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出世しない人は「得意なこと」だけをやり続ける。じゃあ、出世する人は?
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平井上尚弥藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

出世しない人、出世する人

 仕事ができるのに、なぜか出世しない人がいます。

 与えられた仕事は完璧にこなす。専門性も高い。周囲からの評価も悪くない。
 それでも、キャリアが大きく伸びない。

 なぜでしょうか。
『ゆるストイック』という本では、その原因を「ニッチ戦略の欠如」にあると指摘します。

一部の超人的な才能を持つ人を除けば、誰もが戦略的に自分なりの「ニッチ」を探す必要があります。
なぜなら、どんなに努力を重ねても、才能や能力では上には上がいるからです。
では、自分に合ったニッチをどのような基準で探せばいいのでしょうか。
おすすめは、「好き」と「得意」の2つが重なっている領域を見つけることです。
自分がやっていることを注意深く観察して、「周りから褒められるが、自分にとっては楽にこなせること」を見つけることで、自分の個性や強みが浮かび上がってきます。
続けることがまったく苦痛でないのであれば、「好き」と「得意」が重なっている領域と考えていいでしょう。
――『ゆるストイック』より

 ここで重要なのは、「得意だけでは足りない」という点です。
 得意なことだけをやる人は、確かに安定します。

 しかし、その領域には必ず上位互換が存在します。
 より経験のある人、より能力の高い人、より時間を投下できる人。そうした競争の中では、突き抜けることが難しい。

出世する人は「戦う場所」を選ぶ

 本書は、ニッチを見つける際の考え方も提示しています。

「好き」と「得意」が見つかれば、あとは試行錯誤しながら、十分に戦える「ニッチ」を絞り込んでいきます。
・好きなこと
・得意なこと
・需要があること
この3つが重なる領域が見つかれば理想的ですが、ここでは順番が重要です。
まず、「好きなこと」を自分との対話によって見つけます。
次に、「得意なこと」は周りの反応やフィードバックから理解できるものです。
注意すべきなのは、3つ目です。
「需要があること」は、社会の動向や経済、競合相手などとの関係で変動するものです。
――『ゆるストイック』より

 つまり、出世する人は「能力」よりも「ポジション」を設計しています。
 好きなことを軸にする。
 得意なことで勝負する。
 そこに需要が重なる場所を探す。
 この三つが交わる場所が、戦うべきニッチです。

得意なことだけでは、埋もれる

 出世しない人は、「得意なこと」を磨き続けます。
 出世する人は、「得意なことをどこで使うか」を考えます。

 前者は能力を強化する。
 後者はポジションを設計する。

 ゆるストイックとは、努力を増やすことではありません。
 自分が勝てる場所を見つけ、そこに集中することです。
 得意なことをやるだけでは、競争に巻き込まれる。
 好き・得意・需要が重なるニッチを見つけた人だけが、そこから抜け出します。

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は9.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86をスタートさせた。