雨の日の1時間あたりの事故件数は晴天時の約5倍にも!

 もうすぐ秋雨の季節。日本は年間の1/3が雨なので、つねに雨のことは考えなければいけないが、それでも秋は台風も多いし雨が降りやすい。全日本交通安全協会によると、雨の日の1時間あたりの事故件数は、晴天時の約5倍になるとのこと。

 こうした雨の日にヒヤッとすることがないようにするためには、なによりも雨に強いタイヤ=ウェットグリップの高いタイヤを履くのが一番有効。

 エコタイヤを中心に、日本自動車タイヤ協会が、ラベリング(表示方法)制度を導入し、ウェットグリップ性能の等級をa〜dの四段階で示しているので、購入するときはこれを参考にするといい。

 ちなみに、ウェットグリップ性能が「a」のタイヤと「c」のタイヤとでは、ウェット路面で100km/hからのフルブレーキ時の制動距離が、クルマ1.5台分もの差がついてしまう。

 こうしたタイヤのウェット性能は何で決まるかというと、大きくわけて2つある。

タイヤに刻まれる「溝」が大切な要素

 ひとつは排水性。これはタイヤのシーランド比、つまり溝の部分と接地するブロックの部分の割合が大きく左右する。レーシングカーのスリックタイヤのようにシーランド比が0%だと、排水性はほとんど期待できない。

 一般道を走るなら、夏タイヤでもシーランド比は30〜40%は必要。当然面積だけでなく、溝の深さも深ければ深いほどよく、デザイン的には、縦方向に太いストレートグルーブが多いほど排水性はいい。ハイドロプレーニングに強いか弱いかは、このトレッドパターン(溝)で決まってしまう。

 もうひとつは、タイヤのグリップ力。タイヤのゴムは熱の影響を受けやすく、性能を発揮しやすい温度域というのが決まっている。雨が降れば、タイヤの表面は冷えてしまうので、雨に強いタイヤは、低温に強い柔らかめなコンパウンドが必要。

 温度の影響を受けにくくするためにタイヤメーカーでは、コンパウンドにシリカなど配合しているが、そのシリカにも何十種類もあり、それをどうチョイスし、いかに均一に分散させるかは、メーカーの腕の見せ所で、企業秘密になっている。

 難しいのは、タイヤのグリップ力を上げると、必然的に転がり抵抗が増えるので、燃費面ではマイナスになるという点。そのため、前記の日本自動車タイヤ協会のラベリングでは、ウェット性能の評価とともに、転がり抵抗係数も5段階で表示して、転がり抵抗性能の等級がA以上で、ウェットグリップ性能の等級がa〜dの範囲内にあるタイヤを「低燃費タイヤ」と定義している。

 さらに大事なことは空気圧。ウェット性能の高いタイヤを履いても空気圧が適正でなければ、性能は十分発揮されないので要注意。とくに耐ハイドロプレーニング性能は、空気圧の影響が大きく、空気圧の低いタイヤほどハイドロプレーニングになりやすいので、タイヤの空気圧は月に一度は調整すること。

 また当然のことながら、摩耗して残り溝が少なくなっているタイヤや、使用年数が長く、ゴムが硬化してきているタイヤはウェット性能もかなり低下しているので、溝の少ないタイヤや、4〜5年以上使っているタイヤは、早め早めに交換しよう。