豪徳寺接骨院PALLEDO提供

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89歳でキックボクシングを始めた男性の動画がSNS上で話題になっている。

【写真】ダンベルを持ち、スクワットができるまでになったおじいさん

動画を投稿したのは元キックボクシングJ-NETWORKライト級1位で現在、東京都世田谷区で豪徳寺接骨院PALLEDOを経営している生井宏樹さん。

「杖から解放されたおじいちゃんも、地道なトレーニングを頑張ってるよ。バランスも良くなり、今では歩行時に、姿勢まで意識出来るようになった。素晴らしいね。運動意欲が上がったのか、ご自身でプールに行こうと思ったんだって。けど身体にお絵描きがあるから断られたらしい。まぁウチで頑張ればいいさ」と、スクワットが自力でできるまでになったおじいさんの動画を紹介。

さらに「僕はね、キックボクシングを勧めるのはエゴだと思ってたんだ。おじいちゃんに必要なのは足腰。パンチは必要ないからね。けど昨日。おじいちゃんの方から「肩甲骨を動かしたい」と言ってきた。そういうことなら、あるよ。良い運動が。というわけで最年長記録を塗り替え、89歳でキックボクシングデビュー」と、パンチをくり出すおじいさんの動画をアップしてツイートした。

「また連投になるけど、成長が本当に著しくて。下半身を連動してのパンチが安定してきたので、パンチから膝蹴りまで繋いでみました。膝蹴りは、一瞬片脚立ちになるので、ゆっくり、気をつけながら。。と思ったら、スイスイ膝が出てくるんだ。タイミングより早く。凄いね。むしろ繋げたほうがいいのかな」と、笑顔でトレーニングするおじいさんの動画を公開。

生井さんが日々投稿する動画を追うと、はじめは自力で立つことすらおぼつかなかった男性が少しずつ姿勢を保てるようになり、パンチやキックをくり出せるようにまでなってゆく過程を確認することができる。

この男性はあのような状態からどうしてキックボクシングを始めることになったのだろうか? またどのようなトレーニングが現在の成果を生んだのだろうか? 生井さんにお話をうかがってみた。

中将タカノリ(以下「中将」):おじいさんは、どのような経緯で生井さんのもとでキックボクシングを始められたのでしょうか?

生井:3年ほど付き合いのある方なのですが、2カ月ほどのコロナ自粛期間後、杖を付いて現れました。特に怪我はされているわけではなく、筋力低下によるものでした。なので自粛期間で失った筋力を取り戻すべく、初めは寝たまま脚の筋トレを始めたところ約2週間ほどで自立歩行に戻り、トレーニングも立位でできるようになりました。その後、男性のほうから「肩甲骨も動かしたい」というご要望があり、僕がキックボクシングを勧めたという経緯になります。

中将:とても短期間で今のような状態になったんですね! 生井さんからの勧めだとしても、89歳でキックボクシングを始めようというガッツもすごいです。しかし高齢で激しい運動を始められることに不安や心配はありませんでしたか?

生井:もちろん強度に関しては配慮しているので心肺機能を追い込むようなことはしないのですが、一番心配したのは運動中の転倒でした。なのでバランスを崩したら補助できるよう、手の届く範囲で相手のバランスを注視しながらトレーニングを行っております。マンツーマンならではの利点ですね。

中将:現在、おじいさんのトレーニングはどんな段階でしょうか?

生井:まだ始めて1週間ほどなのですが、すでに下半身と上半身を連動させたパンチや片脚立ちの状態を伴う膝蹴りなどに取り組んでおります。また、そのような技をコンビネーションで打つことで頭の体操にもなっていると思います。なによりも、笑顔が増えたというのが印象的ですね。

中将:身体を動かすことがいろんな感覚を刺激するんですね。生井さんは高齢の方が運動にチャレンジすることについてどうお考えですか?

生井:高齢になると運動能力が落ちるというイメージがありますが、それは高い次元、競技レベルでの話で、日常レベルにおいては運動能力は向上していくんだなぁということを身をもって感じました。運動自体は頭の体操にもなりますし、できる範囲で構いませんので多くの方に取り組んでいって欲しいですね。きっと笑顔が生まれると思います。

 ◇ ◇

適切な指導のもとであればいくつになっても人の運動能力は向上してゆく……本格的な高齢化社会を迎える日本だからこそ、こういった考えは非常に大切なものだと感じる。その良いお手本となっていただくためにも、男性にはこれからもさらなるキックボクシング道への邁進を期待したいものだ。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)