「CNNやBBCからも…」世界でも大バズり“パンチくん”のストーリー 飼育員が明かす“オランウータンママ”誕生秘話「キリンも試した」

千葉県の動植物園にいるニホンザルの「パンチくん」が、オランウータンのぬいぐるみを抱えた姿で世界中から注目を集めている。
ニュース番組『わたしとニュース』では、タレントのSHELLYが出演し、パンチくんがなぜこれほどまでに愛されているのか、その背景にあるストーリーを深掘りした。
■3連休で1万5000人!40年の歴史で「かつてない事態」

千葉県にある市川市動植物園で今一番の話題となっているのが、生後7カ月のニホンザル、パンチくんだ。オランウータンのぬいぐるみを抱えてちょこんと座る姿の画像が投稿されると、またたく間にSNSで拡散。一気に注目を集めた。
園には、ぬいぐるみを抱えて動き回るパンチくんを一目見ようと、多くの人が訪れるようになったという。
市川市経済観光部動植物園課の安永崇課長は「2月21、22、23日が3連休だったが、3日間だけで約1万5000人ほどのお客さんがいた。3連休の数字としては、市川市動植物園40年の歴史の中で、かつてない事態だった」と驚きを語る。
その勢いは国内だけにとどまらず、海を越えて広がっていく。「CNNとかBBCとかニューヨークタイムズ、スペインの国営通信とかドイツの通信社とか。自分でも覚えきれないくらい各国から問い合わせや取材があった」(安永課長)
世界の主要メディアが次々とパンチくんを報道。さらに、ホワイトハウスの公式Xでも取り上げられるなど、その人気はまさにワールドクラスだ。また、Googleで「パンチくん」「がんばれパンチ」「PUNCH THE MONKEY」などと検索すると、期間限定でパンチくんの画像が降ってくるユニークな仕掛けも登場するなど、世界で一大ムーブメントを巻き起こしている。
■なぜぬいぐるみを?背景にある「母親の育児放棄」と「サルの習性」

そもそも、なぜパンチくんはぬいぐるみを抱えているのか。飼育員の宮腰峻平氏は次のように説明する。
「ニホンザルの赤ちゃんは、お母さんに抱きつく習性がある。その中で筋力とか握力を養う。今使っているぬいぐるみ以外にタオルとかキリンのぬいぐるみを試したが、オランウータンのぬいぐるみが毛足が長くて、パンチくんがちょうど掴みやすかった」
パンチくんは生後間もなく母親から育児放棄され、飼育員によって人工保育で育てられることになった。その際、お母さんの代わりとして与えられたのがオランウータンのぬいぐるみだったのだ。今では母親がわりのぬいぐるみがネットでは“オランママ”と呼ばれ、パンチくんと一緒に世界中の人から見守られている。
今年1月からは、サルの群れに戻る訓練を開始。最初は仲間に受け入れられず苦労したものの、少しずつ仲間との距離が縮まり、ぬいぐるみを置いて過ごす時間も増えてきたという。
宮腰氏は「今後は群れに馴染んで、ぬいぐるみも卒業して。来たお客さんが『あれ?どれがパンチだろうね』というくらい馴染んでもらえたらいいと思う」と語った。
こうした動物園のサポートに対し、SHELLYは「最後のコメントがすごくジーンと来た。過去1番来客数も多くて、世界中から注目されている状況の中で、みんなが『どれがパンチくんなんだろう』と思うくらいまで、パンチくんに馴染んでほしいって。本当に動物への愛情を感じる」とコメントした。
■なぜ海外で大人気?ムーブメントの裏にある「癒やし」
現在オーストラリアで生活するSHELLYは「1か月くらい前に友達から『PUNCH THE MONKEY すごいじゃん』『日本ですごいんでしょ』と言われて、私の知らないところで人気の動物がいたのかなと思っていたら、こんなにも世界中で注目されていたとはびっくりした」と驚きを明かした。
さらに、海外メディアがこぞって取り上げる理由について、アメリカの報道事情を交えて分析する。
「頑張って自立しようとしているパンチくんのストーリーを、みんなが保護者の気持ちで応援するというのはあると思うけど、海外の報道を見ていると、単純に定期的にこういうのを取り上げている気がする」
「例えばアメリカの場合は少し前に、キリンの出産を動物園が定点カメラで24時間配信していたのがすごくバズって。みんなが仕事中に仕事していると見せかけて、キリンの出産を見ている俺みたいな動画をあげたりとか。定期的に、何年かに1回、みんなで何かの動物をすごく応援するというのは過去にもあった」
また、緊迫するイラン情勢を引き合いに出し「喪失感だったり無力感みたいな部分を切り替えるために、浄化というか、気持ちのリフレッシュは絶対人間は必要だと思うので」と語り、世界中の人々にとってパンチくんが大きな癒やしになっていることを指摘した。
こうしたパンチくんブームにより、市川市動植物園には問い合わせが殺到しているという。市川市の安永課長は「パンチくんを応援していただくのは嬉しいこと。ただ、地域の小さな動物園ということで駐車場の台数も対応できるスタッフ数にも限りがある。来園の際は公共交通機関を利用していただき、入園の際は多少お待ちいただくこともあり、ご不便をおかけしてしまう部分は申し訳ないが、市川市動植物園を応援していただきたい」と話している。
(『わたしとニュース』より)
