円楽休養『笑点』の鍵握る志の輔 立川流50年の因縁を払拭できるか

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《これから先に大きな目標もあるし、復帰を待ちのぞんでいる大勢のファンもいるわけですから、秋にむけて頑張って欲しいと思います》

2月21日、脳梗塞で入院中の三遊亭円楽(72)に代わって20日放送の『笑点』(日本テレビ)に“代役”出演した春風亭小朝(66)はブログを更新。今夏まで療養休業宣言した円楽へエールを送った。

「脳梗塞の治療は終えたものの、18年から患っている肺がんの経過観察と治療もあり、円楽師匠の所属事務所は少なくても今夏まではリハビリと休養に専念すると発表しました。ご本人も“俺がいなくて『笑点』は大丈夫か”と気にかけているように、番組サイドは療養期間中の善後策を協議しています」(演芸関係者)

13日の放送では桂文珍(73)、20日の放送では冒頭のように小朝が代役を務め、その後の代演者は追って発表されるという。前出の演芸関係者は続ける。

「当面の間は、お茶の間でも人気の師匠方に日替わりで出演をお願いすることになるでしょう。なかでも立川志の輔師匠(68)は本命中の本命。今月2日、27年間司会を務めた人気番組『ガッテン!』(NHK)の最終回視聴率は12.7%(関東地区)でした。視聴率2桁をキープする番組を不祥事以外で打ち切りにすることは民放ではまず考えられません。

実は以前から、番組サイドは志の輔師匠に水面下で『笑点』出演オファーしていたといいます。とはいえ、半世紀にわたる“因縁”があり、まだ実現できていなかったのです」

■談志さん→志の輔→晴の輔 師弟3世代で『笑点』と復縁

その因縁は初代司会者・立川談志さん(享年75)にまで遡る。談志さんは66年から69年まで司会を務めた。

「談志師匠は『笑点』をブラックユーモアや風刺の効いた“大人の笑いの場”にしたいと強く考えていました。大喜利の方向性を巡り、当時のレギュラーメンバーと対立し、結果的に全員が降板することになったのです。談志師匠の後を継いだ2代目司会者の前田武彦さん以降、大喜利は“家族で楽しめる笑い”へと変化していきました。その影響で、談志師匠の降板後、立川流の落語家が『笑点』に出演することはなくなったのです」(前出・演芸関係者)

実はその“禁”を打ち破る重責を果たしたのが志の輔だったのだ。

「奇しくも19年、円楽師匠が脳腫瘍で入院した代役が、志の輔師匠のお弟子さんである晴の輔師匠(49)だったのです。派生番組であるBS日テレ『笑点 特大号』の若手大喜利にも出演していた実力派でした。

師である志の輔師匠のアドバイスを受け、立川流50年ぶりとなる歴史的な大喜利代役抜擢時に、晴の輔師匠は『私は落語立川流という暗黒集団からやって参りました。ブラックな一門と言われていますので、腹黒の席はぴったりだと思います』と堂々と挨拶。会場から割れんばかりの拍手で迎え入れられました」

志の輔は、立川流と『笑点』を半世紀の時を越え結びつけたのだ。制作関係者は言う。

「大喜利メンバーの高齢化に伴い、晴の輔師匠は桂宮治師匠(45)の次のレギュラー候補の呼び声も高い。今回の円楽師匠の療養中に、志の輔師匠が満を持して助っ人として代演していただけることがあれば、こんなに心強いことはありません。現在の司会を務める昇太師匠とは同期の盟友でもあるので、絶妙な掛け合いとなるでしょう」

円楽のいない『笑点』の舞台に志の輔が立つなら、多くの視聴者も『ガッテン!』するはずだ――。