【セダンとクーペの違い】4ドアクーペやSUVクーペとは?2ドアセダンはある?
セダンとクーペの違いを、意味や定義、メリット・デメリットを紹介しながら解説します。それぞれの代表車種や「4ドアクーペ」の定義、2ドアセダンってあるの?という疑問にもお答えします。
セダンとクーペの定義まとめ
- 例 特徴 メリット デメリット セダン
・3BOX・4ドア ・居住性
・ボディ剛性
・衝突安全性 ・シートアレンジ
・小回り
・積載性 クーペ
・3BOX・多くは2ドア ・デザイン
・操縦性
・ステータス ・乗員数
・居住性
・積載性
セダンとは(意味・定義・歴史)
セダンとは「ボンネット」「キャビン」「トランク」が独立している、ノッチバック型(3ボックス)の乗用車です。現代では2列の座席横に独立したドアがある「4ドア セダン」が主流となっています。
その他にも、ボディがコンパクトにまとめられている「コンパクト セダン」、スポーツーカー並みのパワートレインを搭載した「スポーツセダン」、後部座席の快適さを追求した「高級(コンフォート)セダン」など、さまざまなセダンが自動車メーカーから発売されています。
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セダンの語源はラテン語で「腰掛ける」を意味する「sedeo」「sedo」 からきた言葉です。17世紀頃の南イタリアにて「セダンチェア(sedan chair)」という、人が箱型の乗り物を運ぶ乗り物がありました。写真を見ると、日本で言えば江戸時代までよく使われた「駕籠(かご)」に似ていますね。
■セダンとサルーンとの違い
「サルーン」とはセダンと同じ、キャビンに2列の座席があり4人以上が座れる箱型の車のことを表す言葉です。
「セダン」は米国、「サルーン」は英国の呼び方です。箱型車の呼び方は以下のように国によって異なるため、自動車業界では「セダン」「サルーン」どちらの名称も使用されます。
ドイツ:「リムジーネ」 フランス:「ベルリーヌ」 イタリア:「ベルリーナ」「クワトロポルテ」日本のJISや自動車技術会においては基本的に「サルーン」と呼びますが「セダンともいう」と添えられています。
また、日本においては英国高級車のサルーンをイメージして大型高級セダンに「サルーン」と名づけた時期があるため、「セダン」より「サルーン」の方がより高級感のあるイメージもあるようです。
セダンのメリットとデメリット
■メリット
居住性 ・広いキャビン・静粛性能に優れる
・乗降しやすい 走行性能 ・ボディ剛性が高い
・重心が低い リスク回避 ・前後の衝突時にキャビンが保護される
・トランクを覗かれない
メリットを「居住性」「走行性能」「リスク回避」としてまとめました。
トランクを覗かれないというメリットは、トランクが外部から確認できないことによって荷物の盗難を防ぐことができる点であり、SUVや1BOX車にはない特徴です。
■デメリット
ユーティリティ ・レジャーには向いていない・シートアレンジができない
・乗車したまま荷物へのアクセスが不便 走行性能 ・小回りが苦手 積載物・積載量 ・長物の積載に向いていない
・FRの場合トランクの高さ、形が制限される
セダンのデメリットはシートアレンジができないことが挙げられます。小さな子供がいる家族には不便に感じるかもしれません。アウトドアにはSUV・1BOX車の方が利便性が高いといえるでしょう。
また、足代わりにチョイ乗りといった感じで車を利用するのであれば、小回りがきいて燃費もよいコンパクトカーの方が向いているといえます。
セダンの主要車種
■トヨタ クラウン
「クラウン」は日本を代表する高級セダンの1台であり、1983年のCMでは「いつかはクラウン」というキャッチコピーが話題を呼びました。
現行モデルは2018年に発売された15代目。 グレード構成も見直され「アスリート/ロイヤル/マジェスタ」といった聞き慣れたシリーズが廃止されました。
