浦和「10番」助っ人の系譜 得点量産のモーベルグが貫く「枠に飛ばせば何かが起こる」信念
得点ランク首位まで2ゴール差の5位に浮上
浦和レッズの元スウェーデン代表MFダヴィド・モーベルグは、8月13日に行われたJ1リーグ第25節ジュビロ磐田戦(6-0)で2ゴールの活躍。
通算8ゴールとして得点ランキング5位に浮上したレフティーは、「5試合連続で出場できれば、必ずゴールできる」と自信を見せた。
そのモーベルグは前半5分、FW小泉佳穂が自陣でパスカットしたところから左サイドをドリブルで駆け上がっている間に、逆サイドを全力疾走。小泉からサイドチェンジ気味のラストパスを受けると雨に濡れた滑りやすいピッチでもファーストタッチをピタリと決め、逆サイドのサイドネットにボールを置くような正確なシュートで先制ゴールを奪った。
さらに前半40分、浦和が2-0とリードを広げていたなかで右サイドで迎えたチャンスに、利き足とは逆になる縦方向へ鋭く突破。ゴール前へふわりと上げたボールはそのまま相手GKの頭上を越え、ゴールポストに当たってゴール内へ吸い込まれた。多くの人がクロスがズレたものがそのままゴールインしたと思いがちな場面だったが、モーベルグは明確にシュートを狙ったと明かしている。
「チップキックで狙った。数式がすべて見えていたから。それは冗談だけど、角度があまりなかったので『チップキックで蹴ったらどうなるか』というイメージで。スーパーシュートだと思う」
モーベルグは前半のみで交代となり、8月19日からのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区決勝トーナメントに備える形になった。それでも、この日の2ゴールでリーグ戦の通算は8ゴールに伸びて10ゴールでトップのFW上田綺世(元鹿島アントラーズ/現セルクル・ブルージュ)、FWレオ・セアラ(横浜F・マリノス)を追いかける位置まで浮上した。
「自分が質の高い選手だと信じて、努力を続けて結果につなげたい」
モーベルグは昨季までチェコ1部の名門スパルタ・プラハでプレーし、スウェーデン代表としても3試合の出場経験を持つ。浦和にとって今季補強の目玉だったが、新型コロナウイルスの影響による入国制限でデビューは3月19日の第5節磐田戦。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)にも出場した浦和にとってはリーグ戦7試合目で、遅れてやってきた新戦力だった。
そうした状況もあり、決して全試合フル出場が日常というシーズンの過ごし方をしていない。それでも、1点目が象徴するようにチャンスでゴールの枠を外してしまうようなことのないシュートのコントロール力は群を抜き、それによってゴール数も伸びている。そこには、「枠に飛ばせば何かが起こる」という信念があるという。
「もしかしたらGKが素晴らしいセーブをするかもしれないですが、枠に飛ばせばGKは何か行動を起こさなければならないので、枠にしっかりと入れよういう意識でシュートする。5試合連続で出場できれば、必ずゴールできる。自分から湧く自信もあれば、周りのチームメートやコーチングスタッフからもらえる自信もある。周りのサポートと出場時間を与えられれば、このような結果につながってくる。自分が質の高い選手だと信じて、努力を続けて結果につなげたい」
過去、浦和の外国籍「10番」では、西ドイツ代表(当時)として優勝経験のあるMFウーベ・バインから、快速FWエメルソン、J1歴代でも屈指のトップ下MFロブソン・ポンテといったレジェンド級の選手がいる。左足から正確なクロスとシュートを放ってチームのゴールを生み出すモーベルグもまた、その域に近づいていく可能性を見せ始めている。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)
