「5億円貸していた」知人男性に死ぬまで熱湯をかけ続けた男…被害者との“歪な関係性”
全身にやけどを負って死亡した男性
「目の前で、突然、知人が倒れました」
119番通報に救急隊員が駆けつけると、全身の半分以上にやけどを負った男性がマンションの外階段に倒れていた。
「3月6日、警視庁捜査1課は、強盗致死の疑いで、東京都世田谷区の職業不詳・宝田耕司被告(56)を再逮捕しました。’25年9月14日〜17日ごろ、自宅のマンションの一室で東京都狛江市の無職・高橋賢治さん(58)に複数回、熱湯のようなものをかけ、殴る蹴るなどの暴行を加えて死亡させ、現金1万9000円を奪った疑いです。『お金を返してもらっただけで、強盗ではありません』と容疑を否認しています。
宝田被告は2月にも覚醒剤取締法違反(使用)などの容疑で逮捕・起訴されていました」(全国紙社会部記者)
3月8日、宝田被告は身柄を検察に送られた。2月22日に覚醒剤取締法違反などの容疑で検察に送られた際には、報道陣を見て肩をすくめるなど、ふてぶてしい態度を見せていた宝田被告だが、この日は一転。朝9時ごろ、世田谷署の護送口から姿を現すと、両手で顔を覆いながらうつむき、とにかく顔を撮らせないようにしていたのだった。
宝田被告と高橋さんは、刑務所で服役中に知り合ったという。二人に何があったのだろうか。前出の社会部記者が続ける。
「高橋さんは、宝田被告の自宅で同居状態でした。宝田被告は『高橋さんに5億円貸していた』と主張していますが、裏付けは取れていません。9月16日には、高橋さんは現場マンション近くのコンビニのATMで現金を引き出していて、宝田被告が近くにいたということです。
これまで、高橋さんに因縁をつけては金銭を要求しており、少なくとも100万円を奪ったとみられています」
そして9月17日の正午ごろ、高橋さんが倒れたことから、冒頭のように宝田被告自らが119番通報。高橋さんは全身にやけどを負っていて、約2時間後に死亡した。死因は熱傷死だった。
「宝田被告は当初、警察に『(高橋さんは)ヤミ金業者にやられたのではないか』と説明し、高橋さんが死亡したことへの関与を否定していました。しかし、自身のスマホに高橋さんに熱湯をかけたことをうかがわせる画像が残っていたことから、捜査1課は逮捕に踏み切ったのです」(前出社会部記者)
相手が死亡するまで熱湯をかけつづけた宝田被告。苦痛を与える手段として、熱湯をかけることを選択するのは、どのようなタイプの人間なのだろうか。
やけどの範囲が日ごとに広がって…
元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。
「殴ったり刃物で切ったりするのとは異なり、『やけど特有の痛みや苦しみ』を与えることに快感を得ていたのではないでしょうか。異常な嗜好の持ち主だったと思われます。それに死に至るまで熱湯をかけ続けるなんていうのは、完全にリミッターが欠落していますよ。普通だったら、これ以上やったら死んでしまうとか、どこかで歯止めがかかるものです。
圧倒的な暴力で相手を屈服させ、自分の思い通りにするという歪んだ成功体験が染み付いていると考えられます」
宝田被告の自宅付近の防犯カメラは、高橋さんのやけどの範囲が日ごとに広がっていく様子をとらえていたという。ここに二人の関係性が見て取れると小川氏は指摘する。
「命にかかわるようなやけどですから、病院で診てもらった時点で警察に通報されます。逃げたり治療を受けたりできないように監禁に近い状態になっていたんでしょう。激しい暴力で支配下におき、主従関係ができていたのではないでしょうか」
服役中に知り合い、共に更生する機会を得たにもかかわらず、今度は被害者と加害者という関係になってしまった高橋さんと宝田被告。
いまだに「貸したお金を返してもらっただけ」と否認を続ける宝田被告だが、今後の捜査で二人の間に何があったのか明らかになるだろうか。
捜査の進展が待たれる。
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取材・文:中平良

