大の里にすくい投げで敗れた照ノ富士(C)日刊ゲンダイ

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 横綱、大関、関脇の上位陣が揃って全滅したのが、12日に初日を迎えた大相撲5月場所だ。

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 大関陣のトップバッターとなった霧島(28)は、豪ノ山に立ち合いから圧倒され、押し出しで敗れると、貴景勝(27)も138キロと小柄な平戸海の下からの攻めに抵抗できず、こちらもあっけなく押し出された。

 琴ノ若から改名した琴桜(26)は、埼玉栄の先輩である大栄翔の突き押しに対し、中途半端な突っ張りで抵抗するしかなく、押し出されて黒星。最後の砦となった豊昇龍(24)も熱海富士に下手投げを打ったが、まわしから手が外れて不発に終わり、上手投げで土俵を割った。

 大関同様にふがいなかったのは結びの横綱照ノ富士(32)。新入幕から2場所連続で優勝争いを繰り広げた新進気鋭の小結大の里(23)のすくい投げにあっけなく転がされた。

 この日は関脇の阿炎と若元春にも土がついた。関脇以上の全力士が負けるのは2019年11月場所2日目以来5年ぶり。5人以上の横綱と大関が初日に揃って敗れるのは昭和以降初の大惨事だ。

 高田川審判部長(元関脇安芸乃島)は「まさか横綱、大関の5人がすべて負けるとは思わなかった」とした上で、「(上位陣には)そんな簡単な相手は当ててませんから。相手がいい相撲を取った。立て直してくれると思っている。まだ初日ですから」とフォローしたものの、大相撲の看板たる横綱と大関が揃いも揃って格下相手にやられるなど情けないにも程がある。

 角界OBは「番付上位が下位に負けるのがいわゆる『番狂わせ』だが……」と、こう続ける。

「横綱、大関の実力や現状を考慮すれば、この日の結果は驚くに値しない。むしろ、順当とさえ思える。照ノ富士は満身創痍の上、場所前は左脇腹を痛めて満足に稽古もできなかった。ぶっつけ本番で勝てるほど大の里は甘くない。貴景勝も首にバクダンを抱えており、以前ほどの押しの強さはない。カド番の霧島は5勝10敗と大崩れした先場所から立ち直れていないのか、立ち合いが中途半端。琴桜はもっと、まわしを取るための工夫をすべきでしょう。豊昇龍は安易な投げで墓穴を掘った。つまり、いつもの悪癖が出た格好です」

 先場所も尊富士が110年ぶりの新入幕優勝を果たしたように、今の土俵は番付上位と下位の実力差はほとんどないに等しい。下位の力士が上位勢をナメてかかっていると言っても過言ではない。歴史的な惨事は起こるべくして起きた。