記事のポイント
ケンドラ・スコットは母の日に向け、200本超の動画を展開する過去最大のインフルエンサー施策を実施した。
母の日需要は「贈り物」だけでなく、自分のために購入するセルフギフティングへとシフトしている。
成果に応じてコンテンツを拡大するパフォーマンス主導のクリエイター戦略が成長を支えている。


ジュエリーブランドのケンドラ・スコット(Kendra Scott)は、母の日に向けたアプローチを拡大している。

4月13日、同ブランドはフェイバリット・ドーター(Favorite Daughter)の共同創業者でポッドキャスト「ザ・ワールズ・ファースト・ポッドキャスト(The World's First Podcast)」の共同ホストを務めるサラ・フォスターを起用した、ソーシャルメディア主導のキャンペーン「マーク・ザ・ミーニング(Mark The Meaning)」を公開した。

TikTok、YouTube、メタ(Meta)、ピンタレスト(Pinterest)にまたがるこの取り組みには、フォスターと数十人のクリエイターが出演する200本以上の動画コンテンツが含まれており、同社史上最大のインフルエンサー施策となる。

インフルエンサーエージェンシーのコラブスター(Collabstr)が発表した2026年のレポートによると、ブランドコラボレーションの約80%が300ドル(約4万5000円)未満のコストであり、より小規模で反復可能なコンテンツ投資への移行を示唆している。

フォスターは、キッチンを含む日常的な環境で、日々のルーティンの一部としてジュエリーを身につけスタイリングするショート動画に出演している。

「出発点は、私自身の体験だった」と創業者のケンドラ・スコット氏はGlossyに語った。

「母親として、誰にも見えない、誰にも祝われない瞬間がたくさんあった。夜更かし、絶え間ないやりくり、自分は十分にできているのか、正しいやり方をしているのかと自問する日々。私はつねに、ジュエリーには意味があるべきだと信じてきた。単にイベントを記念するだけでなく、大切なことを刻むべきだと」。

セルフギフティングが変える母の日市場



「母の日の売上において、自分へのご褒美として購入する人の割合が年々増加しており、そのうち『かなりの数』が子どもを持っていない」と、ケンドラ・スコットCMOのミシェル・ピーターソン氏は述べた。

そのため、同ブランドは母の日のマーケティング戦略を2つ用意し、1つは従来型のギフトとして購入する顧客向け、もう1つは自分自身のために購入する顧客向けで、個人的な節目や日常の瞬間に焦点を当てたメッセージを発信している。

同様に、ファインジュエリーブランドのメジュリ(Mejuri)は以前から顧客に「自分のためにダイヤモンドを買おう」と促し、伝統的な人生の節目ではなく、日常のささやかな瞬間を彩る「マイナーストーン(小さな宝石)」を中心に商品を位置づけている。

これはリピート購入につながっており、同ブランドが3月に「パズルスタッキングリング」を発売した際には、顧客の60%が一度に3個以上を購入した。

「従来、母親は子供やパートナー、家族など、外部の人々から祝福を受けてきた」とスコット氏は語った。

「しかし、2026年に我々が伝えたいのは、誰かに認められるのを待つ必要はないこと。自分自身と、そこに至るまでの小さな瞬間を祝うことができるのだ」。

パフォーマンス主導のクリエイター戦略



このキャンペーンのために、ケンドラ・スコットはコンテンツを継続的にリリースし、効果のあるものを拡大している。

約80万人のインスタグラムフォロワーを持つフォスターがメインパートナーを務め、中堅・小規模のクリエイターや顧客も含め、幅広い層がさまざまなプラットフォームで追加コンテンツを投稿している。

「すべてをブーストすると、実際に共感を得ているものの効果が薄まってしまう」とピーターソン氏は述べた。

「当社はパフォーマンス主導のアプローチを取り、ターゲットオーディエンスと本当につながっているクリエイターやコンテンツを特定し、そのうえでトップパフォーマーを戦略的にブーストしている」。

「当社のアプローチは、リーチしようとしている特定の消費者を特定し、その人がブランドとどのようにパーソナルにつながっているかを理解し、真実を体現しているクリエイターを見つけることだ」と同氏は付け加えた。

動画はケンドラ・スコットの母の日に向けたアッパーファネル戦略の中核にあり、顧客が時間を過ごす場所を反映していると、ピーターソン氏は述べた。

コラブスターによると、インフルエンサーコンテンツはいまやリーチ、エンゲージメント、コンバージョンのすべてにおいてブランドが制作したコンテンツを上回ることが多く、マーケターの83%がインフルエンサー主導のキャンペーンでより強い成果を報告している。

5億ドル超えブランドの成長持続



母の日はケンドラ・スコットにとって重要な販売機会であるが、12月が依然として同ブランドのギフティング最盛期である。

ケンドラ・スコットは年間売上5億ドル(約750億円)を超え、2025年半ばには19四半期連続の成長を報告しており、2024年は前年比約30%の成長を遂げ、2026年も勢いを継続している。

[原文:For Mother's Day, Kendra Scott invests in its largest influencer activation to date]

Zofia Zwieglinska(翻訳、編集:藏西隆介)