種の保存法で希少種に指定されているヨウム=認定NPO法人「TSUBASA」提供

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 環境省が、希少な動植物の譲渡を原則禁止する「種の保存法」の規制を緩和する方向で検討を進めていることが分かった。

 ペットとして飼われている希少種の飼い主が死亡するなど、やむを得ない場合に限り、譲渡を可能にする。希少種には寿命が50年に及ぶ動物もいることから、ペットの引き受け手がいなくなる事態や散逸を防ぐ。

 同法で「希少野生動植物種」に指定された生物は、乱獲や流通を抑止するため、捕獲や譲渡が原則禁止される。一方、指定前からペットとして飼われていた個体は一般財団法人「自然環境研究センター」(東京)に登録すれば譲渡可能だ。

 ただ、未登録のまま飼い主が死亡するなどした場合、親族や知人がやむを得ず引き取っても、法令違反となる恐れがある。入院した飼い主が未登録の希少種を親族に預け、同省が親族を行政指導した例もある。

 同省は、こうした事態に対応するため、飼い主の突然の死亡や入院で不在にする場合などは、家族らが理由などを申請すれば譲渡や一時預かりを認める方針だ。近く行う有識者会議で規制緩和策の原案を示す。

 大型インコ「ヨウム」の場合、ペットや研究用などとして2000〜23年に約1万羽が輸入されたが、17年1月に希少種に指定されて以降の登録は約3000羽にとどまる。登録には、購入記録など、指定前から飼育していたことを証明する書類の提出などが必要だが、煩雑な手続きを敬遠して未登録の人も多い。

 同省は登録を呼びかけているが、購入記録が手元になく、あきらめることもある。インコやリクガメなどの希少種には50年以上生きる動物がいて、未登録状態で飼い主が先に死亡する例が増えると想定される。

 こうした希少種を合法的に手放せなくなると、市場で不正に取引される恐れがあるほか、野外に放たれれば国内の生態系に深刻な影響を与える可能性もある。

 ◆種の保存法=絶滅の恐れのある野生動植物を保護するため、1992年に制定。国内外の約1300種を希少種に指定し、譲渡禁止の規定に違反すると、故意など悪質な場合、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金を科す。