新時代の自動車・コネクテッドカーとして、車載通信機DCMを全車標準搭載。さらに、新プラットフォーム「TNGA」を採用し、3タイプのエンジンをラインナップするなど、車としての基本性能である「走る・曲がる・止まる」の機能が向上しています。
■ホンダ クラリティPHEV
ホンダ クラリティ PHEVは「次世代のプラグイン ハイブリッド」として、2018年7月20に一般顧客向けとして販売を開始しました。プラグインハイブリッド車として、国内トップレベルのEV走行距離を達成しています。
このほかクラリティシリーズには PHEVの他に官公庁・企業向けにリース販売されている、燃料電池車(FCV)の「クラリティ フューエル セル(CLARITY FUEL CELL)」があります。
■マツダ6(MAZDA 6)
かつては「アテンザ」の名前で国内販売されていたモデル。「MAZDA6」は海外での販売名でしたが、2019年の一部改良にあたり日本国内向け販売名もマツダ6へと統一されました。
一部改良により、エンジンラインナップのSKYACTIV-G、SKYACTIV-Dに、ガソリンターボである「SKYACTIV-G 2.5T」が追加。さらに、マツダの最新鋭車両統合制御技術「G-ベクタリング コントロール」の改良版が標準装備となりました。
■日産 スカイライン
スカイラインの名前がつく車の歴史は長く、誕生はプリンス自動車(当時は富士精密工業)時代の1957年。「ハコスカ」の愛称で親しまれた名車も排出するなど知名度・人気が高く、これまでクーペやハッチバックなどのボディタイプでも登場しました。
現在の13代目スカイラインは4ドアセダンのみ。V6ハイブリッドとV6ターボモデルを基幹とし、さらに最大出力405PSのハイスペックV6モデル「400R」もラインナップしています。
ちなみに、11代目から国外用ブランド「インフィニティ」モデルとしても海外で販売されており、国内で販売されるスカイラインにもインフィニティのエンブレムが付いていたこともありました。
2013年から発売されている13代目は、2019年のビッグマイナーチェンジにより、日産のエンブレムに回帰。国産車として初めて、高速道路の同一車線内ハンズオフ(手放し)運転を可能にした「プロパイロット2.0」を搭載したことでも話題になりました。
■スバル インプレッサG4
スバル インプレッサG4
インプレッサの4ドアセダンタイプに「G4」の名前が付いたのは、4代目(2011年)から。それ以降、ハッチバックと並行して販売されています。
現行のG4は5代目。2019年に大幅な年次改良が行われ、「アイサイト・ツーリングアシスト」が全車に標準装備となりました。
結局、セダンとクーペの違いは?
一般的なセダンとクーペの違いは、ドアの数です。ボンネット・キャピン・トランクが明確に分かれた3ボックスタイプの場合、4ドアであればセダン、2ドアであればクーペと区別できます。
しかし、クーペの中でも「4ドアクーペ」「SUVクーペ(ドアの枚数は不問)」といいたモデルが登場したことから、ドアの数だけでは一概に定義できなくなってきています。
近年人気のセダンは流れるようなルーフラインのデザインが特徴ですし、4ドアでも前後のピラーを強く傾斜させ、車高を低く抑え、流れるようなルーフラインをもつ車であれば、「4ドアクーペ」と称される場合もあります。
そのため、「(4ドア)セダン」と「4ドアクーペ」境界は曖昧です。4ドアでも、優れた走行性能や流麗なデザインを重視し、あえて「クーペ」と名付けることで、通常のセダンやSUVと区別することもあるようです。
「セダン」「4ドアクーペ」の厳密かつ客観的な判断基準はなく、車を作る・売る側であるメーカーやブランドの判断によるといえるでしょう。
【上級者向け】4ドアクーペとは?
■厳密な定義は無い?
