マグロやサーモンは簡単でしたが、最後にホタテの上のイクラをスプーンで3粒だけのせる作業が地味に忙しかったです。ねっとりしているので、どうしても裁量がわからず、4〜5粒すくってしまうこともしばしば。でも、3粒でなければいけません。一個だけとるのも至難の業です。

私のせいで流れを滞らせてしまうこともしばし発生し、本日の反省点となりました。これからはイクラが数粒乗った寿司をみたら、きっと今日のことを思い出すでしょう。そして、作り手になお一層の尊敬を抱くことになるでしょう。

ほか仕事内容はイメージしていた通りで、労働には違いませんが、お寿司屋さんごっこみたいな感覚で楽しかったです。自分の脳内イメージでは“ちいかわ”になって、せっせとけなげに仕事をしていました。

◆かなりのアタリ現場だった!

大量募集現場で、主な面子が40〜50代が中心となると、傍から見ると「どんよりした重た目の雰囲気なのでは?」というイメージだと思います。

ですが、この現場に関しては、和気あいあいとした活気が感じられました。元料理人だと自ら自己紹介をしていた高齢男性は張りきって業務に臨んでいました。私と同年代と思われる主婦の方は、自ら作った寿司を「家族分買って帰る」と楽しそうに話していました。

年齢的に主婦や社会人経験者が多いためか、挨拶や質問が飛び交い、手際もよかったように感じます。正規職員さんが少なかったためか、どこかタイミーさん同士での団結力が生まれていたように思います。

職種とメンバーに恵まれた、かなりの“アタリ現場”でした。ぜひまたここで働いてみたい、早くもそう思いました。

◆世知辛い「社会の縮図」を見てしまった

その後何度か同じ食品工場で働いたのですが、明らかに20代の人は数えるほどしか来ていませんでした。

大学生が長い休みの期間であったり、夕方以降の時間ならばもう少しこの現場にも若い人はいたのかもしれませんが、経験則から「スポットワークは若者のもの」というイメージを持っていた自分としては目からウロコでした。

もしかしたら、私たち氷河期世代がそのままスライドして非正規スポットワーカーのメイン世代になっているのでしょうか? もしそうであったら、勤務した5時間の間に少々世知辛い社会の縮図を見てしまったような気がします。

<文・写真/小政りょう>

【小政りょう】
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