かつてMozillaが開発に着手し、その後、Linux Foundationに移管されていたHTMLレンダリングエンジン「Servo」が、外部からの資金を得て、2023年は1000件以上のプルリクエストがあった順調な年だったことを報告しています。

Servo, the embeddable, independent, memory-safe, modular, parallel web rendering engine

https://servo.org/



This year in Servo: over 1000 pull requests and beyond - Servo, the embeddable, independent, memory-safe, modular, parallel web rendering engine

https://servo.org/blog/2023/12/18/this-year-in-servo/

ブラウザ用のレンダリングエンジンには、Google ChromeやMicrosoft Edgeが使用している「Blink」やMozilla Firefoxが使用している「Gecko」、Safariが使用している「WebKit」などがあります。

「Servo」は2013年にMozillaが発表したRust製のレンダリングエンジンで、当時はAndroidやARM端末向けのレンダリングエンジンとしてSamsungと提携して開発が進められていました。

Googleが新レンダリングエンジン「Blink」発表、Mozillaはモバイル向けエンジン「Servo」発表 - GIGAZINE



By Steven Laurie

Mozillaは2017年にServoの成果を取り入れたFirefox Quantumをリリース。しかし、その後はServoの開発に目立った動きは見られず、2020年11月にはMozillaの財政難などの事情により、プロジェクトがLinux Foundationへと引き継がれました。なお、2023年からは Linux Foundation Europeが担当しています。

Mozillaが開発するレンダリングエンジン「Servo」をLinux Foundationが引き継ぐことに - GIGAZINE



これまでServoについてはあまり大きな動きはみられず、音沙汰がないような状態が長らく続いていましたが、Servoによると2023年は新たな外部資金を得られたことによって、開発者チームが積極的にServoに取り組める状況が生まれたとのこと。

Servo to Advance in 2023 - Servo, the embeddable, independent, memory-safe, modular, parallel web rendering engine

https://servo.org/blog/2023/01/16/servo-2023/

Servoのコントリビューターは2022年の22人から140%増の53人で、プルリクエスト数は昨年比382%増の1037、コミット数は昨年比375%増の2485になりました。

貢献の半分はブラウザ開発協力企業・Igaliaによるものですが、人間によるプルリクエストのうち30%はIgalia以外の人々によるもの、18%はレビュアー以外によるものだったとのこと。

ボットも含めたプルリクエスト数の割合を示したグラフは以下。



ロードマップはこんな感じ。



2024年は大きな柱として「プロジェクトのメンテナンスとサポート」「CSSサポート」「埋め込みAPI定義」「Androidの初期サポート」の4つが据えられており、Android向けのナイトリー版APKをservo.orgで公開予定だとのことです。

Roadmap · servo/servo Wiki · GitHub

https://github.com/servo/servo/wiki/Roadmap/106e95887c3d9768f791a4e0501ba5c89abe9636

なお、Windows向けの実行ファイルが公開されていますが、2023年12月14日公開版はまだ画像やスクリプトの読み込みなどに難があり、常用するブラウザにするのは難しそうでした。