◆IoT社会の進展でも成長が期待される脱炭素関連

 脱炭素は世界的に大きなうねりとなっているが、同時に社会のIoT化・デジタル化が進展している。三浦氏は、「5Gが普及してIoT社会が本格到来すると、通信インフラや様々なデバイスをストレスなく稼動させる上ではエネルギーの消費量が非常に大きくなることが想定されます。こうした中、通信のための電源をクリーンなものにしていくことは、大きな社会課題になっています。利便性を追い求めるだけではなく、環境に配慮する必要があり、IoT社会実現のためにも『脱炭素』はなくてはならない技術領域になると考えます」という。

 加えて、「各国が威信をかけて脱炭素に取り組んではいるものの、平均気温の上昇を1.5度以内に抑えるためには、技術面やインフラ面のピースが足りていない状況です。即ち、今後イノベーションが必要不可欠な領域になってくるといえます」(三浦氏)と、脱炭素関連には技術的なブレークスルーによって新しい市場を拓くような企業が誕生する可能性も高いという。

 例えば、脱炭素社会の代替エネルギー源として期待される「水素」は、「グリーン」「ブルー」「グレー」の3種類が存在する。現状は火力発電の副産物として水素が生成される「グレー水素」がメインとなり、生成過程で二酸化炭素が排出されている。また、「ブルー水素」は水素生成時に排出される二酸化炭素を回収・除去して生成する方法だ。そして「グリーン水素」は再生可能エネルギーを電源として、水を電気分解する二酸化炭素フリーな生成方法である。しかし、水素生成の理想形ともいえる「グリーン水素」の安定供給のためには、インフラや技術力が不足している状況であり、サプライチェーンが構築されるには時間がかかると見られている。「脱炭素社会の構築には一朝一夕では解決が困難な課題に対してイノベーションを通じてゴールに導くことが重要となるため、長期投資の魅力があると思っています」(三浦氏)と脱炭素が長期にわたる投資テーマである理由を解説する。

 そして、今後の展望について三浦氏は、「現在はインターネット時代といえます。インターネット時代を築き、我々の生活を大きく変えたアマゾンやアルファベット(旧グーグル)などの企業は、成長と共に株式市場において存在感を高めてきました。近い将来『脱炭素時代』が到来することが想定されます。現在は企業のサイズが小さくとも脱炭素社会に貢献する技術やサービスを提供し、勝ち組となる企業には長期的な成長余地があると考えます。『脱炭素』というテーマには、こうした魅力的な企業への投資機会が豊富に存在していると考えます」と同テーマの将来性を語った。