わずか4万円超の5Gスマホで日本の大手キャリア市場に挑む! シャオミの高コスパで価格破壊できるエビデンス
中国のスマートフォンメーカー「Xiaomi」(シャオミ)が、ついに本気を見せ始めました。
8月31日に行われた同社のオンライン新製品発表会では、5G対応スマートフォン「Mi 10 Lite 5G」をはじめ、圧倒的なコストパフォーマンスを武器とする全5製品が発表されました。
製品のジャンルと価格は以下の通りです。
・Mi 10 Lite 5G(5G対応スマートフォン):42,740円
・Mi スマートバンド5(スマートバンド):4,490円
・Mi True Wireless Earphones 2(完全ワイヤレスイヤホン):3,990円
・Mi True Wireless Earbuds Basic 2(完全ワイヤレスイヤホン):2,490円
・Mi 空気清浄機3H(家庭用空気清浄機):19,900円
シャオミ製品の特徴は、価格の安さだけではありません。
低価格でありながら数ランク上の性能の製品と同等の性能や機能、品質を提供する点です。
同社自身も、製品のコストパフォーマンスの高さこそが最大の強みであると認識しています。
シャオミは2018年より、同社のハードウェア事業の純利益率を5%未満に抑えるという戦略および目標を掲げており、
2020年には研究開発費として1500億円以上もの投資を行うことを約束しています。
単純に利益や開発コストを削ることでコストダウンを図るのではなく、得られた利益を新製品や新たなテクノロジーの開発へ惜しみなく投入していくことこそが、
「テクノロジー企業としての誇り」
そう語っています。

シャオミがわずか10年足らずで世界有数のテクノロジー企業となれた理由は、研究開発への惜しみない投資にある
●5Gを身近にするMi 10 Lite 5G
そのシャオミの企業理念を体現したような製品が「Mi 10 Lite 5G」です。
同製品は日本国内においてKDDIより販売されています。
また、移動体通信事業者(MNO)から販売されるシャオミ製スマートフォンとしては、初の製品となります。
シャオミは2019年12月にSIMフリー市場向けのスマートフォン「Mi Note 10」シリーズによって日本へ初進出しました。
その後も日本市場のリサーチや消費者ニーズの調査を続けてきました。
結果、日本のSIMフリー市場ではハイエンド性能の中価格帯の製品よりも、ミッドレンジ性能で低価格帯の製品に高いニーズがあることを掴み、
2020年6月にはミッドレンジ性能で3万円を切る低価格を実現した「Redmi Note 9S」を投入して、大成功を収めています。

4眼カメラや十分に高速なSoCを搭載しながら実売3万円以下を実現したRedmi Note 9S

SIMフリー市場での成功を胸に、MNO市場へと躍り出る
そして満を持して投入されたMi 10 Lite 5Gは、4万円台前半という低価格ながら5G通信に対応するという驚愕のハイコストパフォーマンス端末となっています。
購入から13ヶ月目〜25ヶ月目までに新たな機種へと買い替えた場合に、分割負担金の最終回分の支払いが不要となるKDDIの「かえトクプログラム」を適用すれば、29,900円で購入できるという点もまた、本製品のメリットをさらに魅力的にしています。

かえトクプログラムなら月額わずか1,300円で5G端末を持ててしまうのも驚きである
もちろん性能面でも他社製5G対応スマートフォンに引けを取りません。
性能面ではミドルハイクラスの性能と5G通信機能を備えた、クアルコム製SoC「Snapdragon 765G」を採用し、背面には2つのビデオ録画を同時に行い1つの動画に合成する「デュアルビデオ」機能にも対応した4眼カメラを搭載。
ディスプレイはHDR 10+に対応したサムスン製6.6インチAMOLEDを採用し、インカメラによる顔認証に加えて画面内指紋認証も搭載しています。
高品質なディスプレイ性能やデュアルビデオ機能などは、大容量・低遅延を実現する5G通信の魅力を存分に発揮できる性能です。
いわゆるハイエンド端末のような特出した性能や機能は持ち合わせていませんが、必要な機能と性能を必要なだけ搭載した、非常に無駄の少ない機種と言えるでしょう。

背面には高強度の強化ガラス「Gorilla Glass 5」を採用し、常に持ち歩くガジェットとしての安全性や品質も十分に確保している
●新たな試練が待ち受ける「第3のステップ」
そのほかのスマートバンド製品や完全ワイヤレスイヤホン製品なども、価格設定を間違えたのではないかと思うほどの低価格です。
シャオミの強みは、決してすべての消費者およびユーザー層をターゲットにはしていないことです。
シャオミがターゲットとしているユーザー層は
「安くても品質の良い製品がほしい」
このような、ある意味、獲得の難しいワガママな層なのです。
実は、こうした性能と価格に厳しいユーザーはマイノリティ層ではなく、世界中で多数いるマジョリティ層であったことで、同社は急成長を達成できたのです。
こういった「ワガママな層」は価格にとてもシビアです。
ブランドやネームバリューにとらわれず、純粋に価格と性能を見比べて評価を下します。
しかし10年間、その厳しい目と対峙し、評価を受け、成長してきたのがシャオミです。
シャオミがテクノロジー開発への投資を「誇り」と語り、自負するには根拠があり、これまでの実績がそれを証明しているのです。

ただ安いだけのスマートフォンメーカーであったならば、ここまでの成長はなかっただろう
日本進出第1号となったスマートフォンは、市場の特性を読みきれず十分な評価を得られませんでした。
しかしシャオミはすぐに戦略を改善・修正して新端末を投入し、見事に消費者ニーズを掴みます。
そして今、第3のステップとしてMNO市場でのチャレンジが始まっています。
日本のMNO市場のユーザーもまた、独特で特徴的なニーズを持ちます。
価格にシビアな点はSIMフリー市場と同様ですが、一方でブランドやメーカーにこだわりが強く、使い慣れたブランドの製品を継続して買い換えるという傾向もあります。
見方によっては保守的とも言えるMNO市場ですが、
そのような市場で、新規参入の中国系企業のシャオミがどこまで認知度を向上させ、ブランドを定着させて人気を獲得できるのか?
「Mi 10 Lite 5G」は、その大きな試金石となるでしょう。
執筆 秋吉 健
