資産3億・年間配当751万! 退職金全額投資で『億り人』になった男が語る「FIRE後のリアル」

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総資産3億円超、年間配当金は驚異の751万円――。投資家なら誰もが憧れるFIRE(経済的自立)を見事達成した、配当株投資の達人・ペリカン氏。

数え切れないほどの株主優待品で日々の食卓や生活費を賢くまかないつつ、現在は「お金は“今しかできない経験”と思い出に変えてこそ価値がある」と語る。家族との旅行や、あえて優待を使わずに楽しむ贅沢な外食など、経済的な豊かさだけでなく“心の豊かさ”も追求するリアルなFIRE生活を謳歌しているのだ。

一体どうやって、彼はそんな夢のようなライフスタイルを手に入れたのか?

今回はペリカン氏を直撃し、彼の人生を変えた“後悔しないお金の使い方”から、現在の安定した生活を支え続ける「お宝銘柄」の見つけ方までを徹底取材! さらに、決算月が迫るこの3月に彼が狙う「注目銘柄」についても、たっぷりとお話を伺った。

退職金全額投資で「億り人」へ

’19年、ペリカン氏は会社を退職する。その時点では、FIREあるいは専業投資家になることは考えていなかったのだが、運悪く、退職直後に「コロナ禍」が発生してしまった。

「年間で200万円くらいの配当金収入があり、優待品で生活費がかなり浮いていました。失業手当があれば半年くらいは生活には困らないはずなので、その間に、転職や何か事業ができないかを考えればいいかなと思っていたんですが、いやー、コロナで世の中が一変してしまいました。転職とか事業とか言ってる場合じゃない。

それで、コロナ・ショックで株価が急落したのを目の当たりにして、配当金で食っていこうと腹を括りました。手持ちの現金や退職金などありったけの資金で、暴落した銀行株や商社株を買えるだけ買ったんです。その結果、株式相場の回復とともに資産は増加し、’20年には億り人になることができました」

コロナ・ショックの最中、退職金までなげうって株を買うというのは、誰にでもできることではない。ITバブル崩壊、リーマン・ショックなど歴史的な暴落を経験してきたペリカン氏の経験が存分に生かされた決断だったといえよう。

また、任天堂株のナンピン買いの大失敗、退職後のコロナ・ショックと、普通なら人生の基盤を揺るがすような出来事が、いずれもその後の人生を好転させるという成り行きには驚かざるを得ない。

資産3億! 後悔しない金の使い道

足元での金融資産は3億円を超え、保有銘柄数は400以上に及ぶ。’25年の年間配当金は751万円、’26年の年間配当予想は約850万円の見込みだ。今は専業投資家として、どんな生活を送っているのだろうか。

「わが家には株主優待品も数多く送られてくるので、食料品や日用品などはかなり助かっています。食事券なども結構あって、家族で外食することも多いんですが、どうしても同じ店舗に行くことが多くなり、家族から不満が出ていたんですよ(笑)。

それでも通っていたところ、『Die With Zero』という本に影響を受けて、お金の使い方が変わりました」

同書は米国の実業家ビル・パーキンス氏の著書で、日本でもベストセラーとなっている。タイトルは“ゼロで死ぬ”という意味で、お金をいかに使い切るかが主要なテーマ。経済的な豊かさに囚われず、本当に豊かな人生を送ることを追求した一冊となっている。

「これまでは、節約を第一に考えてすべて投資に回していましたが、最近は、“今しかできない経験”にお金を使うと決めています。子どもが小学生のうちに一緒に旅行へ行き、美味しいものを食べる。

外食もあえて優待を使わずに食べたいものを食べに行く(笑)。お金は貯めるだけでなく、世の中で回ることで価値を生むと思うようになりました」

増配を見抜く新指標「余力指数」

ペリカン氏の高配当株投資は、配当利回りや株主優待を投資判断の材料としているが、「安定的に配当金や優待の提供を続けることが可能か」という継続性を重視している点に特徴がある。長期間の保有を前提としているからだ。

最近は、そこに「余力指数」という指数を導入している。これは、ROE(自己資本利益率)からDOE(株主資本配当率)を差し引いて求められるもので、企業の将来的な「増配余地」を表すという。日々の豊かな生活は、こうした確かな指標に基づいた銘柄選びによって支えられているのだ。

▼ペリカン 社会人になりたての1990年代後半から株式投資をスタート。数々の歴史的な暴落をくぐり抜け、’19年には会社員を辞めて、株式の配当金で生活する専業投資家の道へ。’25年の年間配当金は751万円、’26年の受取配当金見込みは850万円。現在の総資産は3億円超。著書に『はじめての高配当株』があり、3月には、AIを駆使した最新スクリーニング術を公開した2冊目を刊行予定。Xフォロワー数は4.8万人、運営ブログも好評。

コロナ・ショックという逆境を逆手に取り、見事FIREを達成したペリカン氏。彼がたどり着いた「本当に豊かな人生を送るための投資術」や、堅実に資産を増やす新指標「余力指数」の活用法には、我々も真似できるヒントが詰まっている。

取材・文:松岡賢治

マネーライター、ファイナンシャルプランナー/証券会社のマーケットアナリストを経て、1996年に独立。ビジネス誌や経済誌を中心に金融、資産運用の記事を執筆。著書に『ロボアドバイザー投資1年目の教科書』『豊富な図解でよくわかる! キャッシュレス決済で絶対得する本 』。■X(旧Twitter)→@1847mattsuu