植田直通

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日本代表は現地時間の13日、オランダ・ユトレヒトでコートジボワール戦を戦い、試合終了間際に植田直通がゴールを挙げ、1-0で勝利を収めた。

後半アディショナルタイム、右サイドのFKを柴崎岳がセットしたとき、88分に出場した植田はボールから一番遠いサイドにポジションを取った。柴崎がキックモーションに移ると植田は巧みにマークを外して、フリーでダイビングヘッド。

正確にミートされたボールはGKの手の上をすり抜けてゴールに飛び込んだ。植田の日本代表初ゴールは2014年ワールドカップ初戦で敗れた相手へのリベンジとなる決勝点となった。

オンラインの記者会見に臨んだ植田は心境を聞かれて「本当にうれしいという一言です」とほんの少しだけ笑みを浮かべ、いつもどおり言葉少なく語った。

出場するときに監督からは「後ろで失点をなくす」「チャンスがあればセットプレーで1点を」という指示を受けたという。ゴールは「自分自身も狙っていたことだった」という植田は「有言実行できて良かったです」と安堵の表情を浮かべた。

植田は2019年11月のベネズエラ戦に先発したがハーフタイムで交代し、試合も1-4で敗れた。その時に比べるとこの1年の自身の成長を「つなぐことのレベルアップを(クラブでの)練習でやっていますし、DFとしては相手のFWに何もさせないという課題を少しずつ改善しています」という。

もっとも代表チーム内には強烈なライバルのキャプテン吉田麻也と今は守備陣の中心とも言える冨安健洋がいる。カメルーン戦の前には「(日本代表に)呼ばれている回数は多いと思いますが、まだまだ自分は足りてないと思っている部分がたくさんある」と自分を冷静に分析していた。

「まだまだこれからやらなければいけないことがたくさんあるので。今はこうやって限られた出場時間かもしれませんが、その時間に全てを注ぎたいと思ってるし、そのために全力で準備したいと思います。今日は結果が付いてきたので、このまま続けていきたいと思います」

この1点で先発に定着できるかというと、そうではないかもしれない。植田もそう考えているようだった。だがそう謙虚に語りながらも植田は最後にニッコリと笑顔を見せた。

【取材・文:森雅史/日本蹴球合同会社】