自害アウラはなぜ愛され続けるのか? 『葬送のフリーレン』第2期直前に名シーンをおさらい
TVアニメ『葬送のフリーレン』の第2期が始まることにあわせて、日本テレビ系全国30局ネット“フラアニ”では第1期のピックアップ放送を7夜連続で実施。その第4夜となる1月12日には、「断頭台のアウラ」との戦いを描いた第9話~第11話が放送される。
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本稿では、未見の人向けにアウラがなぜ多くの人に愛されるのか紹介しつつ、“誰もが知るあの名シーン”について振り返ってみたい。
『葬送のフリーレン』は勇者一行によって魔王が倒された後の世界を舞台としたファンタジー作品。かつて勇者とともに旅をしたエルフの魔法使い・フリーレンは、今度は人の心を知るために世界をめぐっていく。
しかしその旅路は必ずしも平和なものではなく、人間を襲う凶悪な魔族や魔王軍の残党がフリーレンたちに襲いかかることに。そのうちの1人であるアウラは魔王直下の大魔族「七崩賢」の一角であり、とりわけ圧倒的な力をもつ強敵だった。
アウラが使用する魔法は、相手を服従させて永遠に操り人形にできる「服従の天秤」(アゼリューゼ)。この魔法は自分と相手の魂を天秤に乗せ、魔力の大きいほうが相手を服従させられるという制約があるが、膨大な魔力量を誇るアウラはこれまで一度も“魔力比べ”に負けたことはないという。
そして「服従の天秤」を使って人間の兵士たちを大量に支配し、「不死の軍勢」を作り上げたアウラは、北側諸国のグラナト伯爵領を陥落させようとするのだった。
そんなアウラのキャラクターとしての魅力といえば、まずはかわいらしい少女のような見た目と残忍で冷酷な性格とのギャップが挙げられる。
そもそも魔族は人間と同じ言葉を話すものの、共感能力が欠落しており、人間の感情を一切理解できない生き物とされている。この点でアウラはまさに“魔族らしい”性格で、配下のリュグナーが命を落としたときもまったく動じた様子を見せなかった。
さらに、フリーレンが勇者ヒンメルの信念を今でも受け継いでいることを語った際、「ヒンメルはもういないじゃない」と言い放っていたことも印象的。このときアウラは、純粋にフリーレンが何を言っているのか分からないという表情を浮かべていた。ここでは悪意すらなく人間の尊厳を踏みにじる魔族のあり方が示されており、視聴者に大きな衝撃を与えたシーンだった。
また、魔族としてのプライドの高さとそれが粉々に砕け散る場面との落差もアウラの大きな魅力と言えるだろう。
前提として説明しておくと、アウラのプライドはたんなる驕りではなく、たしかな実力に裏打ちされている。というのも500年という生涯のほとんどの時間を、魔力の鍛錬に費やしてきたという自負があるためだ。
作中の説明によると、各人が持つ魔力の量は鍛錬を積み重ねた年月に比例して増えていくそうなので、アウラのそれは規格外の領域に到達していたはず。実際にその魔法を目の当たりにしたフリーレンは、「人類の魔法技術では想像もつかないほどの高み」と感嘆していた。
しかしそんな実力に裏打ちされた自信こそが、アウラの敗北を決定付けることになる。長命種のフリーレンはアウラを上回る1000年もの時間を魔力の丹念に費やしてきた上、そのことが露見しないようにつねに魔力の量を偽装しながら生きている。いわば“魔族の天敵”と言える存在だ。
そんな事実など一切知らないアウラは、「私は500年以上生きた大魔族だ」と自信満々に啖呵をきるが、フリーレンに「お前の前にいるのは、1000年以上生きた魔法使いだ」と返されてしまう。その言葉を聞いたときのあっけにとられた表情は、敵ながら実に切ない。
そして「服従の天秤」の魔力比べに勝利したフリーレンは、「アウラ、自害しろ」と冷酷に命じ、アウラは現実を受け入れられないままに自ら斬首するのだった。最期に悔しさに歪んだ表情を見せるところも含めて、作中屈指の名シーンとなっており、その後ネットミームとして定着したことも頷ける。
この場面が多くの人に衝撃を与えた背景としては、アウラの“負け顔”が見事だったことも関係しているだろう。傲慢そうな態度から一転、呆然とした顔や泣き顔に切り替わっていく様子はあまりにインパクトが強い。
とくにアニメ版では『けいおん!』の中野梓や『五等分の花嫁』の中野二乃役などで知られる人気声優の竹達彩奈がアウラの声を当てており、“かわいそうでかわいい”キャラクター付けに一躍買っていた。しかも原作では髪を巻き込まないように剣を首に当てていたアウラが、アニメ版では髪ごと首を両断しており、より屈辱感が漂うシーンへと変わっている。
アニメ放送期間中に実施された「第2回キャラクター人気投票」で、アウラが全登場人物のうち2位に輝いたという驚きの事実も、それだけアニメの出来がよかったことを意味しているのではないだろうか。
『葬送のフリーレン』第2期は、1月16日より放送される予定。アウラに匹敵するほどの人気キャラクターが誕生するかどうか、ぜひリアルタイムで見守ってほしい。(文=キットゥン希美)

