「何の忖度?」ただでさえ映画ファンからは不評な日本アカデミー賞が例年以上に炎上した理由

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《今年の日本アカデミー賞、クソだな》《何の忖度?》……。

3月8日に開催され、日本テレビで中継された第47回日本アカデミー賞。その結果が映画ファンの間で大炎上している。最たる理由は、10年ぶりの快挙となった安藤サクラ(38)の最優秀主演女優賞と最優秀助演女優賞のダブル受賞だ。

ネット上には上記の他にも、次のような内容のコメントが多く飛び交っていた。

《日本アカはダブル受賞好きだよね。最初からそのために安藤サクラ、両方でノミネートしているように見える》

安藤サクラは嫌いじゃないが、今年の最優秀は誰が見ても杉咲花でしょう》

《日本アカデミー、偏りすぎ。ダブルはさすがにないよ……》

《チョイ役で最優秀賞? おかしいのでは? 安藤さんももらってピンときてない感じ》

これは一体どういうことなのか? ドラマ・映画事情に詳しいライターに話を聞いた。

「炎上の理由は、安藤の演じた役どころが、ダブルで最優秀賞をもらうにはあまりにも微妙だったからです。最優秀助演女優賞の『ゴジラ‐1.0』はともかく、最優秀主演女優賞の『怪物』については、安藤と永山瑛太、そして2人の子役たちと、実質4人主演状態。『なぜこの作品で……』と、芸能関係者たちからも疑問を呈する声が多く聞こえてきています」(インタビューライター)

そもそも日本アカデミー賞に関しては、その受賞結果に対して映画ファンから疑問の声があがることがすでに年中行事のようになっている。

「まあ毎年のことですが、日本アカデミー賞に関しては、ノミネートの段階から『なぜこの人が?』という声が噴出します。映画に出演すれば必ずノミネートされる大物俳優、名前だけで受賞する大手事務所の俳優など。どちらの作品でも安藤サクラさんの演技力の高さは誰しも認めるところですが、ダブル受賞には違和感がありました。その違和感は当の本人が一番感じていたのではないでしょうか。戸惑ったような受賞スピーチをしていたのが印象的でした」(映画配給会社社員)

映画ファンからも、芸能関係者からも、安藤の演技力自体を否定する声はほとんど聞かれない。なのになぜダブル受賞に対しては、これほど強い疑いの目が向けられているのか……。

「いろんな説が飛び交っています。W受賞という話題性を作りたかった出来レース説。『有名二世俳優だから』という忖度説。海外で賞をとった『怪物』の出演者に賞をあげておけば安心、という海外追随説。極めつけは、日本アカデミー賞をテレビ中継しているのが日本テレビで、安藤といえば昨年日テレで主演を務めた『ブラッシュアップライフ』が大いに好評を博した。その功労賞だという説もあります。

たしかに調べてみると、安藤以外はほとんどの女優が、近年は他局ばかりで主演を務めているんですよね(笑)。もちろん真相は分かりませんが……」(芸能記者)

日本アカデミー賞には誰もが納得する授賞がもとめられている。

取材・文:奈々子
愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター