ケヴィン・スペイシー、『ハウス・オブ・カード』製作側に約36億円の支払い命令

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『ハウス・オブ・カード 野望の階段』で主人公フランシス・"フランク"・アンダーウッドを演じ、製作総指揮も務めていたケヴィン・スペイシー。しかし、2017年に性的暴行やセクハラ行為の疑惑が浮上し作品を降板。その後、およそ2年間に渡って法廷での争いが繰り広げられていたが、ようやく終止符が打たれそうだ。米The Hollywood Reporterが報じている。

ケヴィンのセクハラ容疑によって、対応に追われることになった制作会社MRC。予定されていたファイナルシーズンの中断、脚本の書き直し、締め切りに間に合わせるため13話から8話への構成変更に伴う収入減などの損害に対し、賠償金を請求。ケヴィンは容疑を否定し、降板は製作側が判断したもので契約違反ではないと訴えていたが、最終的にケヴィンには3100万ドルの支払いが命じられた。これは日本円にするとおよそ35億7000万円という額になる(為替レートは11月25日現在)。

MRCは声明で「従業員、現場、仕事環境の安全こそ、MRCにとっての最優先重要事項であり、これこそ説明責任を強く求めるため動き出した理由です」と発表。対するケヴィン側は沈黙を貫いている。

1995年には『ユージュアル・サスペクツ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞し、1999年には『アメリカン・ビューティー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したケヴィン。Netflixシリーズの先駆けで見事に成功した『ハウス・オブ・カード 野望の階段』は2013年から5年連続エミー賞作品賞にノミネートを果たしている。輝かしい功績をもつ一流俳優から一転、最近では出演作品もめっきり減ってしまった。2018年の『ビリオネア・ボーイズ・クラブ』を最後に長編映画へ出演していなかったケヴィンだが、今年公開のイタリア映画『L'uomo che disegnò Dio(原題)』や、2022年公開のスリラー映画『Peter Five Eight(原題)』にクレジットされており、引退する意向はなさそうだ。本件に決着がついたことを機に、俳優活動にもさらなる変化があるかもしれない。(海外ドラマNAVI)

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『ハウス・オブ・カード 野望の階段』©David Giesbrecht/Netflix