基本の大切さを示すハッチバック ホンダ・シビック(2) 長期テスト 感動を覚える運転体験
積算7634km 感動を覚えるほどの運転体験
新しいホンダ・シビックは、自動車業界の未来を指し示すような革新的な存在ではないかもしれない。だとしても、素晴らしいドライビング体験を与えてくれる。今回の結論からいってしまうと、11代目シビックの走りには感動を覚える。
【画像】基本の大切さを示すハッチバック ホンダ・シビック 新型タイプRとNSX タイプSも 全87枚
センターコンソール上のシフトセレクター・ボタンの隣りにある小さなスイッチで、ドライブモードを選べる。エコ、ノーマル、インディビジュアル、スポーツという4モードが用意されている。

ホンダ・シビック 2.0 i-MMD e:HEV アドバンス(英国仕様)
その項目はありきたりかもしれない。だが、スポーツ・モードでの運転は本当に楽しい。
印象的なほどグリップに優れ、手のひらには余り感触が伝わってこないものの、ステアリングは正確。そして何より、ボディロールを最小限に抑えつつ、しなやかさも保たれたサスペンションの制御が秀逸だ。
筆者の毎日の通勤ルートには、路面がうねった区間があり、モデルによってはボディがバウンドすることもある。新しいシビックは見事にそれを受け流し、タイヤは路面を掴み続ける。鋭い衝撃が伝わることもない。
スポーティだと主張されるモデルは多いが、サスペンションの詰めが不十分な場合、特にリアシートに座っている子どもは激しく上下に揺さぶられてしまう。もっとも、彼らとしてはアトラクションのようで、揺れるのも楽しいらしいが。
シビックの流暢な処理には拍子抜けらしい。スピードを上げて欲しいと、子どもに頼まれてしまうほど。
スポーツ・モードでツーリングカー気分
スポーツ・モードへ切り替えると、メーター用モニターの表示がレッドに変わり、アクセルペダル操作への反応が鋭くなる。4気筒ガソリンエンジンのサウンドは、明らかに威勢を増す。ツーリングカー選手権のドライバー気分を味わえる。
ひと昔前の、活気のあったホンダを彷彿とさせるヒントもある。気持ちも吸い込まれそうな高回転域への吹け上がりはないものの、ハリのあるエッジの効いたノイズが気持ちいい。4気筒エンジン特有の、こもった響きはない。古いCVTのような不一致感もない。

ホンダ・シビック 2.0 i-MMD e:HEV アドバンス(英国仕様)
さらにこのモードでは、ワインディングロード・ディテクションという新機能も有効になる。道路状況に応じてパワートレインが最適な状態に保たれ、エンジンは基本的に稼働状態になる。加減速の反応も鋭くなる。
新しいシビックは先代より車重が増えているが、それでも1517kgと現代のクルマとしては軽い部類に入る。長期テスト車両の場合でも1533kgに留めている。
動的能力と重量増加は相容れないものだが、ホンダは軽量化に努め、影響を最小限に留めた。ボンネットは従来品より43%も軽いアルミ製だし、テールゲートは樹脂製を採用している。電動化技術の時代でも、少しでも軽い方が良いことは間違いない。
基本の大切さを指し示している
これまでホンダ・シビックと過ごしてきた印象は、非常に良い。それが、日常的な使いやすさにも結びついていると思う。使い手を戸惑わせることはないし、気になる弱点も殆どない。
小さな気配りも効いている。例えばシートヒーター。前回運転した状態を記憶し、翌朝の寒い朝でも自動的にオンになり、身体を優しく温めてくれる。

ホンダ・シビック 2.0 i-MMD e:HEV アドバンス(英国仕様)
ドライバーが望むことを、至って自然に叶えてくれる。成熟したクラスに属するホンダのハッチバックは、改めて基本の大切さを指し示しているように感じる。
積算8503km 横展開のパーセルシェルフ
ホンダ・シビックのラゲッジスペースを隠す、パーセルシェルフはちょっとした発明品だと思う。なぜ今まで、誰も考えつかなかったのだろう。
コンパクトで左右に収納することができ、リアシートを倒して荷室を最大限に広げたい場面でも、わざわざユニットごと外す必要がない。シンプルなことかもしれないが、見事に機能するアイテムだ。

ホンダ・シビック 2.0 i-MMD e:HEV アドバンス(英国仕様)
積算8537km 静かなハイブリッド走行
最近わたしが学んだこと。子どもはもっと信用してあげていい。
筆者の息子が試乗した、ファイアフライ・スポーツのレポートをお読みいただいた方もいらっしゃると思う。とても誇らしげに、赤いスポーツカーを運転していた。

レッドのファイアフライ・スポーツと、ブルーのホンダ・シビック 2.0 i-MMD e:HEV アドバンス、それに乗る筆者と息子
手前味噌ながら感心したのが、走行中の撮影でも、動きを指示する必要が最小限で済んだことだった。筆者はシビックで一緒に追走していたが、静かなハイブリッド走行のおかげで、息子はカメラマンのお願いも良く聞こえていたようだ。
テストデータ気に入っているトコロ
快適なシート:マイクロカーのシトロエン・アミで丸1日過ごした後、シビックのシートに腰を下ろしたら、その快適さに驚いてしまった。
気に入らないトコロ
斜め後ろの姿:筆者としては、斜め後ろから見た姿に締りがないように感じる。スタイリッシュな18インチホイールを履いていても、Cピラーの余分な太さを隠すことはできない。
テスト車について
モデル名:ホンダ・シビック 2.0 i-MMD e:HEV アドバンス(英国仕様)
新車価格:3万2995ポンド(約527万円)
テスト車の価格:3万3820ポンド(約541万円)
テストの記録
燃費:18.8km/L
故障:なし
出費:なし
