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「富裕層」と聞いて、どのような暮らしを想像しますか? 高級外車を乗り回し、毎晩のようにパーティーを開く――。そんな派手なイメージとは裏腹に、本物の資産家の生活は驚くほど「普通」です。そんな彼らが唯一、糸目をつけずに巨額を投じる「ある使い道」とは? 市川雄一郎氏の著書『普通のひとでも富裕層になれる シンプルな投資の学び』(日経BP)より、一見すると地味な彼らが、不況下でも資産を増やし続ける理由と、その独特な金銭感覚に迫ります。

富裕層の暮らしぶりは“至って普通”

不況の山を乗り越えて資産を増やし続け、富裕層に辿り着いた投資家たち。少なからず存在するそれら富裕層とは、いったいどんなタイプの人たちなのでしょうか?

おそらく「富裕層ってどんな暮らしをしているのか?」について興味をお持ちの人は多いでしょう。好きなものを好きなだけ購入し、高級車に乗り、閑静な高級住宅街の広大な敷地の一軒家に住んで、といった、いわば贅沢三昧の暮らしを送っているというイメージをお持ちかもしれません。

しかし、あくまで主観ではありますが、私が知っている富裕層はそんな感じではなく、一言でいうと大方「普通」です。「層」でいうなら「マス層ほどの生活レベル」で、別段贅沢をしているようには見えません。

お金をかけているところといえば、子どもの教育が主でしょうか。おそらく大人になったとき、生活に困らない財力を得られるようにという思いがあってのことなのだろうと想像します。

もちろん、食器や調度品など、趣味をはじめとする好きなものにある程度お金をかけているような側面は持っているものの、贅沢をしているレベルか?といわれたら、そうでもないような印象を受けます。

「タワマン暮らし」だからといって、富裕層とは限らない

この点、たとえば都心のタワーマンションに住んでいる人はどうでしょうか。もちろんなかには十分な資産を蓄えた富裕層もいると思いますし、投資物件として保有している人もいるでしょう。共働きである程度高い生活レベルを有している人たちである可能性も否めません。

つまり、都心の高級なタワーマンションに住んでいるからといって、必ずしも富裕層であるとは限らないということです。

私が知っている富裕層は、高級な住宅地で戸建を構えている人もいれば、一般的な価格のマンションに住んでいる人もいるなど、ライフスタイルはまちまちです。つまり、富裕層だからといって、必ずしも住居のグレードが高いというわけではありません。

物価高騰もなぜ?…2015年以降、富裕層の数が増えている理由

そもそも、日本に富裕層はどの程度いるのでしょうか? 図表を見てもらうとわかるように、2015年以降、富裕層の数は少しずつ増えており、超富裕層もわずかですが増えていることがわかります。

[図表]純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移(2005年〜2023年の推計結果) 出所:株式会社野村総合研究所(日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計「ニュースリリース」2025年2月13日)

お世辞にも景気がよいとはいえない状況であるうえに、年々物価も上がり続けているなかで、富裕層・超富裕層が増えていることに疑問を抱く人も多いと思います。平均所得額は長らく横ばい状態(微減しているともいえます)にもかかわらず、なぜ富裕層が増えているのでしょうか?

一因として考えられるのは単純に「投資家が増えた」ことであり、かつ「投資の成功率が上がっている」と考えるのが自然です。

インターネットの普及に伴いSNSの利用が当たり前の文化となった今日では、投資に限らずあらゆる情報を手軽に得られる環境になったことはいうまでもないでしょう。もちろん私が校長を務めているGFSのような投資スクールの存在も大きいと思います。

そのため、たとえば、これまであまり情報がなかった海外諸国の有望株などについても簡単に知ることができ、かつそれをスマートフォン(スマホ)やタブレットなどのガジェットを使ってその場で手軽に購入できるようにもなりました。

もうご存じない人も増えていそうですが、新聞や『会社四季報』などで金融商品を探し、電話で売買の依頼をしていた時代から考えると、現代ではかなり投資が身近な存在になったといえるでしょう。

つまり、決して大袈裟ではなく、時代の流れによって得た利便性の大幅な向上によって、多くの人が富を獲得することに成功していると考えられるのです。

普通に暮らす富裕層も、「教育」には惜しみなく投資

富裕層には「普通の人」が多いと前節でお話ししましたが、もうひとつ富裕層に多く見られる特徴があります。それは「お金を大事にしている人が多い」という点です。

とかく「お金持ちはケチ」などという言われ方をされることがありますが、それは大きな勘違いだと思います。ケチなのではなく、無駄遣いをしないという言い方が正しいでしょう。

前記したように、私が知る富裕層は、子どもの教育にはお金をかけるなど、必要なものには惜しみなく投資をするものの、余計な買いものはしないという人がとても多いです。

さらに、買いもので得られるポイントやマイレージなどはしっかりと貯め、上手に活用している側面もあるなど、財テクのみならず消費においてもしっかりしているという特徴を持っています。

ただし、これは私の主観であり、概念的な認識なのかもしれません。とはいえ、投資で財を成した富裕層の多くが「あること」に対しては惜しみなくお金を使うのは事実であり、だからこそ富裕層まで上り詰めることに成功しているのは疑いようがありません。

その「あること」とは何でしょうか? 前項でも少し触れましたが、「教育・学習」にほかなりません。

投資で成功するためには、学びが必須です。何事も“ビギナーズラック”は所詮一度きりの「まぐれ当たり」であり、投資の世界においても例外ではありません。しっかりとした知識があり、失敗を正面から受け止めて得た確固たる技術があってこそ、利益を生むことができるのです。

多くの富裕層は、お金をかけてそれらを学び、富裕層になってからも学び続けています。市況のチェックから世界情勢の把握、さらには政治の動きについても貪欲に情報を得るなど、その範囲と量に際限はありません。

富裕層になっても投資スクールへ通おうという人は少ないかもしれませんが、ビギナーの頃は投資スクールに通ったり、セミナーに参加したり、実用書の購入などに惜しみなくお金を使っていたのは間違いないでしょう。もちろん、富裕層と呼ばれるすべての人がそうだとは断言できません。

市川 雄一郎

GFS(グローバルファイナンシャルスクール)校長投資教育家/CFP®