『惡の華』で仲村佐和を演じるあの ©「惡の華」製作委員会2026 ©押見修造/講談社

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 鬼才漫画家・押見修造の代表作として知られるマンガ『惡の華』が、実写ドラマ化されることが決定。2026年4月からテレビ東京で放送され、ディズニープラスにて見放題独占配信も実施される。また主人公の春日役には鈴木福、仲村役にはあのが抜擢されている。

参考:鈴木福×あので『惡の華』ドラマ化 2026年4月よりテレ東で放送&ディズニープラスで配信へ

 同作はTVアニメや実写映画など、さまざまなメディアミックスを経てきた作品だが、今回の映像化ではどのような化学反応が起こるのだろうか。とくにキャスト陣に注目して、見どころを紹介していきたい。

 『惡の華』は2009年から2014年にかけて『別冊少年マガジン』(講談社)で連載されたマンガで、少年少女の生々しい自意識を表現したストーリーと、衝撃的な展開の連続によって人気を博した。

 主人公の春日高男はボードレールの詩集『惡の華』を愛読し、自分は周囲とは違う特別な存在だと思い込もうとしている中学2年生。ある日、片想いしていた女子・佐伯奈々子の体操着を衝動的に盗んでしまったところをクラスメイトの仲村佐和に目撃され、平穏な日々が失われていく。

 同作の魅力は、思春期ならではの葛藤を容赦ない生々しさで描いていることにある。春日は早熟な文学少年として強い自意識を抱いているが、その裏には即物的な肉欲がにじみ出ているという人物像だ。仲村との関わりを通じて、その本性が赤裸々に描かれていくことになる。

 また、仲村の強烈なキャラクター性も大きな見どころ。教師に対して「クソムシ」と言い放つような問題児で、春日にも「ズブズブのど変態」などと暴言を浴びせて自分の命令に従わせようとする。その胸中には自意識の葛藤があり、世界にいら立ち、めちゃくちゃにしたいという想いから、春日を“悪”の共犯関係に巻き込んでいくのだった。

 これまでのメディアミックスでは、そんな2人の姿がさまざまな形で表現されてきた。とくにここで注目したいのは、春日役に伊藤健太郎、仲村役に玉城ティナを抜擢した2019年公開の映画版だ。同作は思春期の感情表現に定評のある岡田麿里が脚本を担当しており、玉城が体当たりの演技によって仲村の狂気を表現しているところを堪能できる。作品のテーマ的にも、春日が仲村の狂気に魅入られていくことが重要なので、映像化として1つの正解を導き出したと言ってもいいだろう。

 その一方で映画版は、玉城の振る舞いも相まって、2人の暴走が“美しいもの”であるかのように映ってしまう面があった。その意味では、あのが仲村役を演じるドラマ版のほうは、原作にあった「直視できないほどにどろどろで生々しい感情の暴発」をより上手く再現するポテンシャルを秘めているのではないだろうか。

 さらに言ってしまえば、取り繕わずに社会や他人とぶつかってきたあのの生き様そのものが、仲村と近い部分があるようにも思われる。たんなる役柄という以上にシンクロした演技を見せてくれるかもしれないので、実際に作品が公開される日を楽しみに待ちたい。(文=キットゥン希美)