オミクロン変異株で2022年はどうなる? 外為オンライン・佐藤正和氏
オミクロン株の感染拡大が世界中で広がっています。米国では12月23日に27万人を超える新規感染者数が出ており、ニューヨークでも過去最多となる4万9708人の新規感染者が確認されています。オーストラリアでは初めて1日の感染者数が1万人を超えおり、中国など一部ではロックダウンも実施されています。
とはいえ、オミクロン株の感染者が入院に至る確率は、デルタ株に比べて50〜70%低い、というデータが「英保険安全保障庁(UKHSA)」から発表されるなど、オミクロン株がこれまでの新型コロナウイルスに比べて、重症化のリスクが低いことが徐々にわかってきています。
さらに、ファイザー製の「パクスロビド」やメルク製の「モルヌピラビル」といった「経口薬」が、アメリカで緊急使用許可を与えられるなど、徐々に治療体制が整ってきており、オミクロン株による影響は限定的になると考えられています。そう考えると、為替市場を始めとして株式市場や債券市場に、深刻な影響を与えることは考えにくい状態と言えます。
――米国株が史上最高値をまた更新していますが、今後も続くのでしようか?
2021年を振り返ったときに、印象に残っていることのひとつに米国株の好調さがあります。クリスマス明けの12月27日も、ニューヨークダウは3万6000ドルの大台を回復し、S&P500は最高値を更新しました。S&P500は、2021年の1年間で「69回」も最高値を更新しているそうです。大雑把に言って3〜4日に1度は最高値を更新してきたような勢いで、今後もこの状況はしばらく続きそうな情勢です。
とは言え、すでに米国の中央銀行に当たる「FRB(米連邦準備制度理事会)」は、来年3回の利上げを決めており、来年2月でテーパリング(資産購入縮小)を終えるとすれば、早ければ3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)から利上げが開始されるのではないかとさえ言われています。
そんな状況の中で、今後も株式市場が今年のように好調に推移して行くかどうかはやや疑問が残ります。すでに、市場の予想を裏切って英国が年内利上げを実施し、カナダやニュージーランドも利上げを実行しました。ニュージーランドはすでに2回も利上げを実施しています。年が明けたからといって、すぐに株式市場のトレンドに変化があるとは思えませんが、今後長い目で見ると金利引き上げの影響が徐々に出てくるのではないでしょうか。
――1月相場のポイントはどこになるのでしょうか?
年明け早々の動きとしては、1月7日にある米雇用統計が気になるところです。非農業部門雇用者数は、11月の21万人増から、12月は40万人増と予想されています。失業率も前回の4.2%から4.1%にさらに改善すると予想されており、景気回復の勢いが雇用市場にも波及していることが分かります。
米国の景気がこれだけ強いことを示しているわけですが、その反動として物価の上昇が顕著です。物価上昇の背景には賃金の上昇があるわけですが、言い換えればオミクロン株の流行があったとしても、米国の景気は強いと見て良いと思います。
