Image: Disney

このネタで『5』作っちゃうのも、あり。かも?

トイ・ストーリー1』と『2』でウッディが恋する、可愛い羊飼い人形として登場したボー・ピープ。『3』では離れ離れになりましたが、最新作の『トイ・ストーリー4』で再登場。そこで彼女はウッディに、「おもちゃだからといって、1人の子供にすべてを捧げる必要はない。別のおもちゃの自分探しを手伝うなど、他に生きる道もある」と諭します。

そしてこれは、『トイ・ストーリー』から私たちに向けた、「自分の人生、自分らしい生き方を見つけよう」というメッセ―ジになっています。ちょっとウルっときちゃいそうな話ですが、実はこのストーリー、ボツになる可能性もあったそうですよ。

TIME社が発行する Entertainment Weekly誌で、『トイ・ストーリー4』の幻のエンディングが公開されました。直前まで候補に残ったといわれるもう1つのストーリー案は、実際に上映された映画の世界観やモラルを根底から覆す、パラレルワールド全開の内容に。後味としては正直、微妙…。

下記の共有動画クリップを見るとわかるのですが、別案ではボー・ピープが新しい持ち主となる子供と運命的に出会い、ウッディとは別々の道を歩む、というストーリー。ちなみに、この子供というのが、本編でも登場したアンティークショップにいた、あの子です。この出会いに、ボー・ピープは目を輝かせ、まるで神様に出会ったかのように語ります(トイストーリーのファンの中には、このシリーズが宗教の象徴という説もあるそうですから、まあそれもありかな、と)。

「あの子が運命の子だわ」とボー・ピープは言うんです。「前と同じ、縁を感じるの、ウッディ。私はきっとあの子のおもちゃになるわ」。

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正直、私としては「これだけは勘弁」と思い続けてきた、最悪のシナリオです。

ボー・ピープの旅の最大の見せ場は、彼女がそれを貫くところだったはず。『トイ・ストーリー2』終了後にアンディの家から去ったボー・ピープ。彼女と再会したウッディは、子供と一緒でなくても彼女が幸せに暮らしていることを知ります。彼女は家、コミュニティ、そして自分の使命と出会っていたのです。「おもちゃは、子供のためにあるもの」と信じるウッディは、最初はもちろん戸惑いますが、次第に彼女の信念を理解し、感謝し、さらには共感するようになります。

最初に『トイ・ストーリー4』を見た時、ボー・ピープがウッディに感化されて、「やっぱり私が間違ってたわ」などと言って一緒に家に帰るか、新しい持ち主の子供を見つける…なんてオチになるんじゃないかと心配でした。これだと、彼女は自分の中の孤独を自己肯定感でカムフラージュしただけ。結局、「いるべき子供」と一緒にいる運命に逆らえないということになります。

しかしこれでは他のキャラクターや映画全体のテーマがくずれてしまい、ストーリーの結末もなしくずしになっていたでしょう。また、本編ではボー・ピープの生き方に共鳴したウッディが、それまでの考え方を変える、という流れになっていますが、別案では結局「男がいつも正しくて、考えを修正するのは女性」というシチュエーションに。それもまた、もったいない気がします(これは意図されたものではないかもしれませんが)。

幸い、「ボー・ピープが新たな子供と出会う」という案は却下されました。このエンディングがどれだけ真剣に、どの時期まで議論されていたかはわかりませんが、ジョシュ・クーリー監督は「ぎりぎりまで候補にあった」と話しています。 製作側がいまのエンディングを選んでくれたのは良かったですが、正直、「ぎりぎりまで」真剣に悩んでいたという点に、そこはかとない不安をおぼえます。映画の中でボー・ピープ、そしてウッディが体現したテーマ自体、ボツになる可能性があったわけで。

私は、ボー・ピープの精神が『トイ・ストーリー4』のメインテーマだと思っていたんだけど、そうでもなかったのかな…と、ちょっと肩透かしをくった気分です…(まあ、今回のエンディングは賛否両論だったので、パラレルワールドで消化不良を解消した人もいたはず、ということで納得します)。