【木田 トウセイ】「大谷の状態が…」「暗黙の”メジャー組縛り”」WBC2026【侍ジャパン】関係者が語る不安要素
野球世界一を決める国際大会『2026 ワールド・ベースボール・クラシック』(以下、WBC)がいよいよ開幕。前回王者である“侍ジャパン”こと日本代表チームは、3月6日に東京ドームで行われる台湾戦から連覇に向けて動き出すことになる。
井端弘和監督率いる侍ジャパンは大谷翔平、山本由伸、鈴木誠也、菊池雄星、村上宗隆、岡本和真らメジャーリーガーに加え、国内のトップ選手を集めた“歴代最強”ともいわれる布陣で連覇を目指す。
しかしながら、メジャーリーグに詳しい野球ライターやプロ野球OBからは「連覇は無理だろう」「大敗を喫する可能性もある」という声が聞こえてきている。
前編記事『「大敗を喫する可能性もある」…WBC2026【侍ジャパン】の連覇が厳しそうな理由』に続き、関係者の本音をお届けする。
期待のサトテル・森下が出られない“メジャー組の縛り”
「岡本や村上がメジャーキャンプ上がりの時差ボケで疲れているにもかかわらず、サトテルや森下を使えないのは痛いでしょう」
そう語るのは、在阪チームの取材をする野球ライターのC氏だ。
「佐藤輝明(阪神タイガース)は昨シーズン40本塁打、102打点という圧倒的な成績を残して脂が乗っているし、成長著しい森下も短期決戦での勝負強さはピカイチ。それでも、この2人がスタメンで出場できるか微妙というのはどうかと思いますよ」
問題の核心は、メジャーリーガーを優先起用せざるを得ない“暗黙の縛り”にある。ファースト、サードには岡本和真(トロント・ブルージェイズ)と村上宗隆(シカゴ・ホワイトソックス)というメジャー組の大砲がいる。外野には吉田正尚、鈴木誠也が並び、指名打者には大谷翔平が君臨する。佐藤輝明が主戦場とするサードと森下翔太が守る外野も、メジャー組でほぼ埋め尽くされているのだ。
「6、7回くらいまでは吉田や鈴木、村上、岡本を使って、サトテルや森下を代打で送るつもりでしょうが、短期決戦において試合の流れを決める場面がいつ回ってくるかは運ですから。『メジャー組を使わないといけない』という縛りのせいで最適な選手起用を妨げているとすれば、日本代表にとって大きなハンディキャップとなりかねないですよ」
C氏は、壮行試合や強化試合で結果を出した2人を積極起用できないことを激しく嘆いていた。
大黒柱にしてリーダー・大谷の不調
「調整段階だとわかっていても、あの数字は心配になりますね」
前編記事で侍ジャパンの不安要素を指摘したスポーツ紙記者・A氏は、大黒柱にしてリーダー・大谷について苦笑いを浮かべながら語る。
「オリックスとの強化試合で3打席ノーヒット、阪神戦でもスタメン入りしましたが、2打席とも変化球を引っかけてしまい、通算5打数ノーヒットという結果。井端監督は『本番になればきっちり結果を出してくれる』と信頼を寄せていましたが、打ち方が悪いときの泳がされてしまうスイングになっているんですよ。
おそらく塁に出ようとコンパクトに振ることを心掛けているのでしょうが、持ち味を出せていない。あの状態のままだと1番打者としては存在価値がないと思います」
そんな不調の大谷は「1番でないほうがよい」とA氏は断言する。
「ランナーを返す場面でフルスイングをできる3番か4番に置くほうがよいのでは? その前後に鈴木や村上、岡本あたりを並べておけば大谷と勝負せざるを得ない状況も作れる。初戦の台湾戦での状態次第ではすぐにそこに踏み切ったほうがいいと思います。逆に、井端監督が不振のままでも大谷を1番に置き続けると、打線が機能しなくなる可能性もある」
大黒柱・大谷の復調と打順が最大の鍵になっていきそうだ。
アメリカ・ドミニカといった最強チームが大きな壁
また、予選プールを勝ち上がったとしても、連覇への試練は続く。野球専門誌のライター・B氏は語る。
「アメリカ、ドミニカ共和国、プエルトリコは戦力がとにかくすごい。これらの国々はメジャーの現役スター選手を多数擁しており、例年以上に投手陣も充実しているので、なかなか点は取れないでしょう。
特に、アメリカ代表は主将のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が絶好調だし、サイ・ヤング賞左腕・タリク・スクーバル(デトロイト・タイガース)が準々決勝以降に投げないと明言したそうですが、160キロ超えの剛腕・ポール・スキーンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)がまだ残っている。日本戦でスキーンズが先発としてマウンドに上がったらもうお手上げじゃないですか」
日本での予選を突破したとしても、連覇を阻む壁はまだまだ高いようだ。
ここまで有識者たちが語る不安要素や代表チームの弱点を挙げてきた。これを聞くと「日本の連覇は厳しいのか……」と悲観してしまう人も多いだろう。しかし、これまでも数多くの逆境や試練をはね返して世界一になってきたのが侍ジャパンである。
今大会もドラマや漫画でも描けないような“奇跡のシナリオ”で王者に駆け上がってくれることを信じるしかない。
頑張れ、侍ジャパン。
【あわせて読む】『Netflix独占のWBC「下請け業務」を日本テレビが担当…大谷翔平をめぐる「したたかな思惑」があった』
