重視するポイントが男女で異なることも!

 人生で家の次に高い買い物だと言われている、クルマ。確かに、決して安くはない金額を出すものだけに、購入を検討するときは慎重になりますよね。とくに、家族のクルマや夫婦で共有するクルマを買うときには、両方の意見が合致しないといけないので、なかなかコレという1台が見つからない、互いに条件を譲らない、なんてことになりがちです。そこで今回は、男性と女性ではこんなに違う、重視するポイントや考え方をピックアップしてご紹介したいと思います。

1)ボディカラー

 まず1つ目は、見た目のポイントとして重視する度合いが変わってくるのが、ボディカラー。男性は、好みというよりも「リセールバリュー」を重視しがちです。本当は赤がいいけど、きっと下取りのときには値がつかないだろうな、などと早くも乗り換え時のことを考えて、無難な黒・白・シルバーを選びがち。でも女性は、普段からアイシャドウの色、口紅の色、洋服の色などで色選びをつねにおこなって生きています。なので、自分に似合う色、パートナーに似合う色、ご近所で浮かない色、他人と被らない色、といった見た目のマッチング重視の色選びをすることが多いのです。

 また、鮮やかなブルーやグリーン、赤といった色に一目惚れし、どうしてもその色がいいと言いがちなのも女性。ここはひとつ、男性が「どうしてその色がいいのか」を女性にちゃんと聞いてあげたうえで、自分の考えを正直に話しましょう。女性も冷静になれば、リセールバリューの低い色はあまり歓迎したくはないですから、そこから徐々に折り合いをつけるようにしたいですね。

2)運転しやすさ

 2つ目は、クルマの性能で違う視点となりやすいポイントとして、運転しやすさがあります。男性は、エンジンのタイプやパワーなどを見て、「運転してみたい!」とときめくものだと思いますが、それは根本的に自分の運転に自信があり、どんなクルマでも乗りこなすことができると思えるからです。女性は運転に苦手意識を持っている場合が多いですから、なにより「自分にも運転できそうかどうか」「安心して運転できる環境が整っているかどうか」がもっとも気になるところです。

 そのため、あまり奇抜なシフトレバーとか、先進的すぎるメーターなどを見た瞬間に、「あ、これ私にはムリなやつ」と引いてしまうかもしれません。なのでそこはまず、実際に運転席に座ってみて、シートやステアリングの調節機能がしっかり装備されていること、視界が確保されていること、慣れれば操作がしやすいようになっていることなどを1つ1つ説明し、女性に安心感を持ってもらえるようにしましょう。バックモニターなど、普段の運転をサポートしてくれる装備から、衝突被害軽減ブレーキなど、万が一の際の安全装備がそろっていることも、確認するといいですね。

3)乗り降りのしやすさ

 3つ目は、男性ではほとんど気にする人がいない、乗り降りのしやすさです。というのも、女性はいろんな服装と靴で乗車します。ヒールを履くことが多い女性は、足つきの良さが気になりますし、タイトスカートやミニスカートを履くときに太ももが露わになるような高さは嫌がります。

 また、小さな子供がいるファミリーでは、チャイルドシートの乗せおろしがしやすいかどうか、狭い場所でも広くドアが開けられるかどうか、といったところも確認したいものですね。男性でも、長身の方は乗り降りのたびに頭をぶつけるようなクルマは避けたほうがいいので、ぜひチェックしてほしいと思います。

男性は見落としがちなポイントでも女性が気にすることもある

4)後席の居住性

 4つ目は、これも男性はあまり気にしないのですが、後席の居住性。とくに子供が小さいころは、女性は助手席よりも後席で子供の隣りに座ることが多いものです。なので、足もとや頭上の広さ、ドリンクホルダーなどがちゃんとあるかどうか、エアコンの風はしっかり回ってくるかどうか、といった快適性が気になります。

 もちろん、背もたれがちゃんとあるか、座面の大きさが適切かどうか、といったくつろぎやすさも重要。本当は乗り心地の良さも確認したいので、試乗の機会があればぜひ女性を後席に乗せてあげてくださいね。

5)インテリアの色と素材

 5つ目は、インテリアの色や素材です。これは男女というより個人差かもしれませんが、レザーシートは好き嫌いがわかれやすいです。見た目は上質感があってエレガントなのですが、肌を露出することが多い女性としては、座った瞬間に「ヒヤッ」とするのが苦手だったり、汗をかきやすかったり。

 とくにホワイトレザーだと、洋服の色移りなどで汚してしまうんじゃないか、手入れが大変なんじゃないか、子供が傷をつけるんじゃないか、と心配がてんこ盛り。見た目と実用性のバランスを考慮すると、ファブリックで上質感があるものが理想的なのかもしれないですね。

6)収納スペース

 6つ目は、収納スペースです。これはクルマに乗るときの男女の持ち物の違いから、重視するポイントも変わってくるわけですが、男性はまぁ、財布とスマホくらいあれば出かけられますよね。なので、車内の収納スペースも最小限あれば気にならないものだと思います。でも女性は、小さくても必ずバッグは持ちます。なのでまずはそれをどこに置くか。

 また、ティッシュを隠して収納できるか、タオルやリップ、日焼け止め、サングラスなど細々したものを置くトレイやポケットはあるかどうか、子供がいるなら、替えのオムツや着替え、グズり対策のオモチャやDVD、タブレットといったものが収納できるかどうかもチェックしたいところです。最近では、USBポートが前席だけでなく後席用もあることが必須となってきていますので、そこも確認したいですね。

7)ラゲッジ

 7つ目は、やっぱりラゲッジ。男性の場合は、容量やシートアレンジがどうなっているのか、くらいはチェックすると思いますが、女性の場合はいくら大きくても、フロアが高すぎると重い荷物を積むときに大変だし、奥行きがありすぎても奥にしまった荷物を出すのに大変なので、低くてほどよい奥行きのラゲッジが使いやすそうに思えるもの。また、シートアレンジが豊富なのはいいけど、操作が複雑で重いのはNG。いざ使おうとすると大変なので、結局はやらなくなってしまうからです。

 さらに、バックゲートの大きさや重さ、電動開閉機能がついているかどうかも重要。小柄な女性にとっては、バックゲートが大きすぎるとジャンプして閉めることになるし、重いと何度も開け閉めするのが大変です。最近は、足の動作で自動開閉できる機能がついたモデルが増えてきたので、それは女性にとって魅力的だと思います。

 というわけで、クルマを購入する際に男女で異なる重視ポイントをご紹介しました。きっと男性からすれば、「そんなことが気になるの?」とびっくりすることもあったのではないでしょうか。なので、自分だけで実車を見にいって、さっさと契約してくるなんてことをしたら、奥様や子供、彼女から大ブーイングの可能性大。面倒でも、ちゃんと一緒に見に行って、意見を聞いてあげるのが、のちのちお互いに満足なカーライフを送るためのステップだと思います。