトラックは45台。そのうちおよそ1割が関東などへの長距離輸送を担っていて、1回の往復でのコストは平均でおよそ2万5000円増加しています。

さらに軽油は価格高騰だけでなく、確保できるかどうかも課題になっています。

川腰記者
「こちらの会社では、毎月6万リットルの軽油が使われるということですが、物理的な燃料不足で来月後半の見通しも立っていないのが現状です」

すでに来月分の軽油は発注していますが、来月後半に必要な量が確保できていません。この会社では他の卸会社を探すなど対応に追われています。

川腰記者
「5万9000リットル入るところで、今何キロ?」
清水屋運輸倉庫 井上幸治社長
「1万8000リットルぐらいと、1万5000、6000リットル。商社さんとか色々お願いはしたんですけど、こっちのタンクローリーさんが入って来るのは今月最後ですと言われました」

中東情勢の影響は、軽油だけではありません。エンジンオイルは、来月から値上げの連絡があり、2割から3割の上昇は覚悟しているといいます。

また、車体の洗浄に使うシンナーは、供給の見通しが立っていません。

清水屋運輸倉庫 井上幸治社長
「こういうものがダメージね、ボディブローのようにしてくるんですよ」

この会社では、去年の秋、取引先へ運送料金の値上げをお願いしたばかりです。今回の中東情勢の影響で、再び値上げを求めるかどうか、判断に悩んでいます。

清水屋運輸倉庫 井上幸治社長
「秋のお客様に対して、サーチャージをもう一度お願いするのは私の中で迷いがある状況であります」

燃料価格の上昇分を荷物を発注する荷主に運賃とは別に請求する、燃料サーチャージは、有効な手段の一つです。

しかし、県内では普及が進んでいません。

富山県トラック協会は、価格転嫁や燃料サーチャージが浸透しない背景には、事業者と荷主との間の力関係があるとしています。

富山県トラック協会 林伸治専務理事
「燃料が上がったからすぐに運賃を燃料サーチャージでその分あげますよ、というのはなかなか受けていただけない。トラック運送事業者は、ほとんどが中小企業事業者ですので、交渉力が弱いというのがあると思っています」

中東情勢の影響もあり、以前より価格転嫁への理解を示す荷主は増えているといいますが、従来の慣例からの脱却は依然として課題です。

富山県トラック協会 林伸治専務理事
「トラック運送事業者の窮状を荷主さんに知っていただいて、適正な価格転嫁をお願いしたいということで燃料サーチャージの導入も含めてご検討いただきたい」

トラック協会は、パンフレットやホームページなどを通じて、適正な運賃や燃料サーチャージの理解を呼びかけています。

厳しい情勢が続くなか、清水屋運輸倉庫では、エコドライブの徹底や社員同士が自ら考えて取り組んできたことが会社を支えているといいます。

社員
「月末に燃費の計算が出ますので、そこでみんなで話し合いながらどうやったら(燃費)伸びるのかということも話し合って取り組んでおります」

清水屋運輸倉庫 井上幸治社長
「私が言ったのではなくて、運転手さん自らが考えてそういった行動を起こしています。通る道路によっても勾配がある場合は燃費が下がりますけど、フラットな道選ぶと燃費は伸びるので、みんなで考えて行動してもらっています」

運送業界を取り巻く環境が厳しさを増すなか、各社の模索は続いています。