渡邊雄太【写真:Getty Images】

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ファジーカス奮闘も守備崩壊、1大会4連敗は56年ぶり

 バスケットボールのワールドカップ(W杯・DAZNで生配信)で1次リーグ3戦全敗となった世界ランク48位の日本は7日、同38位・ニュージーランドとの順位決定戦(東莞・東莞藍球中心)を行い、81-111で敗れた。NBAウィザーズの八村塁が膝の不調と疲労、主将のPG篠山竜青が左第1趾末節骨骨折で残り試合を欠場。10人で戦ったが、W杯初の開幕4連敗となった。前回大会のスペイン戦(104失点)を上回り、大会史上最多失点の惨敗を喫した。

 エースと主将を欠く中、比江島慎、渡邊雄太、馬場雄大、ファジーカス・ニック、田中大貴が先発。試合前にはニュージーランド伝統の「ハカ」が日本選手の前で披露され、幕を開けた。

 第1クォーター(Q)開始19秒、課題にしていた3ポイントを決められ先制を許す。米国戦で孤軍奮闘の18得点を挙げた馬場雄大の3ポイントなどで序盤はシーソーゲームを展開したが、相手の遠距離砲に苦戦し12-22の残り5分4秒でたまらずタイムアウトを取った。その後は攻撃の核を担うファジーカスが第1Qだけで17得点。課題だった3ポイントも相手と同じ5本を沈め、29-29に追いついて第1Qを終えた。

 しかし、第2Qの序盤にファジーカスを下げると、得点を奪えない。リバウンドでも優位に立てず、29-37の残り7分30秒にタイムアウト。以降も徐々に点差を広げられ、復帰したファジーカスは前半だけで24得点を奪ったが、39-55で前半を折り返した。

 第3Qも相手に3ポイントを打たれ、点差は広がっていく。渡邊や比江島が果敢なドライブでファウルをもらい、フリースローを決めていくが、61-82で最終Qに突入。八村と篠山の欠場で「自分がもっとしっかりしなきゃいけない」と話していた渡邊もなんとか追い上げようと体を張ったが、30本以上の3ポイントを打たれる大量失点で敗れた。

 8月の強化試合4戦で108得点、W杯1次リーグ3戦で40得点の八村の存在は大きかった。NBAの新シーズンを見据えた苦渋の決断。馬場によると、チームに「申し訳なかった。力を一つに頑張っていきましょう」と言葉を述べたという。強いリーダーシップを発揮してきた篠山は、この日の試合前のウォーミングアップでも声を張り上げ、選手たちとハイタッチを繰り返してチームを鼓舞。まさにスローガンとする「日本一丸」で挑んだが、今大会初勝利には届かなかった。

 ニュージーランドは日本との強化試合2戦目で3ポイントシュートを13本沈めた通り、今大会3試合で12本、11本、12本を成功させ、一つの強みとしてきた。NBA選手はいないが、まとまったチーム。ラマス監督は「3ポイントシュートをもちろん警戒して、そこを抑えれば勝機がある。そこのディフェンスが凄く重要になってくる」と警戒していたが、止められなかった。

 日本のW杯1大会4連敗は、初出場した1963年ブラジル大会で5連敗して以来56年ぶり。順位決定戦は2次リーグに進出できなかった16か国が、4グループに分かれ、2試合で17位から32位を決定する。1次リーグの勝ち点を引き継ぎ、1度対戦した国とは戦わない。9日には世界ランク28位のモンテネグロと対戦し、W杯9連敗中の欧州勢に対し初勝利を目指す。

 【日本のW杯全成績】

■1963年(ブラジル)13位
日本●65-86プエルトリコ
日本●63-95ユーゴスラビア
日本○70-50ペルー
日本●63-79ウルグアイ
日本●85-103アルゼンチン
日本●70-71メキシコ
日本●85-95ペルー
日本●74-78カナダ

■1967年(ウルグアイ)11位
日本●63-69アルゼンチン
日本●56-95ソ連
日本●58-81ペルー
日本○86-79プエルトリコ
日本●57-74イタリア
日本○80-55パラグアイ
日本●54-69メキシコ
日本●50-67ペルー

■1998年(ギリシャ)14位
日本●58-83ロシア
日本●57-78プエルトリコ
日本●54-99ユーゴスラビア
日本○60-55セネガル
日本●60-70ナイジェリア

■2006年(日本)17位
日本●70-81ドイツ
日本●62-87アンゴラ
日本○78-61パナマ
日本●57-60ニュージーランド
日本●55-104スペイン

■2019年(中国)
日本●67-86トルコ
日本●76-89チェコ
日本●45-98米国(THE ANSWER編集部)