「4ドアクーペ」とは4ドアセダンの車高を低めにして、前後のピラー(窓柱)を寝かした車種のことをいいます。厳密な定義は無く、2000年代以降に登場したクーペ風デザインの「4ドアセダン」のことを「4ドアクーペ」と呼ぶようになっただけなのです。
ですから、全部まとめて「4ドアセダン」と呼んでも何も問題は無いのですが、各メーカーは「4ドアクーペ」と呼んで区別しています。「4ドアセダン」は実用性重視、「4ドアクーペ」はデザイン性重視といった感覚でしょうか。
■4ドアクーペの代表はメルセデス・ベンツ CLS
出典:wikimedia.org Author:Jagvar パブリック・ドメイン
4ドアクーペの代表車種といえば、メルセデス・ベンツのCLSクラスです。
2005年に発売されたこの車は4ドアクーペの先駆けともいえる存在であり、BMW「6シリーズグランクーペ」やポルシェ「パナメーラ」、アウディ「A7」といった多くの追従モデルを生みました。
初代モデルは世界最速の4ドア車「BRABUS CLS-V12S ROCKET」のベース車両にもなっており、V12ツインターボエンジンを搭載して最高速度365.71km/hに達し、ギネスブックにも登録されています。
【上級者向け】2ドアセダンとは?
■今はもう無い幻の車?
実は「2ドアセダン」を名乗る車種は現行モデルでは存在しません。かつてはトヨタの4代目「カローラ」やダットサンの3代目「ブルーバード」などに「2ドアセダン」が設定されていましたが、使い勝手が悪いので需要が激減し、1980年代を境にほぼ消滅してしまいました。
そして当時2ドアセダンと呼ばれていたような車は、現在の基準、分類名では「2ドアクーペ(=クーペ)」か「3ドアハッチバック」に分類されています。
■2ドアセダンの代表はトヨタ カローラ
・4代目 トヨタ カローラ 2ドアセダン
トヨタの代表車種にして大衆車の代表選手ともいえるカローラには、80年代に販売されていた4代目まで2ドアセダンが設定されていました。
4ドアセダンと共に主力として販売されていましたが、時代の流れには逆らえず、4代目のセダンタイプが1983年に生産終了されたタイミングで、国産2ドアセダンもその姿を消したのです。4代目カローラの2ドアセダンは、国産最後の2ドアセダンとなりました。
【上級者向け】SUVクーペとは?
■機能よりもスタイリング優先のSUV
荷室容積や室内空間といったSUVの利便性を犠牲にしても、後部ピラーを傾斜させてスポーツカーのようなルーフラインに仕上げたのが「SUVクーペ」です。
「4ドアクーペ」と同じく「SUVクーペ」にも厳密な定義はなく、その区別はあくまでメーカーに委ねられるため、「SUVクーペ」とはSUVにおけるボディデザインの違いや派生モデルの一種といえます。
■SUVクーペの代表はホンダ ヴェゼル
・初代 ホンダ ヴェゼル
世界に先駆けてクーペとSUVのスタイルをミックスさせたのは2008年に販売されたBMW X6ではあるものの、SUVクーペの代表と呼ぶにふさわしいのは、2013年に登場して大人気を博した初代ホンダ ヴェゼルといえるでしょう。
初代ヴェゼルは2020年までに世界累計で約327万台を売上げ、SUVクーペの存在を世に広めました。
トヨタ C-HRやメルセデス・ベンツ GLCクーペが登場したのはヴェゼルの登場からずいぶん遅れた2016年。現在ではポルシェやランボルギーニまでがSUVクーペを販売しており、スポーティなSUVの定番スタイルにもなっています。
【まとめ】中間を埋めるボディタイプで、多様なニーズに応える
セダンやクーペといった名前の定義は、メーカーのコンセプトや呼び名、個人の主観で決まったりと曖昧な部分も多いので、車を選ぶ際にはあまり気にしなくても問題ありません。
現在ではコンパクトカー・ミニバンといった実用向きの車の人気が高まっているため、趣味車・ステータスカーとしての一面も強いセダンやクーペの販売台数は、多いとは言えません。
しかし一方で、ニーズが多様化したことで、セダンとクーペの間を埋めるデザイン・スタイルの3BOXカーや、クーペらしさを持ったSUVといった、新たなモデルも生まれています。
これにより、従来のセダンやクーペのオーナーの選択肢を増やすだけでなく、従来のセダンやクーペのスタイルに興味がなかった層の獲得も期待できるでしょう。
