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LXは究極のオフロード車

レクサス「LX600」を国内で試乗した。

【画像】オフロードでも使える【LXとランドクルーザーを比較】 全195枚

試乗では、もちろん乗り味やハンドリング、車内での各種操作の使い勝手など、いろいろ試したのだが、それと同時に「日本ではこうやって使うが、ところ変われば、LXはよりハードな使用場面があるな」という思いも抱いた。


レクサスLX600オフロード    宮澤佳久

国や地域によって、実際にどんな使われ方をしているのかをご紹介したい。

その前に、まずはレクサスのおけるLXの立ち位置を確認しておきたい。

レクサスの最新ラインナップは、セダン(IS/ES/LS)、クーペ(RC/RCF/LC)、ハッチバック(CT/UX/UX 300e)、SUV(UX/UX 300e/NX/RX/LX)と分類されている。

これに、高級ヨットのLY650が加わり、レクサスブランド全体を構築する。

価格でいえば、最高値はLY650でベースモデルが4億円超、先日も横浜ベイサイドマリーナで実船を視察したフルオプション仕様が6億円超えという超プレミアムな世界感だ。

乗用車での高額車は、LCが5.0L V8搭載車が1327万円から、3.5L V6ハイブリッドのLC500hが1377万円から、そしてLC500コンバーチブルが1477万円だ。

SUVの最高額車がLX600で、5人乗りと7人乗りのベースグレードが1250万円、最上級の4人のりエグゼクティブが1800万円。

そして先日試乗した、日本市場専用車のオフロードが5人乗り、7人乗りそれぞれ1290万円である。

巨漢のわりに賢い動き

LX600オフロードは、外観ではフロントのスピンドルグリルに黒光輝塗装を施し、フロントフォグランプのベゼルに漆黒メッキ、ウインドウモールに専用ブラックステンレス、そしてドアハンドルにも専用ブラック色を用いた。

タイヤはベースモデルの20インチ、エグゼクティブの22インチなのに対してオフロード走破性を重視した18インチを履き、マットグレー塗装の専用アルミホイールを装着する。


レクサスLX600オフロード    宮澤佳久

ボディ寸法は、全長5100mm×全幅1990mm×全高1885mm、ホイールベースは2850mm。さすがに、都内の一般道路ではかなり大きなクルマというイメージだ。

しかし、想像していたよりは取りまわしがしやすい。

先代モデルの油圧式から変更されたEPS(電動パワーステアリング)の効果がしっかり出ている。

また、そもそも車体も本格的クロカン対応のラダーフレームに、レクサスとして初めてGA-Fプラットフォームを採用したことで、クルマ全体の動きの一体感が増しているのが分かる。

都内から横浜方面の高速道路を行くと、3.5L V6ツインターボ(最大出力415ps/最大トルク66.3kg-m)はもとより、10速ATでダイレクトなフィーリングを実現したシフト制御が心地良い。

車重は、オプション設定により若干差があるが、カタログ値で2540-2600kgという巨漢に対して、豪快な加速というより、クルマ全体の動きが実に賢く感じる。

アメリカでは牽引性能が大事

じっくり走った感想は、究極のオフロード車であるにも関わらず、オンロードでの走りの質感が先代と比べて一気に上がったというもの。

レクサスが新型NXからブランド再構築の大黒柱として掲げている「レクサス・ドライビング・シグネチャー」という発想が、LX600オフロードでもしっかり具現化されている。


レクサスの主要市場であるアメリカでは、高級なトーイングマシンとして活躍    レクサス

言い方を少し変えると、ドライビングモードで「スポーツ+」と「ノーマル」や「エコ」との設定差で感じる、走りの幅の広さによって、究極のオフロードからオンロードの快適性までの振れ幅が絶妙にバランスされている。

とはいっても、LX600を日本では、オフロードでハードユースするユーザーは極めて稀だろう。

日本専用仕様のオフロードは、近年日本でトレンドとなっているアウトドアやキャンプなどのライフスタイルに対するファッションアイテムという意味合いが強いと思う。

一方で、海外で先代LXの実用事例を見てみると、レクサスの主要市場であるアメリカでは、高級なトーイングマシンとして活躍している。

トーイングとは牽引を指す。

トーイングの対象は、モーターホーム(キャンピングスペース)よりも、ボートや乗馬用の愛馬を運ぶトレーラーなどが多い印象がある。

こうしたユースケースでのトーイングする路面が、泥地になる可能性は十分あり得る。

中東でLXは高級なラクダ

LXに限らず、アメリカでは大型SUVでのトーイングキャパシティ(牽引性能)がユーザーの購買選択肢の上位に来るのだ。

また、アメリカではSUVや本格クロカンを使ったアドベンチャーを楽しむカルチャーががあるが、こうした領域でLXはあまり登場しない。


中東のラクダレース。随行車としてランドクルーザーやLXは好まれる。    シャッターストック

こちらは、ジープや最近ではフォードブロンコの得意分野となっている。

視点を中東に移すと、トヨタ・ランドクルーザーとLXを、街乗りからハードユースまで幅広く使う富裕層が少なくない。

砂漠など砂丘などでのドライブはもとより、所有するラクダを使ったレースの随行車両として砂漠を疾走するケースもある。

中東の富裕層にとっては、LXは高級なラクダのように、さまざまなシーンで活躍する機能性と実用性を兼ね備えた、生活上の重要アイテムだといえるかもしれない。

そのほかにも、欧州や経済新興国では、LXを普段の足としてハードユースする富裕層もいる。

こうしたLXハードユーザーたちにとって、プラットフォームとパワートレインが刷新され軽量化された新型LXについて、先代モデルとの走りの差を大いに歓迎することなるだろう。

新型LXはグローバルで需要が高く、また直近では半導体不足などの影響もあり、2022年2月18日時点で納期は4年程度という見解をレクサスを示している。